衣替えは、オフシーズンの服を収納すると同時に、いらない服を断捨離するチャンスでもあります。必要な服だけを見極めたら、来シーズンもきれいに着られるようにお手入れをしてから収納しましょう。衣替えのタイミングと収納するときのコツを解説します。
衣替えを行うタイミング
季節の変わり目に発生する家事の一つが「衣替え」です。気温や天候が安定しない時期なので、衣替えをするベストなタイミングが分かりにくく感じる人は多いことでしょう。
一般的にどのタイミングで衣替えを行えばよいのでしょうか。大まかな時期と判断するポイントについて説明します。
秋冬物へ替える時期
衣替えのタイミングは、その年の季節の気温・天候によっても異なりますが、秋物への衣替えは9月1日、冬物への衣替えは10月1日のケースが一般的です。
地域によっては衣替えのタイミングが異なる場合があります。気温の低下が早い北海道では、冬物への衣替えは9月15日、逆に温暖な沖縄では11月1日です。
とはいえ、服をすべて入れ替えてしまうと急に暑さが戻った日に後悔することもあるため、毎日の気温の移り変わりを見ながら行うとよいでしょう。
春夏物へ替える時期
春物は4月1日、夏物は6月1日に衣替えが行われます。こちらもあくまで一般的な時期であり、北海道では半月~1カ月遅く夏物に切り替えたり、沖縄では早めに気温が上がるため、1カ月衣替えの時期が早まったりします。
春夏物の衣替えも、寒さが戻ってきた日に体温を調節できるように工夫しましょう。薄手のジャケットやカーディガンはいつでも着られるように最後まで出しておくと、季節の変わり目でも寒い思いをすることなく快適に過ごせます。
おすすめは、2~3週間を目安に、少しずつ衣替えを進めていくことです。1日で一気に衣替えしてしまうよりも柔軟に対応できるため、一度しまったものをまた出すようなことにはなりにくいでしょう。
最高気温も大事なポイント
一般的な衣替えの時期を参考にすることも一つの方法ですが、年によって冷夏や暖冬になることもあります。「何月何日に衣替えをする」と決めつけず、最高気温でタイミングを決めることも大切です。
それぞれの季節で目安になる最高気温は、春は最高気温15~20℃、夏は最高気温22℃以上、秋は最高気温15~20℃、冬は最高気温15℃以下です。本格的な季節の切り替わりの到来であり、衣替えに適した時期です。
ただし、春秋は日中と明け方・夜で寒暖差を感じることも多いため、軽く羽織るものを手元に残しておくことをおすすめします。
衣替えは断捨離のチャンス
衣替えは、自分の持っている服を見直すチャンスです。毎年季節が変わるたびに服を買い足し続けていては、クローゼットがいっぱいになってしまいます。衣替えを上手に役立てて、「本当に必要な服だけを厳選」しましょう。
着ない服は思い切って処分しよう
着古して明らかによれよれになった服や流行遅れの服、ほとんど着ていない服などは、衣替えを機に処分を検討してはいかがでしょうか?
購入時には気に入っていた服でも、いつの間にか着なくなってしまったというケースは多々あります。「いつか着る日が来るかもしれない」と思いながら3年以上放置している服は、その後も着る可能性は低いでしょう。
いらなくなった服を処分することで、クローゼットやタンスには新しいスペースが生まれます。また、新しい服を選んで収納するためにも、断捨離してすっきりさせましょう。
リサイクルショップに持って行くのもアリ
流行遅れやサイズ違いで着なくなったけれど、まだまだきれいな状態のものや高価なものは、捨てるにはもったいないものです。どうせ手放すのであれば、リサイクルショップで売却するという方法はいかがでしょうか?
少しでもお金が入れば、次に新しい服を購入するための資金になります。さらに、自分にとって愛着のある服を次に購入する人に着てもらえるということで、気分よく手放せるでしょう。
ほかにも、フリーマーケットやフリマアプリへの出品などもおすすめです。
服をしまう前にしておくこと
衣替えをしたら、収納した服は来年の同じシーズンまでほぼ出すことはありません。何もしないままで服をしまうと、汚れが沈着してしまったり、虫に食われたりしてしまいます。
来年以降もまたお気に入りの服を楽しむためにも、きちんとお手入れをしておきましょう。服をしまう前にしておきたいお手入れのポイントを紹介します。
「しまい洗い」で汚れを落とす
衣替えをするときに覚えておきたい作業が、服を収納前に洗濯する「しまい洗い」です。
クローゼットから出したきりで袖を通していない服でも、見えない汚れや皮脂が付いていることがあります。そのまま収納すると、皮脂が酸化してこびり付いてしまったり、汚れをエサに虫が集まって服が食べられたりするかもしれません。
しまい洗いをするときには、汚れを完全に落とし切るつもりで洗濯しましょう。洗濯機で洗うときは、服に汚れや雑菌が移らないように、洗濯槽を洗浄してから行うことをおすすめします。
雑菌の嫌なニオイを感じたり、なかなか落ちない汚れがこびり付いていたりする場合は、酸素系漂白剤でのつけ置きや食器用洗剤での手洗いなどを試してみましょう。
汚れや雑菌臭は時間がたつほどガンコで落ちにくくなってくるため、衣替えでクローゼットにしまい込む前の処置が大切です。
しっかり乾燥させる
服の洗濯が終わったら、しっかり乾燥させることも大切です。生乾きの状態で収納するとクローゼットの中でカビが発生するばかりか、虫がわいてくる原因になります。
服は、よく晴れた日に風通しのよいところで干します。ただし、服も日焼けする可能性があるため、素材によっては陰干しが向いています。湿気が完全になくなったことを確かめてから収納しましょう。
家で洗濯できない特別な服は、クリーニング店に持参してお手入れをしてもらうのも方法です。返却された服にはビニール袋が被せられており、この中に湿気がこもっているケースがあります。
ビニールを外した状態で一度陰干しし、しっかりと湿気を逃がしましょう。
収納するときのコツ
服を収納するときには、来年の衣替え時期に取り出しやすいように整理整頓して収納するとよいでしょう。さらに、来年の同じシーズンにもよい状態で着られるような工夫をしておきたいものです。
衣替えをする際に押さえておきたい、収納のコツを知っておきましょう。
シーズンごとに分ける
衣替えをするときには、服をシーズンごとに分別してから収納します。
シーズンで分けておくと、次に衣替えをするときに取り出しやすく、異なるシーズンに着る服が混ざり合うこともありません。探す手間が省けるため、服を選ぶ際にとても楽になります。
まずは、真冬に着る厚手の服と、真夏の薄い生地の服をそれぞれ分けておきましょう。春と秋の服は兼用で使っており区別しにくいケースもありますが、色合いや素材感などテイストで分ける方法もあります。
一年中を通して着ている服は、手前の取り出しやすい場所に収納し、限られたシーズンに使う服は邪魔にならないように奥のほうにしまうなど工夫しましょう。
収納場所に合った衣装ケースを選ぶ
シーズンごとに服を分けたら、服を収納する衣装ケースを選びます。クローゼットの中で積み上げるのか、高いところにある棚に置くのかなど、置き場所やスペースの大きさによって、大きさや重さ、形を変える必要があります。
衣装ケースを用意するときには、あらかじめ収納するスペースの大きさを計測してから購入しましょう。
また、服の種類によって衣装ケースの形を選ぶことも大切です。靴下やストッキング、下着などの小物は底が浅いケースを選んだり、通年で着る服は取り出しやすい引き出し式にしたりすると、より使い勝手がよいでしょう。
ラベリングで中身を管理
衣装ケースにどんな服が入っているのかが一目で分かるようにするなら、衣装ケースへのラベリングがおすすめです。収納している服の種類を書いておけば、必要なときに探し回らずに済みます。
家族でそれぞれの衣装ケースを持っている場合は、一人ひとりの名前を書いておきましょう。ラベルが正面に見えるように収納しておけば、服を取り出すときにも一目で分かります。
防虫剤や乾燥剤を入れる
服を長期間収納しておくと、カビや虫食いなどのトラブルが起きやすくなります。
特に、シルクやウール・カシミヤは高級であると同時に、害虫に狙われやすい生地でもあります。長持ちさせるためにも服と一緒に防虫剤と乾燥剤を入れておきましょう。
数多くのメーカーが防虫剤や乾燥剤を販売しており、有効期間や無臭・有臭など特徴もさまざまです。中には防虫剤と乾燥剤が併用できない種類もあるため注意しましょう。
クローゼットの収納ポイント
服を収納するときには、クローゼットのどの位置に置くかということも大切です。頻繁に取り出すものは目に付きやすくすぐ取り出せる場所を選んだり、逆にあまり使わないものは邪魔にならない奥まったスペースを使ったりするとよいでしょう。
クローゼットのスペースを上段・中段・下段に分けて、収納ポイントをそれぞれ解説します。
上段 出番が少なく軽めの服を
クローゼットの上段は手が届きにくく取り出しにくいため、シーズンの異なる服や出番が少ない服を収納した衣装ケースを置きましょう。
上段には重量のある服を入れると取り出すときに苦労するため、なるべく軽量で薄手の服や小物を選んで入れることがおすすめです。
また、カシミヤやシルク、革製品など湿気に弱いものは、なるべく頭上に置いた方が保管状態がよくなるため、上段のスペースを使いましょう。
中段 シワになりやすい服をハンガーに
中段の大きなスペースには、シャツやジャケットなど、型崩れさせたくない服をハンガーにかけて収納します。畳んでタンスにしまうとシワや折れ目ができてしまうため、生地の素材にも着目して選ぶとよいでしょう。
コート用やズボン用など、種類別のハンガーも使い分けましょう。服に合ったハンガーを選べば、服が伸びたり型崩れしたりせず、形を保ったまま保管できます。
下段 出番が多い服を引き出しケースに
下段は取り出しやすく目に付きやすいため、出番が多い服を収納するスペースにしましょう。下着や靴下など毎日使う小物のほか、通年で着る服を畳み、底が浅く取り出しやすい引き出しタイプの衣装ケースに入れることをおすすめします。
重量がありかさばりがちな厚手のセーターなども下段に収納しましょう。使用頻度の高い衣類を取り出す邪魔にならないように、奥のほうに入れても構いません。
来シーズンのために上手に保管しよう
「衣替え=服を入れ替えて終わり」ではありません。いらない服は処分し、必要な服は来シーズンもきれいな状態で着られるようにきちんとお手入れをしてから収納することも衣替えのうちと考えましょう。
コツさえ押さえておけば、スムーズでストレスのない衣替えができるようになります。
構成・文/HugKum編集部