大阪の「ちりとり鍋」って? 自宅のホットプレートで再現してみた! 発祥からおすすめ具材、アレンジアイデアまで徹底解説

大阪の下町情緒を感じられる料理といえば、お好み焼きや串カツなどがすぐに思い浮かびます。そんな中でも、庶民の味として親しまれてきた「ちりとり鍋」を今回は解説します。甘辛い味付けの肉類と野菜を使った鍋料理ですが、大人数が集まるパーティーにピッタリなんです。調理法を詳しく見ていきます。

ちりとり鍋は大阪発祥の鍋料理で、正方形の浅く平らな鍋を使うのが特徴です。牛肉や豚肉、ホルモン類をタレで味つけし、野菜と一緒に調理します。水分が少ない料理なので、野菜と肉に甘辛いタレがよく絡み、ご飯やお酒との相性抜群です。ご家庭では、ホットプレートで手軽に作れるので、お子さんから大人まで、一緒に楽しめるレシピをみていきます。

ちりとり鍋とは

大阪発祥の鍋、ちりとり鍋についてまとめました。

発祥は

ちりとり鍋は大阪市生野区の「万才橋」という店が発祥といわれています。ここの店主は、鉄工所も経営しており、そこで製作されたステンレス製の鍋の形状が、ちりとりに似ていたことから、この名前が付いたとされています。

もともとは、「テッチャン鍋」や「ホルモン鍋」と呼ばれ、「韓国風すき焼き」として紹介されることもありました。韓国料理のチョンゴルやプルコギといった、甘辛い味付けでホルモンと野菜を入れ、旨味のあるだしを楽しむ料理と似ています。

四角い形状の鍋を使用⁠

チリトリ鍋は、四角くて浅いステンレスの鍋で調理します。タレを揉み込んだホルモンと野菜の順に積み上げ、炒め焼きにします。そうしているうちに、だんだんと野菜から水分が出てきますが、それ以外の水分は鍋に加えません。

しょうゆや味噌でしっかりと濃い味を肉に染み込ませて焼く方法の他、上からタレを回しかけてから煮る方法の二通りがあります。いずれにしても鍋が浅いので、汁気は多くありません。野菜から出る水分だけで調理し、最後のシメでは、ご飯やめん類にその旨味をすべて吸わせるが調理のコツです。 ⁠

野菜とホルモンの旨味⁠

ちりとり鍋を提供するお店では、牛のミノ、ハツ、レバーなどが定番のホルモンも出されています。その他にも、タン、テッチャン(大腸)、ミノ、ハラミなど、さまざまな牛ホルモンを使います。これらを柔らかく煮込んで、独特の食感と濃厚な味わいを楽しみます。

使用する野菜も、店によってさまざまです。タマネギとネギでシンプルに仕上げる店もあれば、モヤシ、ニラ、キャベツ、キムチ、豆腐などを加える店もあります⁠。 ⁠

シメのおいしさ

ちりとり鍋の最後は、肉と野菜の旨みが凝縮された濃厚なタレが残ります。ここにご飯やうどんを加えるのが定番で、溶き卵やチーズを加えるなど、さまざまな工夫で楽しめます。

インスタントラーメンも人気です。
インスタントラーメンも人気です。

ちりとり鍋のレシピ

ちりとり鍋は、家庭でも簡単に作れる料理です。四角い鍋がなくても、普通の鍋やフライパン、またはホットプレートで代用できます。以下に作り方を紹介しますので、ぜひ挑戦してみてください。

ホットプレートで作るちりとり鍋

お子さんとご一緒に楽しめるよう、辛い調味料を使わないレシピです。大人向けには、キムチやコチジャン、豆板醤などを後からトッピングすると、好みの味に調整できます。

・材料

(4人分)

キャベツ 1/4個
もやし 1袋
パプリカ 2個
ニラ 1/2束

豚バラ肉(薄切り) 200g
鶏もも肉 200g
ウインナー 10本

【タレ】
焼き肉のタレ(市販) 大さじ3
味噌 大さじ1.5
酒 大さじ1
ごま油 大さじ1

【シメ】

冷ご飯 2膳分
卵 2個
ピザ用チーズ お好み量

・作り方

【1】キャベツは3~4㎝幅、パプリカは5㎜程度の厚さ、ニラは5㎝に切ります。

肉類は食べやすい大きさに切ってください。

【2】冷めたホットプレート(またはフライパン)に肉類を並べます。その上にキャベツ、もやし、パプリカを重ねます。具材の周囲にはウインナーや、豆腐などを置いて、一緒に焼くことができます。

【3】【タレ】の材料を混ぜ合わせ、上からかけます。

タレの材料は、あらかじめよく混ぜてください。
タレの材料は、あらかじめよく混ぜてください。

【4】フタをして、最初は強火で加熱を始めます。野菜から水分が出て沸騰したら中火に落とし、全体に火を通します。

【5】具材に火が通ったらニラを加え、再度フタをして1分ほど加熱すれば完成です。

【6】 食べ終わった後は、 残ったスープでリゾットを作ります。 ご飯、溶き卵、チーズを加えて混ぜ合わせてください。

ポイント

冷たいホットプレートに具材をのせ、タレをかけてから加熱してください。

また、煮込み過ぎないように注意し、野菜のシャキシャキとした食感を残すのがコツです。

幅広いアレンジ方法

基本的な作り方がわかったら、さまざまなアレンジを加えて、ご家庭ならではの味を楽しめます。

具材選びのポイント

一般のご家庭では、多様な種類のホルモンを新鮮なまま買い揃えるのは難しいものです。その場合は、食べ慣れている牛肉、豚肉、鶏肉の中から好みのものを選んでください。

特に扱いやすいのは牛肩ロース、豚バラ肉、鶏もも肉、せせりなどです。これらの脂の旨味がスープに溶け出すので、塩だれや豆乳を加えるなど、さまざまなバリエーションを楽しめます。

魚介類を加えると、より深みのある味わいになります。ホタテやエビ、貝類などがおすすめです。

豊富に選べる野菜類

野菜は季節のものを取り入れ、旬の味わいを楽しんでください。

特におすすめなのが白菜やキャベツなどの葉物野菜です。煮込むと甘みが増し、スープに旨味を加えてくれます。ニラやもやしを入れると、シャキシャキとした食感が楽しめ、玉ねぎやねぎを加えると甘みと香りが加わって、スープがより深い味わいになります。

実際のところ、ちりとり鍋に加える野菜の幅は広く、アスパラガス、ズッキーニなどを入れることもあります。里芋や大根といった根菜類もよく合いますし、きのこ類も相性は抜群。しめじやえのき、エリンギなどを加えると、食感の変化とともに旨味も増します。

具材のバリエーション

さっぱりとした味に仕上げたいなら、豆腐やこんにゃく、きのこを多めに使います。

シメは定番のご飯やうどんの他、インスタントラーメンを入れてもおいしく、チーズリゾットにカレー粉を加えると、子どもたちに大人気の味になります。

スープのアレンジ

通常の味噌ベースに豆乳を加えると、よりマイルドな味わいを楽しめます。

普段お使いのキムチがあれば、加えるとほどよい辛さの韓国風の味わいになり、お子さんでも食べやすい仕上がりに。

トマトやバジル、チーズを加え、イタリアン風にアレンジすることもできます。

大阪の伝統的な鍋料理

大阪のちりとり鍋は、四角い浅い鍋で作る料理です。甘辛いタレで味をつけた肉類と野菜を一緒に煮込みます。ご家庭ではホットプレートで気軽に作れ、具材やタレのアレンジも豊富です。子どもから大人まで楽しめる大阪の伝統的な鍋料理を、ぜひ作ってみてください。

こちらの記事もおすすめ

自宅で「もつ鍋」。スープタイプ別レシピと具材例をずらーり紹介! お子さん用には〇〇〇を加えて
ホルモンを煮込んだおだしが、味に深みをもたらすもつ鍋は、寒い季節にぜひとも食べたい鍋です。コラーゲンがたっぷりと溶けだしたスープで作る、シメ...
山口県の【瓦そば】を再現! ホットプレートでパーティ料理に。お取り寄せ麺やカロリーまでチェック
屋根に使う瓦に盛り付けられた、ユニークな瓦そば。食べたことがなくても、どこかで見たことがあるような気がしませんか。一目見たら忘れられないイン...

構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

編集部おすすめ

関連記事