「門外漢」は女性にも使える? 具体的な用例や意味、語源、類語、対義語、英語表現までをまるっと解説

その物事について専門外である人を指す『門外漢』。「私は門外漢なので、詳しいことはわかりません」と謙遜して使われることが多い言葉です。本記事では、『門外漢』の意味から言葉の由来、使い方、類語、対義語、英語表現までをご紹介します。

「門外漢」とは?

まずは、『門外漢』の読み方と意味、語源を押さえておきましょう。

読み方と意味

この言葉は、『門外漢』と書いて「もんがいかん」と読みます。「その物事について専門外である人」を意味します。

由来・語源

『門外漢』の漢字を分解してみると、学問やその専門分野を学ぶ場のことを指す「門」と、「外」、「漢(=男性)」を組み合わせて、その分野の外にいる人を表現していることがわかりますね。中国南宋代に成立した禅宗の歴史書・五灯会元が初出とされています。

「漢」と付くけど、女性にも使えるの?

「巨漢」「熱血漢」のような言葉があるように、「漢」という文字は成人男性を指したり、男らしさの要素を示したりする際に用いられることがあります。とはいえ、現在では性別に関わらず「人」を表すと解釈されており、『門外漢』もまた、男性に限らず、女性に対しても使うことができます。

使い方を例文でチェック!

ここからは、『門外漢』の使い方を例文を通してチェックしていきましょう。

1:私はこの分野については【門外漢】のため、詳しいことはよくわかりません。

『門外漢』は謙遜する際などに使われることが多い言葉です。自分がその分野について詳しくないときなどに、「私は門外漢なので〜」と用いることができます。

2:【門外漢】の私が申し上げるのも僭越ですが、今回のプロジェクトの進め方には少々違和感を感じます。

専門外の事柄に意見する際に、クッション言葉として「門外漢の私が申し上げるのも僭越ですが」「門外漢で恐縮ですが」といったフレーズを使う場合もあります。

3:【門外漢】の彼がこの問題に口を挟むと、別のトラブルが生まれそうだ。

【門外漢】は基本的には自分を謙遜する際に使われますが、専門外の他人を言い表すのに用いられることもあります。ただし、高圧的な印象をもたらしたり、失礼になる場合があるので要注意。

類語や言い換え表現は?

では、『門外漢』をほかの言葉で言い換えたい場合、どのような表現が使えるのでしょうか。『門外漢』の言い換えに適した類語をご紹介します。

1:畑違い(はたけちがい)

『畑違い』とは「専門の分野・方面が違うこと」を指す言葉です。自分を謙遜して使われることが多く、『門外漢』の言い換え表現として用いることができます。

2:専門外(せんもんがい)

『専門外』とは、言葉のまま「その分野の専門ではない」ことを意味します。『門外漢』や『畑違い』と同様に使うことができる表現です。

3:局外者(きょくがいしゃ)

『局外者』とは、「ある事柄に関係のない立場の人」や「第三者」を指す言葉です。『門外漢』が持つ「専門ではない」という意味合いは直接的には薄まりますが、「当事者ではない」というニュアンスを持つ点においては近い言葉と言えます。

対義語は?

ここでは、『門外漢』の反対の意味を言い表したい場合に使える言葉をご紹介します。

1:専門家(せんもんか)

『専門家』とは、言葉のまま「その分野を専門とし、それに詳しい人」を意味します。「その物事について専門外である人」を指す『門外漢』とは反対の意味で使うことができます。

2:識者(しきしゃ)/有識者(ゆうしきしゃ)

『識者』『有識者』とは、どちらも「その分野の知識に長けている人」という意味合いで使われる言葉です。「特定の分野の知識を持たない人」を指す『門外漢』の対義語として覚えておきましょう。

英語表現は?

では、『門外漢』は英語ではどのように言い表すことができるのでしょうか。最後に、『門外漢』に近い意味を持つ英語表現を押さえておきましょう。

1: an outsider

“outsider”は、“outside(外部)”に人を表す接尾辞“-er”が組み合わせられ、『外部の者』や『よそ者』という意味を持ちます。『門外漢』の英訳として用いられることも多い言葉です。

2:a layman

“a layman”とは、『素人』『専門家でない人』という意味を持つ言葉です。『門外漢』と訳されることもあります。

他人に対して使用すると、失礼になる場合もあるので要注意!

今回は『門外漢』の意味から語源、使い方、類語、対義語、英語表現までをご紹介してきました。先述してきたとおり、『門外漢』は自分を謙遜する際に使われることが多い一方で、他人に対して使うと高圧的な印象をもたらしたり、失礼になる場合があります。使用する場面には十分に気をつけましょう。

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文・構成/羽吹理美

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