漢字は「短期集中」で身につけよう!【隂山英男の家で伸ばす! 子どもの学力】

陰山先生

「百ます計算」などの「隂山メソッド」が多くの学校・家庭で成果をあげている隂山英男先生が、子どもの学力を家で伸ばす方法について教えてくださるコーナーです。今回のテーマは、集中的に身につけたい漢字学習についてです。

 

短期集中的に、ひと通りの漢字を学習させる

小学一年生の2学期も中盤になると学校で漢字を習い始めます。はじめは一、二、三…などの漢数字。やがて川、山、木…を習い、およそ半年で80字の漢字に出合うことになります。
では二年生になるまでに80字をすべて身につけ、それをもとに「青空」「山林」「五円玉」などの熟語を書きこなせるようになるには、どうすればいいでしょうか?

ふつうのやり方は、教科書で習う順に、1字ずつ3学期の終わりにかけて80字を覚えていくという方法です。しかしこれでは反復練習が足りず、秋に習った漢字を冬には忘れてしまう、ということになりがちです。そこで私が漢字を指導するときに実践する方法が、まず「短期集中的に、ひと通りの漢字を学習させてしまう」というものです。この練習法には「漢字の脳を育む」という効果と、「2~3学期の漢字の授業が反復練習の機会になることで、定着率が向上する」という2つのメリットがあります。

漢字は短時間の反復練習が効果アリ!

試しに毎朝15分間、一年生で習う漢字の書き方や読み方を、徹底的に反復練習させてみてください。1か月ぐらいは覚えては忘れのくり返しになりますが、1か月半ぐらい続けると、ある日とつぜんすらすらと漢字が書け、読めるようになるのです。これは子どもたちに「漢字の脳」ともいうべき発達現象が起きるのだと私は考えています。
ただし低学年なので、2学期ぶんの40字と3学期ぶんの40字のグループに分け、秋と冬休みの2回に分けて練習するなど、量的な配慮は必要です(私が指導する場合、中~高学年の児童には進級後すぐに200字程度の漢字の短期集中練習に取り組ませています)。

また一年生で習う漢字はその成り立ちがわかりやすいものが多いので、川の絵を描いて「ほら、川の流れのようすから、川という漢字ができたんだよ」などという語りかけを通し、漢字っておもしろいなと興味をもたせる工夫も必要です。

漢字との出合いは、ぜひ楽しいものに。そして言うまでもなく書き順はしっかり見てあげてください。書き順とは字をきれいに書くための「練習法」です。漢字がきれいに書ける喜びを一年生で味わった子は、その後の学年でもぐんぐんと漢字で好成績を上げていくことでしょう。

https://hugkum.sho.jp/kageyama-method

記事監修

陰山英男|教育者

1958年兵庫県生まれ。1980年、岡山大学法学部卒業後、教職の道へ。百ます計算をはじめ、「読み書き計算」の徹底した反復学習と生活習慣の改善に取り組み、子ども達の学力を驚異的に向上させた。その指導法である「陰山メソッド」は、教育者、保護者から注目を集め、「陰山メソッド」を教材かした『徹底反復シリーズ』は、総計770万部の大ベストセラーとなっている。現在、YouTube『陰山英男公式チャンネル』で授業や講演を公開して注目を集めている。

編集協力/小倉宏一(ブックマーク)  撮影/奥田珠貴 出典/『小学一年生』

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