ホルモンを煮込んだおだしが、味に深みをもたらすもつ鍋は、寒い季節にぜひとも食べたい鍋です。コラーゲンがたっぷりと溶けだしたスープで作る、シメのラーメンが絶品。専門店に出かけずとも、お家で作るもつ鍋もいいですよ。
完成までの工程をひとつひとつ、丁寧に見ていきましょう。
もつ鍋レシピ
もつ鍋に馴染みのない方は、素材の下茹でなど、難しく感じる工程があるかもしれませんね。ですが、新鮮なもつさえ手に入れば、沸騰したお湯で茹でこぼすだけで、臭みのない濃厚なスープが味わえます。
もつの下茹で方法、具材の用意、スープ作りの工程を詳しくご紹介しますので、ご参考にしてください。
牛もつの下ごしらえ
もつ鍋で使用する牛もつは、大きなスーパーかネットなどで購入ができます。煮込み時間をとれるなら、牛すじを入れると断然おいしくなるので、おすすめですよ。
牛もつの下ごしらえから見ていきましょう。
・牛もつ
牛もつ(しま腸) 400g
牛すじ 400g
ネギの青い部分 1本分
しょうがの皮 適量
・下ごしらえ
【1】鍋にたっぷりの水、牛もつを入れて火にかけます。沸騰したら、ザルに茹でこぼします。茹で汁は捨ててください。これで、完了です。
【2】牛すじ肉を、【1】と同様に茹でこぼした後、再度かぶるくらいの水を入れて火にかけます。
90分ほど煮ると柔らかくなるので、取り出して食べやすい大きさにカットしてください。
茹で汁は捨てずに、スープとして用います。
定番の具材
具材にはキャベツとニラを使い、定番かつシンプルに仕上げます。油あげをプラスすると、おだしの味を吸っておいしくなりますよ。お子さんが食べられるよう、唐辛子は省きましたが、大人向けなら種を抜いた赤唐辛子を刻んで、加えてください。
・具材
キャベツ 6枚
ニラ 1束
油あげ 1枚
にんにく 1片
ラーメン 2袋
・具材の準備
【1】キャベツは洗って、5㎝各にカットします。
【2】ニラは5㎝の長さに切ります。
【3】油揚げは、湯通しして1.5㎝にカットします。
【4】にんにくは芽をはずして、薄切りにしてください。
人気の味噌味スープ
香り豊かな味噌味は、不動の一番人気の味です。牛ホルモンと野菜との相性もよく、食べ応えがあります。
・煮汁の材料
だし汁 300㏄
牛すじ肉の煮汁 300㏄
酒 50ml
味噌 大さじ2
しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1
塩 少々
仕上げ
牛もつの下ごしらえ、具材、スープの材料が揃ったら、あとは鍋に仕上げます。シメのラーメンまで一気にご覧ください。
・仕上げ
【1】新しい鍋に、煮汁の材料を入れます。火にかけて沸騰したら、下茹でした牛もつ、柔らかく煮込んだ牛すじ肉を加えます。再び沸騰したら、ニラ以外の具材をすべて加えます。
【3】具材に火がとおったら、ニラを加えます。フタをして30秒程加熱した後、仕上げに塩こしょうをふります。
【4】鍋あとのラーメンは、袋の表示通りにお湯で茹でてください。ザルに上げ、食べ終わった後のスープに加えます。軽く煮込んでから、器に取り分けてお召し上がりください。
もつ鍋のスープについて
味噌味はこってりと深みのある味ですが、しょうゆや塩を好む方も多いもつ鍋。もし簡単に作りたい場合なら、白だしを用いるだけでも、味が決まりますよ。
3つの例を挙げるので、お好みの味を探してくださいね。
本来はしょうゆスープが定番
もつ鍋のルーツをたどると、もともとはしょうゆベースが定番だったようです。だしに、あごだし、または鶏ガラスープを使うと風味が豊かになりますよ。
(2人分)
だし汁 300㏄
牛すじ肉の茹で汁 300㏄
酒 100ml
薄口しょうゆ 小さじ2
塩味のスープもおすすめ
あっさりとした透明のスープ。塩味も人気です。
(2人分)
だし汁 300㏄
牛すじ肉の茹で汁 300㏄
鶏ガラスープの素 大さじ1
酒 大さじ1
みりん 大さじ2
塩 3g
焼き肉のタレで味付けも⁉
お子さんに人気なのが、焼き肉のタレを用いた味付けです。野菜からでる水分をタレにして、もつに絡めるイメージで煮込みます。
(2人分)
焼き肉のタレ 100g
水 50~100g
もつ鍋の具材について
上記のレシピはキャベツ、ニラ、油揚げだけで仕上げています。また、専門店でもたくさんの葉物野菜が入ることは多くありません。でもご家庭では、たっぷりと入れるスタイルもアリ。白菜、水菜、ネギなど、お好みで加えてください。その他、里芋や、じゃがいもを入れるのが好き、という声も。
もつ鍋に合う具材は、どんなものがあるのか、考えていきます。
具材のバリエーション
次の具材を加えると、ボリュームが出て食べごたえが増しますので、ご参考にしてください。分量は2人前です。
もやし 150g
ささがきごぼう 30g
えのき 1/2株
絹豆腐 1/4丁
変わり種のバリエーション
もつ鍋の発祥は、もともとは福岡の郷土料理が全国に広まったものです。各家庭で作られてきた地域色が強い食物ですから、具材にはバリエーションが広くあります。
・もつ
もつとは、鳥獣肉の臓もつを差します。内臓の中でも食べられるものには、大腸や小腸があります。その他、胃や腸は「白もつ」、心臓「ハツ」や、舌「タン」は「赤もつ」と呼ばれます。
また、牛と豚、どちらが一般的かというと、地域やご家庭によっても異なり、関西では牛もつ、関東では豚もつが多いようです。もつ鍋の本場、博多では牛もつがほとんど。
・豚バラ肉
一緒に食べるお子さんにとっては、もつが苦手、という場合もあるかもしれませんね。そんな場合は、豚肉を加えると食べやすくなります。
その場合は、豚バラ肉(1人分約100g程度)をごま油で炒め、鍋に加えてください。
・その他
その他、おすすめの具材を挙げます。
鶏のつくね
手羽先
明太子
ウィンナー
こんにゃく
マロニー
茹で卵
餅
本場のもつ鍋をご家庭で
福岡ではもつ鍋が郷土料理として古くから食べられてきました。老舗店をはじめ、多くのお店が軒を連ね、通販を取り扱うお店も多数あります。全国で手軽に手に入りますから、お好きな方はぜひご自宅でも作ってみてください。お好みの味に調節ができ、具材も選べるので、新しいおいしさが見つかるかもしれませんね。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)