「下手の横好き」とは?
読み方と意味
まずは読み方と意味を確認しておきましょう。この言葉は『下手の横好き』と書いて「へたのよこずき」と読みます。下手なくせに、その物事をむやみに好み、熱心なことを表す言葉です。
「下手の横好き」の由来・語源
もともと「横」と言う言葉には「無関係の立場」や「局外」という意味があり、例えば「横から口を出す」「話が横にそれる」という使い方をします。そこから「横好き」と言う言葉が生まれ、「本業ではないもの(横にそれたもの)を好む」という意味で使われるようになりました。
現在では本業ではないものを好きで続けているが、上手ではないという場合に使用します。
『下手の横好き』は、好きだから続けるというスタンスで、自分のことを謙遜する際によく使われます。基本的には自分に対して自虐的に使うことが多いことわざなので、他人や目上の人に向かって使う際には注意が必要です。
また、「横」の反対だからといって「縦好き」という言葉はなく、誉め言葉にもなりませんので気をつけましょう。
使い方を例文でチェック!

では、『下手の横好き』の使い方を例文でチェックしていきましょう。
1:野球は中学生の頃から続けていますが、長いだけで下手の横好きなんです。
好きだからただ続けているだけ、と言いたいときは『下手の横好き』を使うことが多いようです。
2:下手の横好きではありますが、ギターが好きで毎週レッスンに通っているんです。
毎週レッスンに通っていても、『下手の横好き』を使って謙遜することもあります。
3:彼は毎回ゴルフコンペに参加しているけど、下手の横好きなのによくめげないなと感心するよ。
本人の前で『下手の横好き』を使うのは失礼に当たりますが、ウワサ話で使われることはありそうです。
類語や言い換え表現は?

では、『下手の横好き』を別の言葉で言い換えたい場合、どのような表現を使うことができるのでしょう。『下手の横好き』に似た表現を探してみました。
1:下手の物好き(へたのものずき)
下手なのにその物事が好きなことである「下手の物好き」。『下手の横好き』と同じ状態と言えそうです。
2:道楽(どうらく)
職業や仕事としてではなく、楽しみとしてやっていることを表す「道楽」。『下手の横好き』と同じく、好きで続けている様子を表します。
3:~をかじった程度(ていど)
物事のほんの一部分だけを学んだ、という意味の「かじった程度」。『下手の横好き』同様、自分の知識や力量が少ないことを謙遜する場合によく使う表現です。
対義語は?
ことわざなので対義語はありませんが、『下手の横好き』の反対の意味にあたる語にはどんなものがあるでしょうか。いくつかご紹介します。
1:好きこそ物の上手なれ
好きなことは上達が早いものだ、という意味の「好きこそ物の上手なれ」。『下手の横好き』を否定する場合に使うことも多い言い回しです。
2:多芸多才(たげいたさい)
本業以外にもいろいろな才能をもっていることを表す「多芸多才」。『下手の横好き』とは逆に、どの方面にも才能が感じられる人を表しています。
3:マルチタレント
複数の分野で優れた能力を発揮する人を表す「マルチタレント」。『下手の横好き』とは逆に、どんどん才能が開花する人を表します。
4:趣味が高じる(しゅみがこうじる)
趣味程度だったものが進んで、より強く、または別の段階へと発展することを表す「趣味が高じる」。最初は『下手の横好き』でも、好きで続けていたものが上達していけばこんな言い方にかわっていきます。
英語表現は?
では、『下手の横好き』は英語ではどのように言い表すことができるのでしょうか。最後に『下手の横好き』の英語表現をご紹介します。

1:be not good at it but enjoy it a lot.
“うまくはないけど楽しんでやっている“と言う表現で、『下手の横好き』と同じ意味になります。
2:be crazy about XXX though no good at it.
“be crazy”は「ハマってる」という状態を表します。こちらも『下手の横好き』に似た意味の英語表現です。
3:loving something but being very bad at it.
“それがとても好きだが下手です”という意味で、こちらも『下手の横好き』を表しています。
「下手の横好き」の意味と由来を知って、正しく使ってみましょう。
『下手の横好き』、意味を正しく理解して使ってみてください。
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構成・文/kidamaiko