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産後太りとは?
妊娠のときに増加した体重と体についた脂肪が元に戻らず太ってしまう産後太り。出産したら自然に痩せる人ばかりではなく、産後ますます太ったというケースも珍しくないようです。忙しい育児に振り回され、産後何年たっても筋肉がなくなってたるんだお腹、体のあちこちに脂肪が蓄積されたままなんてことも…。まずは、産後太りについてママたちの実際の体験談をみていきましょう。
産後太りはどうだった? 【ママの体験談】
産後の体型の変化について先輩ママたちにうかがいました! 産後太りは必ず訪れるものなのでしょうか。ママたちの体験談を紹介します。
『産前に比べて体重が大幅に増えて戻らない』
体重が戻らない、特に下半身にお肉がついたという声が多数あがりました。こんなに忙しく毎日子育てをしていても自然になんて痩せないという現実があるようです。
「20キロ以上増え、減らない」(40代・愛知県・子ども2人)
「産前に比べて7キロ太った。戻らない」(30代・埼玉県・子ども1人)
『体重は減っても体型が戻らない』
体重は戻っても体型が元のように戻らないというママの声も。一番多かった産後の体型の変化はやはり「お腹のたるみ」のようです。妊娠で大きく膨らんだお腹の皮がたるみ引き締まりがなくなったという回答が多くみられました。
「母乳のせいか体重はすぐ戻ったが、筋力が落ちて締まりのない体型になってしまっている」(30代・兵庫県・子ども2人)
「体重は3ヶ月くらいで戻ったのにお腹などの体型が全然戻らなかったです」(30代・山口県・子ども2人)
「下腹部のたるみが一向にとれないことと、おっぱいがしぼんだことが本当に辛いです」(30代・兵庫県・子ども2人)
『授乳が終わり太ってしまった』
母乳育児は授乳するたびに多くのエネルギーが消費されており、授乳をやめてから徐々に太ったという声もいくつかありました。授乳による消費エネルギーがなくなり、授乳をやめても食事量がそのままであるのが一つの原因の場合も。兄弟が増えるごとに体重と体型の変化が増したという声もありました。
「2人子どもいますが、一人産むごとに4キロずつ太りたるみもひどく、実家に帰っても地元のちょっとした知り合いには気づかれません」(30代・栃木県・子ども2人)
「産後、授乳終わってから8キロくらい太った」(40代・愛知県・子ども2人)
「授乳中はいくら食べても太らず体重が減っていったが、授乳が終わると太る一方だった」(40代・東京都・子ども3人)
『産前よりも痩せた』
一方、妊娠前よりも痩せたというママの声も。少数ですが、痩せやすくなったという回答もありました。
「産前よりも2キロ痩せたまま、2人目を妊娠し、2人目の産前よりも2キロ痩せました」(30代・神奈川県・子ども2人)
「産後は太ると聞いていたのに最初の妊娠前より痩せた」(30代・福岡県・子ども2人)
産前・産後の体型変化
出産後、多くの人が体型の変化を実感します。特に腰回りやお腹など下半身は産前に比べて変化しやすい部位です。これは、妊娠中にホルモンバランスが変化し、脂肪がつきやすくなることに加え、赤ちゃんを支えるために骨盤が開くことが影響しています。さらに産後は授乳や育児による生活リズムの変化で、運動不足になりがちです。適度な運動や食生活の見直しを意識することで、無理なく体型を整えることが大切です。
産後太りやすい時期は? ダイエットはいつから?
では、一般的にいわれる「授乳すると痩せる」というのは本当なのでしょうか? そしてダイエットをはじめていい時期は産後いつからでしょう? 産後太りの対策をするきっかけにもなるので覚えておくと安心ですね。
産後に太りやすい時期・痩せやすい時期
一般的に、産後3ヶ月~6ヶ月くらいが体重が減りやすいといわれています。さらに厚生労働省は、産後6ヶ月を目安に標準体重『身長(m)×身長(m)×22』㎏に近づけるように戻していくことを推奨しています。しかし、産後ダイエットを焦ることは禁物です。体の回復状態をみながら徐々にダイエットをはじめるようにしましょう。
出産・授乳で痩せないの?
授乳中は通常よりも母乳を作るときに、エネルギーが余分に消費されやすい時期です。母乳育児中は、そのぶん痩せやすいですが、消費エネルギー以上の過剰な食事を摂ると太る場合もあるので、体重の変化と食事量のバランスをはかるようにしましょう。授乳中から生活習慣に気をつけて、授乳で失う栄養素は間食ではなく、なるべく栄養バランスがとれた食事から摂取するようにしましょう。極度な食事制限による栄養不足や体調不良などで、母乳の分泌低下を招かないようにストレスをためないことも大切です。
また、授乳中は水分摂取をこまめに行い、食物繊維を積極的にとり、便秘を解消することは痩せやすい体質につながるでしょう。

断乳・卒乳後は太りやすい?
授乳終了後もダイエット開始にいいタイミングです。ですが、断乳・卒乳しても、授乳中の食生活や間食癖を継続し、育児の忙しさから運動量も変わらない場合は、脂肪としての過剰エネルギーが貯えられやすくなります。そのため、日常生活の中でこまめに動くことが大切です。授乳中よりも摂取カロリーを減らして、筋膜リリースやストレッチ、ウォーキングやヨガなど積極的な運動により基礎代謝を上げていきましょう。
産後のダイエットはいつからはじめる?
産後の回復には個人差があり、一般的に産褥期(産後6~8週)を過ぎたころから自分の体の様子をみて産後ダイエットをはじめるのがベストといわれています。産後はホルモンバランスが乱れ基礎代謝が低下しており、育児で疲労しやすいため、産後ダイエットを焦ることは禁物です。産後の1ヶ月健診で医師に相談し、体の回復が順調であれば運動から少しずつはじめるようにすると安心です。
母乳を与えている人は、食事制限はしないでおきましょう。帝王切開の場合は、経腟分娩に比べると体への負担が大きいため、完全な体の回復には1年程度ともいわれ時間がかかります。傷やお腹の術後経過を主治医に確認してもらい、医師と相談しながら無理をせずにはじめましょう。
産後太りが起こる原因
では、なぜ産後太りがおきてしまうのでしょう。産後太りの原因をみていきましょう。
骨盤のゆるみ
産後太りの大きな原因のひとつが骨盤のゆるみです。出産で開いた骨盤は産後数ヶ月で元の状態に戻ろうとしますが、骨盤周囲や、連動している足首の筋力の低下があると、骨盤が開きやすく、元のように骨盤周囲の筋肉や靭帯で支えられないと、骨盤がゆるんでしまいます。骨盤の位置に左右差が生じると、内臓下垂による下腹部のたるみや、全身の筋骨格の左右差が生まれ、基礎代謝が低下しやすく、妊娠前の体型に戻りにくくなります。産後の体型の悩みであるお腹のたるみに加えて、多くのママの頭を悩ます下半身太りも、骨盤のゆるみが原因の場合があります。

不規則な食事と栄養バランス
授乳中は空腹を感じやすく、ついつい手軽に食べられる菓子パンや、おやつを気づかないうちにたくさん食べてしまっていることがあります。食事タイムを一緒に終わらせて一気に片付けを終わらせたいという思いから、離乳食の子どものお世話をしながらママも焦ってご飯を食べ終えてしまうことで、知らないうちに早食いが習慣になっている場合もあります。子育てに追われる忙しいママは、栄養バランスも偏りがちです。
筋力の低下
産後は、妊娠中の体の変化で腹筋をはじめ体の筋力が低下しています。筋肉量と基礎代謝量は大きく関連しており、筋肉量が低下すると基礎代謝量も低下し、体温の低下にもつながり負の連鎖が生じます。一方、筋肉量が上がるとエネルギー消費が高くなるので結果的にダイエットにもつながります。産後は無理のないように寝ながらできる簡単なストレッチからはじめ、産後の体が回復したらヨガやピラテスで徐々に筋力を戻していくのもひとつの方法です。
妊娠中は、体脂肪がたまりやすく、脂肪量が多いと産後に脂肪が消費されるには時間がかかります。また産後はホルモンバランスの乱れから、冷えも伴いやすくなります。筋力の回復や、脂肪の消費、冷えの改善のため、基礎代謝を上げていくには、運動以外に短時間でもしっかり下半身を温める入浴や、筋肉の凝りによる冷えを避けるためのマッサージもダイエットに効果的です。
産後のむくみ
妊娠中は赤ちゃんに栄養や酸素を送るために、体内を循環する血液量が約1.5倍増えます。出産時に急激に羊水や血液とともに体外に排出されるため、体内の水分不足から、体が水分を体内に溜め込むように働きます。個人差はありますが、溜め込まれた水分がむくみとなり、冷えを生じやすくなり、代謝が低下して、痩せにくい体質になります。また母乳育児の場合、体内からより水分が失われるので、水分を体内に溜め込もうとする働きから、むくみやすくなります。
産後太りは甘えなの?
産後太りは決して甘えではなく、妊娠・出産による体の変化や生活環境の違いが大きく影響しています。妊娠中にホルモンバランスが変化して脂肪が蓄積しやすくなるほか、産後は授乳や育児で生活リズムが大きく変わるため、思うように運動時間を確保できません。さらに睡眠不足やストレスも代謝に影響を与えるため、産前とは異なる体型になるのは自然なことといえます。大切なのは無理をせず、自分のペースで健康的に体を整えていくことです。
産後太りの対策と解消法
次に、産後太りの解消法をみていきましょう。産後ダイエットは、無理なく進めることがポイントです。
まずは日ごろの姿勢を整える
育児をするときも家事をするときも普段から姿勢を正すように意識することが大切です。産後は赤ちゃんを抱っこすることが増え、左右が対称的でない姿勢になりがちです。左右に偏った筋肉がついてしまうこともあり、左右バランスの取れた姿勢を維持することがポイントです。授乳中は前のめりになりがちな姿勢を正し、授乳クッションなどをうまく使うのもひとつの方法です。子どもと遊ぶときなど床に座る機会も増えますが、正座をくずした座り方やお姉さん座りは避け、仙骨をしっかりたてて座ることを心がけるといいでしょう。
骨盤を整える
出産で生じた骨盤のゆがみは産後太りの大敵です。骨盤のゆがみは、基礎代謝を低くし太りやすくなるだけでなく、頭痛・腰痛や肩こり、むくみなどの原因にもなります。ダイエットをはじめるのは産褥期を過ぎて体が回復してからがいいので、まずは骨盤のゆがみを治すことからはじめるのもいいでしょう。ゆがみを矯正することで、骨盤周囲やお尻、下半身の筋肉の緊張感がほぐれ、適切な血液循環が戻るので、冷えの改善、基礎代謝アップにつながります。専門家による施術が効果的ですが、子育てをしながら施術院に通うことがなかなかできない場合もあります。産後にも使える骨盤ベルトは、育児をしながら手軽にはじめられるのでおすすめです。位置が分かりにくいときは、必ず助産師さんに聞きましょう。エクササイズは焦らず、骨盤矯正を行ってから開始することがおすすめです。
栄養バランスのとれた食事
子育てには体力と健康な体が必要であり、脂質オフや糖質オフなどの過度の食事制限によるダイエットはおすすめできません。授乳中のママは必須脂肪酸を維持することが必要で、それに加えタンパク質、カルシウム、鉄などの栄養が必要です。EPAやDHAなど魚由来のn-3系脂肪酸を摂るように心がけ、和食を中心にバランスよく栄養を摂りましょう。
産後ダイエットは無理せず体力をつけるためが基本
産後は慣れない子育てで体力もすり減りストレスもたまりがちです。産後太りを気にし過ぎて焦ることは禁物です。子育てに必要な体力をつけるためにも、栄養バランスのとれた食事をきちんと摂る必要があります。無理なダイエットをすることは避け、まずは体力をつけるための健康的な産後ダイエットを目指しましょう。また疲労やストレスで、産後に荒れやすい肌質や抜け毛も、基礎代謝が上がると改善につながります。自分の時間が少ないママの、健康面だけでなく、美容面にも産後ダイエットの効果があると知って取り組むのも一つですね。
記事監修

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために修士課程に進学・修了。親御さん方へのアドバイスを充実させたいと思い、保育士・公認心理師の資格を取得して役立てている。現在は、世界に住む妊婦さんや産後の方向けに、オンラインサービス中心のエミリオット助産院を運営。
文・構成/HugKum編集部