赤ちゃんとママのコミュニケーションをはかる上でぜひ取り入れたいのが、オイルを使ったベビーマッサージです。赤ちゃんの肌をママの手でやさしくマッサージすることで、赤ちゃんも安心感や気持ちよさを感じることができます。
そこで当記事では、助産師の岩佐寛子先生に、オイルを使ったベビーマッサージのメリットと気をつけたいこと、ベビーマッサージオイルの選び方と使い方について教えて頂きました。また、編集部が選んだおすすめのベビーマッサージオイルもご紹介します。
もちろん、オイルがなくてはベビーマッサージができない、というわけではありません。ママの素手で触れてあげる事でも赤ちゃんは安心感を得ることができますよ。
目次
オイルを使ったベビーマッサージのメリット
赤ちゃんの肌に直接触れるベビーマッサージは、ママと赤ちゃんのスキンシップのひとつ。赤ちゃんができたら、ベビーマッサージをぜひやってみたいと考えている方もきっと多いことでしょう。ベビーマッサージを行うなら、ぜひオイルを使ったマッサージを取り入れることをおすすめします。オイルを使ったベビーマッサージには、次のようなメリットがあると考えられます。
赤ちゃんもママも安心感を得られる
やさしく赤ちゃんの肌に触れることで、赤ちゃんはママの愛情を全身でたっぷり感じることができます。大切な人に愛されていることを肌で感じ、安心感を得ることができ、赤ちゃんとママの間の信頼感も深まっていきます。また、ママにとっても愛する赤ちゃんと触れ合うことで、心にやすらぎや癒しを感じることができます。赤ちゃんにもママにとっても、ベビーマッサージはお互いにとってストレス軽減などのメリットがあると考えられます。
赤ちゃんの発達を促す
ベビーマッサージは赤ちゃんの体にママの手でやさしく触れるため、赤ちゃんの触覚に刺激を与えることになります。その刺激によって、赤ちゃんの発達が促されることが期待できます。
健やかになる
マッサージで赤ちゃんの肌に触れると、皮膚が刺激を受けて皮脂などの分泌が促されます。また、マッサージでリンパの働きもスムーズになり、老廃物を排出する力がアップすることにつながるでしょう。
オイルを使ったベビーマッサージで気を付けたいこと
では、自宅でママが赤ちゃんにベビーマッサージをするとき、どんなことに気をつけるべきでしょうか。ベビーマッサージでは次のような注意点に気をつけるようにしましょう。
赤ちゃんの体調&機嫌が悪いときはやらない
ベビーマッサージはママのためにやるものではなく、主役は赤ちゃんです。赤ちゃんの体調が優れないときや機嫌が悪いときに無理にマッサージを始めるのはNG。赤ちゃんのご機嫌や体調をみて、無理なく行うようにしましょう。また授乳直後は避けましょう。マッサージ中はママから赤ちゃんに声をかけながら行うと、さらに赤ちゃんも安心するでしょう。
赤ちゃんの肌にやさしいオイルを選ぶ
赤ちゃんの肌はとってもデリケート。だからオイルやクリームをつけてマッサージすることが望ましいでしょう。オイルはベビーマッサージ用のものや、刺激の少ないオイルにして、ママの手のひらで少し温めてから赤ちゃんの肌に使うようにしましょう。また赤ちゃんの口や目などにオイルが触れないよう、顔のまわりには注意します。万が一、マッサージを行って湿疹などができた場合は、そのオイルの使用をやめて必要に応じて医療機関に相談しましょう。オイルを使う前には必ずパッチテストをしましょう。
室内の温度に気をつける
ベビーマッサージを行う間、赤ちゃんは裸になります。赤ちゃんが裸でいても快適なように、室内の気温や湿度に気を配りましょう。冷房や暖房の風が赤ちゃんに直接あたっていないか注意しましょう。
ベビーマッサージオイルの選び方
ではベビーマッサージにオイルを使うとき、どんな風にオイルを選んでいったらいいでしょうか。オイルの種類や成分など、順番に見てみましょう。
オイルの種類
ベビーマッサージに使えるオイルは、植物の種などから抽出した植物オイルと、ミネラルがたくさん含まれる鉱物油の2つに分類できます。植物油にはホホバオイル、アルガンオイル、オリーブオイルなど様々な種類があり、100%植物性のオイルが赤ちゃんのマッサージには適しているといわれます。ただ植物油は比較的高価なものが多く、アーモンドオイルやセサミオイルなどアレルギーを起こす可能性のあるオイルもあるため、注意が必要です。
一方、鉱物油は皮膚科でもらうワセリンやスクワランのほか、化粧品の原料にも使われるもの。ジョンソンのベビーオイルも鉱物油に含まれ、保湿効果も高く、昔から赤ちゃんのボディケアに使われてきています。ただ鉱物油の場合、植物油に比べて添加物が含まれることが多いため、成分を確認する必要があります。
オイルの成分
オイルを選ぶときは、赤ちゃんの肌に合うものかを見極めることが大切ですが、そのときにオイルの成分にも注目してみましょう。特に添加物などの成分は赤ちゃんの肌には避けたいもの。マッサージ向けのオイルは純度が高く、添加物も少ないものを選びましょう。
オーガニックや無添加
植物油は、その植物がオーガニックで栽培されたものだと、赤ちゃんにもより安心して使えます。オーガニックや無添加製品は高価になりますが、デリケートな赤ちゃんの肌にも使えるものと言えるでしょう。
医薬品・医薬部外品
薬事法にもとづいて「医薬品」に分類された商品は、厚生労働省より効果が認められた有効成分が配合されたもので、病気の治療を目的とした製品です。「医薬部外品」は厚生労働省が認可した有効成分が一定濃度で配合され、治療というより「予防や衛生」を目的に作られた製品が該当します。
市販のベビーマッサージ用オイルには医薬品のものも医薬部外品のものもありますが、医薬品ならその商品の効能がより高いと期待できます。
ベビーマッサージオイルの使い方
では、ベビーマッサージを行うときに、オイルをどうやって使っていったらいいでしょうか。
パッチテストを行う
オイルがその赤ちゃんの肌に合うのか、赤ちゃんの肌が荒れたり湿疹ができたりしないか確認するためにも、まずはパッチテストの実施をおすすめします。小さなガーゼなどにマッサージオイルを染みこませて、赤ちゃんの二の腕か太ももに30分~2時間くらい貼り様子を見ます。24時間~2日後に、オイルを貼った部分を確認して異常がないなら大丈夫。もし異常が見られたら、そのオイルの使用は中止するようにします。
ママの手のひらで人肌に温めてから
オイルをボトルから直接赤ちゃんの体にのせると、オイルが冷たくて赤ちゃんがびっくりしてしまいます。まずはママの手にオイルをとり、人肌くらいに温めてから赤ちゃんのボディに触れるようにしましょう。もちろん指輪などのアクセサリーははずして、赤ちゃんの体にやさしく触れていきます。
赤ちゃんの足からマッサージを始めよう
赤ちゃんはオムツ交換などで、足に触れられることに慣れています。そこで、マッサージをするときは、赤ちゃんの足から行っていくようにしましょう。足首をほぐしたり、太ももから足首のほうになでたりしていき、慣れてきたらお尻やお腹の方もマッサージしていきましょう。マッサージは、優しく、丁寧に行うのが基本です。
記事監修
岩佐 寛子
広島出身。総合病院で助産師勤務をした後、看護学校で教職に就く。その後、夫の転勤で神戸、そして東京に上京。神戸と東京の助産院で数年間勤務した後、現在は世田谷区立産後ケアセンターに勤務。
長年助産師として、新しい命をはぐくむ女性が妊娠・出産・子育てに向き合っていけるよう気持ちに寄り添いながら活動している。また、東京都助産師会いのちの教育委員として性教育を広める活動をしており、保育園児から小中高校生、保護者向け、教職員対象の性教育を行っている。1男1女の母。
編集部が選んだ!ベビーマッサージオイルのおすすめ
ここでベビーマッサージにピッタリのおすすめオイルをご紹介します。
「ベビーオイル 無香料」(ジョンソン)
赤ちゃんのためのオイルといえば、ジョンソンのベビーオイルが有名。ミネラルオイルを使用し、さらっとなじんでべたつきません。無香料です。
「ピジョン 薬用クリアオイル ももの葉」(西松屋KID’s)
0ヶ月の赤ちゃんにも仕える、ももの葉エキス配合の薬用クリアオイル。植物由来100%、無添加です。
「ホホバオイル」(無印良品)
保湿やマッサージに使える、ホホバの種子から搾ったピュアオイルです。肌なじみが良くさらっとした使用感です。
「Baby..のボディーオイル」(生活の木)
エッセンシャルオイルなどの専門店として知られる「生活の木」のベビー用オイルです。うるおい成分であるカレンデュラエキス配合で、赤ちゃんの肌をしっとり整えます。
「オーガニック ホホバオイル」(spa hinoki)
低温圧搾法により抽出された高品質なオーガニックホホバオイルです。添加物、合成香料、保存剤が一切混ざっていない天然植物オイルで、ベビーマッサージにも使えます。
「ママン&プチ ベビーマッサージオイル」(シゲタ)
SHIGETA(シゲタ)から誕生したベビー&マタニティケアシリーズ「ママン&プチ」のマッサージ用オイル。バオバブオイル、コットンオイル、サンフラワーシードオイル、ホホバオイルを配合。
「ベビーオイル」(AMOMA)
米ぬかから作られた100%植物性オイルで、赤ちゃんの肌にも安心して使えます。ビタミンEたっぷりなので、ママのスキンケアにも利用できます。
「マッサージオイル」(アロベビーアンジュ)
チャイルド・ボディ・セラピストとして活躍する蛯原英里さんプロデュースのベビーオイルです。天然由来成分100%です。
「ベビーマッサージ用セサミオイル」(ABM)
白ゴマ油など食べられる天然原料のみを使用して作られたマッサージ用オイルです。合成化合物は一切不使用です。
「カレンドラ ベビーオイル」(WELEDA)
赤ちゃんのマッサージから保湿にも使える、WELEDAのベビーオイルです。軽い感触のオイルで、すっと肌になじみます。
マッサージで赤ちゃん&ママの絆を深めよう
赤ちゃんもママもリラックスしてお互いが気持ちよく感じられる、ベビーマッサージ。ママが赤ちゃんと向き合う大切なスキンシップの時間になるので、親子の絆がきっと深まっていくはずです。赤ちゃんもママも体調が優れないときは無理に行う必要はありませんが、お風呂上りやオムツ交換の時間などから、まずは少しずつはじめてみてはいかがですか?
文・構成/HugKum編集部