来年、2020年に行なわれる「学習指導要領」の改定により、小学校からのプログラミング教育の全面実施が予定されていますが、この夏休みに小学三年生から中学三年生までを対象にしたプログラミングサマースクールが開催されます。
主催者は、学校法人角川ドワンゴ学園が運営する「Nepps」(https://nepps.jp/)。
「Nepps」は、今年4月にオープンした小中学生のためのプログラミングスクールで、初心者から本格的なエンジニアを目指せる幅広いカリキュラムを展開しています。
今回開くサマースクールは、今年のゴールデンウイーク中の4月29日(土祝)に開催した「GW1Day プログラミングキャンプ」の好評に応えてのもの。定員30名の枠があっという間にいっぱいになり、受講枠を増やしたほどの人気で、中には沖縄県から参加した生徒もいたそうです。
ロボットやVRゲームを作って楽しめる4つの講座
サマースクールでは、子どもの興味によって選べる複数の講座が用意されており、夏休みの自由研究にもなります。
用意されている講座は次の4つです。
①夏休みの自由研究 電子工作講座~サッカーロボットを作ろう!~
対象:小学四年生~中学三年生
期間:3日間(1日目サッカーロボ工作、2日目プログラミング/試合、3日目プレゼンまとめ/発表)
夏休みの自由研究として提出するのに最適な、電子工作とプログラミングが学べます。実際に自分でサッカーロボットを作って、同じ講座を受講したメンバーと対戦します。自分で作ったロボットが、他者の作ったロボットと闘う場は大いに盛り上がりそう。受講後、プログラミングや電子工作への興味がわくきっかけになるのではないでしょうか。
②Unity VR講座~VRで楽しむシューティングゲームを作ろう~
対象:中学一年生~中学三年生
期間:3日間(1日目ゲーム開発/プログラミング、2日目VR実装/プログラミング、3日目プレゼンまとめ/発表)
スマホゲームなどの開発に実際に使われている「Unity」を使って、VR(バーチャルリアリティ)空間を制作します。3D映像とコントローラーを連動させ、VR空間で動かす簡単なシューティングゲームを作るプログラミングが学べます。自分だけの力でバーチャルゲームをつくり上げる感動を体験できます。
③Unity 入門講座~3D迷路ゲームを作ろう~
対象:小学四年生~中学三年生
期間:3日間(1日目ゲーム開発/プログラミング、2日目ゲーム開発/プログラミング、3日目プレゼンまとめ/発表)
スマホゲームなどの開発に使われている「Unity」を使って、3Dゲームを作る講座。キャラクターを自由自在に操作できる3Dゲームのプログラミングとデザインの基本を学ぶことができます。
この講座と同様のものが3時間かけて「GW1Day プログラミングキャンプ」でも行われたそうですが、主催した「Nepps」によれば、受講者からは「ふだん習っているプログラミング教室よりも、複雑な内容がおもしろかった!」という感想もあったとか。今回は、3日間かけて行われるだけに、より濃密な時間を過ごすことができそうです。
④Scratch 入門講座~アクションゲームを作ろう!~
対象:小学三年生~中学三年生
期間:1日のみ(ゲーム開発/プログラミング)
本格的な2Dアクションゲームを、初心者向けのプログラミング言語「Scratch」で作ります。「キャラクターがジャンプする」や「アイテムを表示させる」など基本的なことを習得した後に、オリジナルのコースを作成します。イメージとしては、「《スーパーマリオ》がいちばん近い」そうです。
「Scratch」は、英語も、キーボード入力も使わずに、日本語の命令を並べて作るプログラミング言語なので、プログラミング初心者でも容易に学ぶことができます。
この講座も、「GW1Day プログラミングキャンプ」でも行われたものですが、「学校でやる《Scratch》よりもたくさんプログラミングができてよかった」という声が多かったとか。「Scratch」のおもしろさを実感すると同時に、プログラミング的思考力とはどういったものかを学ぶ入口として、良い体験になるでしょう。
講座で作ったロボットやデータは家に持ち帰ることができます
以上の4つの講座のうち、①のサッカーロボット講座で制作したロボットは、その場で持ち帰りができます。
また、その他の②~④の講座で作ったプログラミングのデータも、希望者には受講後、メールでデータを送付してもらうことが可能です。
講座を開催する会場は、「Nepps」の代々木校、横浜校、大宮校の3校。ご紹介した各講座は最長3日間のものですが、5~7日間のコースもあります。開催日時や料金、申し込み方法などの詳細は以下のサイトで確認できます。
プログラミング教育に興味のある方は、この機会に参加してみてはいかがでしょう。
同校の授業は、「教壇に講師がいてその講義を生徒が聞いて学ぶ」というものではなく、どちらかというと「個別指導」方式で、生徒の習熟度や要望に沿いながら講師が教えるというスタイルをとっています。そのため、授業が楽しくて、積極的に学ぶ生徒が多いそうです。
サマースクールの様子は保護者の方も見学することができます。夏休みの親子の思い出づくりに参加してみるのもいいのかもしれません。
「プログラミングサマースクール」イベント特設ページ
取材・文/山津京子