”鬼”と呼ばれる強面パンクロッカー、TOSHI-LOWさんに直撃!我が子への愛情弁当の裏側にアツい思いが

今年5月に発売し、すでに4刷目の重版となっている『鬼弁 強面パンクロッカーの弁当奮闘記』を知っていますか? 著者は強面なパンクロッカーであり、小学生と中学生の男児パパでもあるTOSHI-LOWさん。ストイックな性格とその風貌から仲間から「鬼」と呼ばれることもあるという彼が、SNSのプライベートアカウントにのみ公開していた子供のお弁当を当時の思い出と共にまとめた一冊なんですが、読み終えたママたちから「お弁当作りが楽しくなった」「気持ちが楽になった」「パパにも読んでほしい!」「忘れていた〝あたりまえ〟を思い出させてくれた」…etc. と、絶賛の嵐なんです。

TOSHI-LOWさんってどんな人?

撮影/西槇太一

プロフィール

「BRAHMAN」「OAU」TOSHI-LOWさん

1974年茨城県水戸市生まれ。1995年にハードコア・パンクバンド「BRAHMAN」を結成。一切の妥協を許さない熱いライブパフォーマンスで注目を集める。2005年にはアコースティックギターバンド「OAU」(OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)としての活動も開始。テレビ東京系ドラマ24「きのう何食べた?」オープニングテーマ曲「帰り道」が幅広い世代から愛され話題に。東日本大震災以降は復興支援を目的とした活動に乗り出し、音楽性以外でもバンドシーンに大きな影響を与え続けている。妻は女優のりょうさん。

「OAU」のメンバーと。左から3番目TOSHI-LOWさん。

ちなみに筆者の第一印象は、「鬼」と言うより、筋肉美なイケメンお父さんという感じでした♡

ママ達から大絶賛の嵐!著書『鬼弁 』とは?

TOSHI-LOWさんが長男(途中から次男も)へ作った6年間分のお弁当をまとめた著書。硬派でストイックというパブリックイメージのある彼が、息子さんのためにこんなおいしそうな手作りお弁当を作っているの!?とそのギャップにまずは驚き!読み進めていくと笑って泣けて、最後はお腹がすいてくる、熱い愛に溢れたお弁当本なんです。読めばきっと、我が子をギューっと抱きしめたくなりますよ。

鬼弁 強面パンクロッカーの弁当奮闘記
TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU)/ぴあ 

“鬼”と呼ばれるバンドマンが息子に作った自由すぎる弁当たち。ツッコミどころ満載。ちょっと感動。6年間の“鬼弁”エピソードを収録。

『鬼弁』の中身をチラッと拝見!

長男一年生、TOSHI-LOWさんもお弁当作り一年生

「実験の繰り返しだった」という一年目のお弁当。〝ぶっかけて〟食べる仕掛け&きれいに並べられた野菜は、まるで人気デリのランチBOX!!

彩りの大切さに気付く! お弁当作り2年目

フタを開けたときの「あ、美味しそう」「楽しい!」そんな気持ちがお弁当には大切だと考えるようになったそう。これは目で、舌で、2度楽しめるお弁当ですね!

お弁当に「楽しい」と「美味しいが」詰まってたら誰が作っても子供は幸せ

行きつけのお店で遅くまで飲んだ日は、厨房からお弁当のおかずをもらうことも。お店の焼きそばを食べて、長男くんは焼きそば好きに♡ 子供が喜んで食べてくれたらお弁当ってそれだけで百点満点なんですね。ちなみにお酒が残っている朝に作るTOSHI-LOWさんのお弁当は「ちょっとしょっぱい」そうです(笑)

流行りそう!? お弁当作り3年目には、なんと恵方巻が登場!

海苔巻きは、かなりの頻度でお弁当に登場していたそう。これはその海苔巻き弁当の集大成!? 季節行事も教えられる、まるで売り物のような恵方巻弁当

Oh!! おはぎも登場! そして、東日本大震災のこと

真っ黒弁当は「鬼」から息子たちへのサプライズ!? けれど、オールブラックの中に甘い・しょっぱい…etc. 様々な味が詰め込まれていてバランス◎。そして東日本大震災以降、復興支援を続けるTOSHI-LOWさんが胸の内を語るページもあります。

そして長男が書いてくれた、おみくじは…〝大吉〟弁当

ママが忙しくてお弁当を作れない朝、パパが頑張ってくれていたことをちゃんと長男くんは見ていたんだ、と読み手もグッとくる大吉弁当。小鬼(長男くん)に会ってみたくなります。

この他にも、かわいいかわいいタコさんウインナーや、そうめん弁当、肉どーん弁当、秋の行事弁当、1週間ぶっ続けのタコライス…等、楽しいお弁当を掲載。続きは「鬼弁 強面パンクロッカーの弁当奮闘記」で。

 

TOSHI-LOWさんにお弁当&子育てインタビュー!

 

撮影/西槇太一

「バンドマンでもある自分がこういう本を出すことは考えていなかった」「イクメンパパ的なキャラになりたいわけでもない」「でも隠すことでもない」等、書の中では語っています。では、せっかくなので根掘り葉掘り聞かせていただきましょう!刺さるパワーワードの連続で、心に触れる歌詞を書くTOSHI-LOWお父さんのお弁当を作るきっかけや子育てをするうえで大切にしていること…。

◆お弁当を作るきっかけは?

「長男が1歳になる前に嫁(奥様は女優・ファッションモデルのりょうさん)が仕事に復帰したので。忙しい時は代わりに作ってました」

◆一歳前に復帰と言うことは、お弁当に限らず?

「育児も離乳食も、できることは何でも!」

◆「鬼」と呼ばれてますが、協力的で素敵なお父さん!! お子さんがうらやましい。

「いや、全然良くないっすよ。うちの息子なんか何とも思ってないと思います。でも、なんか、それを押し付けちゃいけないなって思ってます。どうしてもね、こんなにやってあげたんだからって。自分の親にそんなこと言われたら家出てくわって思うんで。俺は子供のころ家出するタイプだったから(笑)」

◆本には飲食店でのアルバイト話しも書かれていますが、もともと料理は好きな方?

「いや。必要に迫られて…。作ってもらうの好きです(笑)。 外食も好きです!」

◆そんな中でのお弁当作り、壁にぶつかったことは?

「始めは世のお母さん達のように、バランスや食材を考えてました。でも結果、そういうお弁当を作っても子供が残して帰ってきて。味が悪かったとは思わなかったんですけど、きっと楽しさがなかったんですよね。子供がふたを開けたときの楽しさ。だから考える必要のないことは捨てちゃってもいいんじゃないかと思って。朝飯も晩飯も食う中でのひとつの食事がお弁当なわけで。そこで完結しないでもいいんじゃないかと思ってからは楽になりましたね」

◆子供がワクワクするお弁当、それが鬼弁なんですね。

「お父さんってお母さんじゃないんで、なんか変でいいんですよ(笑)。社会で会う、初めてのヘンな人でいいと思う面白かったりワクワクさせるのがパパの役割。赤ちゃん抱っこするときに、包み込むように大事に抱っこするのがお母さんなら、高い高いをやるのがお父さんだと思う。最低限の衛生、健康を守ることがわかってればパパなりの子育てでいい。だからお父さん弁当も子供がワッって思うようなことがあってもいいと思って」

◆余った食材で自分のお弁当も作ったりするんですか?

「いや、まぁまぁね。ぐちゃぐちゃですけど。お弁当作りで余ったものをここ(インタビュー場所は音楽スタジオ)に持ってきて食べたりしますよ」

◆「鬼」自ら鬼弁を食べている日があるんですね!

「そうですね、たまにそういう日もありますよ。冷えたらどうなってるのかなって確認しないと。同じ時間帯に食べないとわからないじゃないですか。酔っぱらいすぎてて(今日のお弁当は)しょっぱいなって思うこともありますし。今日は肉だらけだなーって思ったり(笑)。気付いたことを次に生かしていきますね

◆本の中では奥様にも作られていた日がありましたね。

「なんかね、下の子の保育園は給食がなくて。一時期チビ用と小学生用を作ってたんですよ。二人分つくるとけっこう食材が余るんですよね。ほら、卵焼きも小さく作るの難しいじゃないですか。少し量つくっちゃった方がいいんで。だったらって、りょうちゃんの分を作ったときもあります

◆お弁当作りにかける時間は?

20~30分くらいです。お弁当を作るときは朝飯も一緒に作っちゃうんで、それくらいの時間内で仕上げないと。味噌汁の具を茹でてる鍋に弁当で使う具材をくぐらしたりして。本当だったらきちんとしなきゃいけない手順を省いたりしてます(笑)」

◆朝ごはんは和食なんですね?

「やっぱり弁当でごはん使うんでね。炊き立てだと美味しいじゃないですか」

◆子供が食べやすいお弁当って? TOSHI-LOWさん的コツがあれば教えてください。

「この本にはあまり載せてないんですけど、海苔巻きもけっこうつくります。おにぎりか巻物は小さい子供が食べやすいと思います。あと、お子さんの口の大きさを考えてあげるといいっすよね。大人が作るんで美味しいモノとかどうしても丸ごと入れがちなんですけど、小さいときは口も小さいんですよね。それを考えておくといいと思います。あと、その時におかずのバリエーションが少なくても気にしなくていいと思います。子供って好きなものがしばらくはずっと変わらないので一週間同じでもいいんですよ。朝飯も夕飯も食べる中のひとつだからお弁当だから、毎日食べたいって言うんだったら毎日作ってあげたほうが喜びます」

◆お弁当を作り始めてお子さんとの関係に変化は? 会話が増えたりしましたか?

お弁当自体が会話だと思ってるんですよ。うちは男の子だしいずれ巣立つ。早い子は小学生で自分の世界観のある子になっていくんで。話さない子も出てくると思うんですけど、お弁当がひとつあることによって『美味かった?』『うん』って、それだけで会話になると思う。まずは子供も弁当のフタを開けた瞬間に感じるものがあると思うし、俺たちも戻ってきて空になってるお弁当箱のフタを開けた瞬間に感じるものがあるんで。それで十分かなって。自分もあんまり親にべたべたした子供じゃなかったんでね、スゴイいっぱい会話して何でも知ってなきゃいけないって思わないんですよ。子供には子供の秘密があってもいいし親に言えないことがあってもいい。ただ、お互い感じ取っていないといけないなと。だから相手を見るきっかけに弁当はなるんじゃないんですかね。なんか残してんなー、これは美味しさの問題じゃないなっていうときもやっぱりあると思う。気分なのか体調なのか…そうしたらどうしたって声かけられるから」

◆SNSへの投稿が本になったわけですが、その6年間はどんなことを考えながらお弁当を作っていましたか?

「子供と向き合うために、自分が子供だったことをもう一度ちゃんと考え直そうって。インスタはそれを思い出す場でした。人にやってもらったこともわかったし、親に言われて嫌だったこともわかる。でも親に言われて本当は言うこと聞いておけばよかったなってこととか。友達にこんなこと言ってしまったなってこととか。いい思い出だけじゃくて、子供の弁当を作ってるといろいろ出てくるんですよね。だから子供の成長に合わせて、朝自分の子供だった時のことを少しでも思い出せたらいいと思うんですよね。実は子育てって自分の人生を振り返るような気がしていて。だってさ、なんかみんな今はちゃんとした立派な大人になってますって顔で子供にあれこれ言うじゃないですか。でも自分たちが勝手に大人になっただけで、元子供なんだから。それを子供が見透かすんですよ。『お前だって子供だっただろ』『お前だってできなかっただろ』って。だから『大人ってみんな嘘つき』って。あなたたちだってやってたでしょ、裏で隠れて食べてたでしょって」

◆自分が子供の頃の苦い記憶も甦ってきそうですね…(笑)

そういうことを『ママもそうだったよ』って伝えていけばいい。食事もそうで『全部食べなさい』じゃなくて『ママもピーマン食べられなかった。小学校まで食べられなかったの。でも、〇〇ちゃんは4歳で食べようとしてて偉い』って言えたらいい。だから正直に自分が子供の頃にダメだったことも教えたらいいと思いますね。子供って押し付けられてダメなものはだめですって言われたらすごいストレスだと思う。自分だから経験させられることって、あるんじゃないかなって」

◆本の中では東日本大震災についても触れられていますね。「いってらっしゃい」って言えることが幸せと。それは忙しい日々の中では忘れてしまいがちなことですね…。

「そう。被災地で出合った頃は小学生だった女の子の姉妹が今じゃ高校生。東日本大震災でお母さんとお兄ちゃんが流されてしまった子たちです。懐いてくれいて、この間話ししてたらふたりで小競り合いしてて。『私、あの日お母ちゃんにいってらっしゃいって言わなかった』もう一人の子が『私はあの日言ったもんね』って。絶対に起きては欲しくないことだし、いくら気を付けていても、口酸っぱく気を付けなさいと言っていても、予想もしなかったことが起こってしまうこともありますから。いずれ誰かがいなくなるってことを考えると、弁当を渡して『いってらっしゃい』って送り出せることが、一番大切なことなんじゃないかと思います。『いってらっしゃい』『おかえり』『ただいま』が言えることの幸せを。その子たちの後悔を聞いているとシンプルに思うんです」

◆最後に、TOSHI-LOWさんが子育てをする上で大切にされていることは?

すべては愛情があるかどうかだと思います。やり方は十色だと思うし。だから育児書に書いてあるからって行動に移しても、そこに愛情がないならなんの意味もないと思う。誰かの正解は誰かの不正解ですよ。正解は子供たちが生きていればいいんです。どんな形でも、立派にならなくても大人になるまで生きてるってことが正解。だったらその生きる能力をどんな状況でも身につける事を教えるのが子育てだと思ってます。それ以外はオプションだと思ってます」

◆素敵なお話をありがとうございました。ちなみに明日のお弁当は、奥様orTOSHI-LOWさん、どちらのご担当ですか?

「今週、りょうちゃんは撮影が続いてるので晩飯も弁当も俺。買い物しながら明日の弁当のおかずを一品、考えておくかな」

 

スーパーで明日のお弁当のおかずを考えながら夕飯の買い出しをするTOSHI-LOWさん。見てみたいです!!

親がどんな思いで作ったか、それはお弁当の顔に出る!

子供がフタを開けたときに「楽しいなぁ」とか「美味しそうだなぁ」とか、そういうことを考えて作ったほうが親も子供も楽しそう♪ 「疲れているときは一緒にスーパー行って、レトルト棚を見せて選ばせたら、それも子供にとっては一つの楽しみ。あとコンビニのチンするおかずって、今めちゃめちゃ美味いから使ってもいい」と、TOSHI-LOWさん。パパ弁は食育ではなく愛情保育なのかもしれませんね…♡

 

◆information◆

想いのこもった歌詞が心に触れる!待望のNewアルバム「OAU」発売中!

テレビドラマ「きのう何食べた?」オープニングテーマ曲「帰り道」、映画「新聞記者」主題歌「Where have you gone」など全13曲を収録。親子で一緒に楽しめる曲もあります♪

通常盤(CD)3,000(税抜)LP3,500(税抜) ダウンロード・ストリーミングも配信中!

https://oau-tc.com/

取材・文/星野未和

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