【ファミマこども食堂】スタート体験してみた!いつものファミマで、おいしく食べてお仕事体験!地域を元気に

2019年4月にスタートした「ファミマこども食堂」。

「ファミリーマート」のイートインがある店舗を利用して子どもたちに「楽しく食べる」経験を提供し、同じ地域に暮らす人々の交流をはかることを目指すイベントです。

参加者が一緒にテーブルを囲んで食事を楽しむほか、コンビニエンスストアの仕事を体験することもできるそう。20198月末の時点で、のべ200店舗で開催されており、のべ2500人以上が参加しています。

どのような内容なのでしょうか。

小学生までの子どもなら誰でも参加できます!

開催する店舗では、事前にポスターやチラシで告知を行っています。参加希望者は、開催店舗に足を運んで申し込みをします。

「ファミマこども食堂」の特徴のひとつが、小学生までの子どもならだれでも参加できる「オープン型」のイベントであることです。従来の「子ども食堂」は、貧困や家庭の事情による子どもの「孤食(ひとりで食事をすること)」への支援に対応していくことを主な目的として始まり、様々な形で全国に広がってきました。これに対して「ファミマこども食堂」は、子どもを中心とする地域住民がコミュニケーションを深め、結びつきを強めていくことが狙い。新しいスタイルの「子ども食堂」として注目されつつあります。

参加費用は、小学生100円、未就学児は無料、大人(保護者)は400円。未就学児は保護者の同伴が必要ですが、小学生なら子どもだけでもOKです(事前に保護者の了承が必要)。1時間30分ほどの間に、コンビニエンスストアのお仕事体験と食事が組み込まれています(※詳細は店舗によって異なります。)。

コンビニエンスストアの店員さんになった気分の「お仕事体験」!

「ファミマこども食堂」は、参加者が制服に着替えることからスタートします。用意されているのは原則として子ども用のものですが、店舗によっては、保護者にも貸し出してくれることもあるとか!

小さな店員さんになった子どもたちは、「バックヤード」と呼ばれる、大きな冷蔵庫の後ろにあるスペースに入って飲みものを補充したり、レジで商品のバーコードを読み取る体験をしたり(※)。みんなで作業するうちに、子どもたちは自然にうちとけていきます。

めったにできない体験に、「レジを打てたのが大人のお仕事みたいでうれしい」「寒いところ(バックヤードに入れたの)が楽しかった」と、子どもたちも大喜び! 最初はおかあさんの後ろに隠れていた子も、積極的に「お仕事」に参加するようになるそうです。

※お仕事体験の内容は店舗によって異なります。

 

カップラーメンのコーナーで、制服を着て「品出し」の体験中。正しい位置に、きちんと並べなきゃ!

 

バーコードリーダーでピピッ。「大きくなったら、コンビニでバイトしたい!」と言った子もいるそう(笑)。

お仕事体験後、店内のイートインスペースでみんなで食事

一緒にごはんを食べれば、初めて会った友だちとも仲よくなれる!

お仕事体験を終えたら、店内のイートインスペースへ移動。簡単な自己紹介などをしてから、参加者全員で食事を楽しみます。

当日の食事は、申し込みの際に数パターンから選ぶことができます。なじみのあるコンビニのメニューですが、店内のイートインスペースで、初めて会う友だちと一緒に食べるのは、子どもにとって新鮮な体験です。

メニューの例をご紹介しましょう。

①ごはんセット(おむすび)

おむすび2個、フレッシュ野菜サラダ、ファミチキ、麦茶

②パンセット(サンドイッチ)

ミックスサンド、プリン、ファミチキ、麦茶

③ちょい食べセット(コッペパン)

コッペパン(ジャム&マーガリン)、北海道産じゃがいもの牛肉コロッケ、麦茶

※実際のメニューは店舗によって異なります。

絵本の読み聞かせ、コンビニ商品についてのクイズ…工夫をこらした「おもてなし」がある店舗も

食事の前後には、各店舗のスタッフが、子どもたちへの「おもてなし」を用意していることも。参加者の年齢に合わせて、コンビニエンスストアに関するクイズや商品のPOPづくり、絵本の読み聞かせや七夕の短冊づくりなど季節の行事にまつわる体験など、内容はさまざまです。

こうした遊びの時間を通して、参加者同士はもちろん、各店舗のスタッフと参加者の距離も縮まっていきます。「顔見知り」「気軽に話しかけられる」という間柄の人が増えることは、暮らしやすさにつながるはず。さらに、地域の大人たちと子どもの間に生まれる信頼感は、いざというときに子どもを守るセーフティネットとしても機能します。

地域交流の場としてのコンビニをめざして

「ファミマこども食堂」は、子どもたちが、学校やクラブ活動とは違う友だちに出会える場。短い時間だけれど、一緒に「仕事」をしたり食事をしたりすることで、自然に仲よくなることができます。参加した子どもたちからは、「友だちがたくさんできた」「初めて会ったお兄ちゃんがやさしくしてくれた」などの声が上がっているとか。

保護者へのアンケート調査では、約9割の参加者が「満足度」に満点をつけています。「違う学校、年齢のお友だちと仲よくお話や食事ができ、子どもがとても楽しんでいた」「子ども同士で集まれる場所が少ない中、子どもたちの触れ合いの場になっていた」といった感想も寄せられています。

参加者アンケートから

 

「ファミマこども食堂」は、これから本格的に実施件数が増えていく予定。参加者の年齢層を広げる、食育の要素をとり入れる、地域のNPOなどと連携する、といったアイデアも検討されているそうです。

毎日の暮らしに欠かせないものとなっているコンビニエンスストア。多くの人が立ち寄る場であることを生かし、「地域の交流の場」へと役割を広げているようです。

取材・構成/野口久美子

編集部おすすめ

関連記事