こわがりな子にはどう接すればいい?【井桁容子先生の子育て相談】

乳幼児教育保育実践研究家の井桁容子先生が、子育て中のママのお悩みに答えます。今回は「こわがりな子」への接し方についてお話を伺いました。

Q :3歳の息子は、すぐ「こわい」と言います。初めての経験やオバケまで……。こわがりを克服させるには、どうすればいいですか?

A :何がこわいのかをきちんと聞いてみて!

めばえっ子世代は、まだボキャブラリーが限られています。「こわい」という言葉に「恐怖」以外の気持ちが込められていることが少なくありません。「こ
わいと言う=こわがっている」と決めつけず、まずは子どもの本当の気持ちに耳を傾けてみましょう。

こわさの理由を知って解決につなげる

子どもたちが生まれもった「気質」は、人それぞれです。細かいことを気にしない大胆な子もいれば、慎重で繊細な子もいます。また多くの場合、こどもの感覚は大人よりずっと鋭敏で、大人には気づけないものも見えたり聞こえたりしているものです。

たとえば、いつもとは違う音を不快に感じたとします。「キーンという音がいや」という思いを言葉でうまく表現できない。そのせいで泣き出してしまったとき、周りの大人に「こわいんだね」と言われると、大人に違和感を訴えるためには「こわい」と言わなければ伝わらない、と思ってしまうことがあります。すると、次からは「いつもと違う」という不快感を「こわい」と表現するようになります。その結果、周りの大人からは「こわがりな子」と見られてしまうこともあるのです。

子どもの「こわい」には、必ず理由があります。だから、まずは「何がこわいの?」「どうしてこわいの?」と聞いてみることが大切です。そして理由がわかったら、「じゃあ、ドアを閉めたらどうかな?」などと改善・解決していきましょう。親は自分の気持ちをわかってくれるし、思いを伝えれば問題を解決することもできるんだ……。子どもがこう思えるようになれば、「こわがり」は弱まっていきます。

強引なやり方は恐怖心を強めることも

大人がしてしまいがちな失敗が、ただ「大丈夫」となだめようとすること。恐怖や違和感を訴えているのに、理由も聞かずに「大丈夫だから」と言われたら?……大人だって安心することはできませんよね(笑)?

また、「無理矢理やらせてしまう」というのもあまりよい方法とは言えません。たとえばプールに入るのをしりごみしているとき、親がだっこして水に飛び込んでしまえば、水遊びを楽しめるようになる子もいます。でも反対に、水への恐怖心が強まり、「二度とプールに入りたくない!」と思ってしまう子もいるのです。強引なやり方がその子に合うかどうかは、慎重に見極める必要があります。

どんな理由でも子どもの気持ちを受け入れる

想像力が豊かな子の場合、「オバケがこわい」など、夢と現実が重なったようなこわさを訴えることもあります。そんなときも、「オバケなんているはずないでしょ!」などと決めつけるのは避けましょう。自分の気持ちを親に受け入れてもらえなかったと感じると、子どもは率直な思いを口に出せなくなってしまうからです。
こんなとき、オバケが実在するかどうかにこだわる必要はありません(笑)。「オバケが出たらこわいね。でもパパもママもいるから、うちは大丈夫」のように、子どもの思いを受け入れたうえで安心させることが大切です。

 

井桁容子先生

乳幼児教育保育実践研究家、非営利団体コドモノミカタ代表理事。東京家政大学短期大学部保育科を卒業。東京家政大学ナースリールーム主任、東京家政大学・同短期大学部非常勤講師を42年務める。著書に「保育でつむぐ 子どもと親のいい関係」(小学館)など。

 

2019年11月号『めばえ』 構成/野口久美子 イラスト/小泉直子 

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