今日は立秋です。猛暑が続きますが、暦の上では秋の始まり【広田千悦子の子供と楽しむ二十四節気】

二十四節気とは、太陽の公転周期を分割して一年を二十四の季節に分けたもの。春分、夏至、秋分、冬至など、季節を表す言葉として、暮らしの中のさまざまな場面に登場します。そんな二十四節気は、忙しい毎日の中で忘れてしまいそうになる豊かな季節の恩恵を思い出させてくれるとてもいい機会。ぜひ、子供と一緒に季節の巡りを感じるひとときをもってみてください。ささやかだけれどゆるぎない幸せの経験は、子供たちの“いのちの根本”を長きに渡り支えてくれることでしょう。

今日8月8日は二十四節気「立秋」です

立秋(りっしゅう)

この日から立冬の前日までが暦の上での秋。実際にはまだまだ暑い日が続き、特に今年は猛暑ですので、秋が始まるといわれてもピンときませんが、暑さのピークが過ぎたかなと気づく頃。なんとなく風や空気、空に秋の気配を感じ、昨日とは違う季節に入ったことを知ります。7月から鳴いているヒグラシの声も秋の気配を際立たせますし、ツクツクホーシ、ツクツクホーシと鳴くツクツクボウシの声が聞こえてきたら、そろそろ夏も終わりですよというサインです。子供と一緒に夕涼みの散歩をしながら、小さい秋の気配を見つけてみてください。

目にも涼しげな「花氷」を作って暑気払いを楽しみませんか

「暑気払い」という言葉があります。

意味は「薬を飲んで暑気を払うこと」、または「暑さ負けしそうな心と体を元気づけるために何かを催すこと」。

薬とは、冷やしたやビワの葉を煎じたものなどを飲んで体の内側から冷やしていく工夫のことをさします。

風鈴など目や耳などの五感を使って涼をとるのも日本人は好き。

今回はその一つ、花氷を紹介します。

製氷機で氷を作る際、菊やエディブルフラワー(食べられる花)の花びらを入れるだけですが、コツが一つ。冷蔵室である程度水を冷やしてから花を入れ、その後、冷凍室で凍らせると、濁りのない透き通った氷になって涼しげです。

 

広田千悦子さんの『口福だより』には、季節を楽しむヒントが満載! 

https://www.shogakukan.co.jp/books/09388359

 

広田千悦子(ひろたちえこ)

日本の文化・歳時記研究家。文筆家。新聞や雑誌、WEBにてコラム・挿絵を執筆。企業アドバイザー。ラジオ、TVなどのメディアに出演。ライフワークは季節のしつらいと祈りのかたちづくり。築80年の日本家屋スタジオ秋谷四季、東京、鎌倉、名古屋などで、季節のしつらい教室を開催。日本の行事の源流に触れつつ、現代のくらしや世代に合わせて提案。中日新聞、東京新聞の連載「くらし歳時記」は11年目。著書は、ロングセラーの『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)など25冊

 

撮影/広田行正 イラスト/広田千悦子 構成/神﨑典子

編集部おすすめ

関連記事