新生児の赤ちゃんと一緒にいると、おならが多いことに気づきませんか? この記事では、新生児のおならが多い原因を始め、おならが臭いときや、おならをするときに赤ちゃんが苦しそうだったり、うなったり泣いたりしたときにはどうしたらいいのかをご紹介します。また、新生児の要注意のおならや、マッサージや体操などを用いたおならの出し方についてもチェックしてみました。
新生児のおならが多い原因
産まれて間もない新生児の赤ちゃんは、よくおならをします。しかし、おならの量が多かったり臭かったりしたら、心配になるママ・パパも多いでしょう。新生児におならが多い理由は、主に2つあります。
母乳やミルクと一緒に取り込んだ空気
赤ちゃんがおっぱいやミルクを飲むとき、どうしても空気を一緒に飲み込んでしまいます。するとお腹の中に空気が溜まり、これがおならとなって出るのです。新生児のおならが多い原因は、この空気です。
ママは、授乳した後に赤ちゃんが吐き戻したりしないように、しっかりげっぷを出すように指導を受けるはずです。赤ちゃんの背中をやさしくトントンしたり、さすったりしてもげっぷが出なかったら、おならで空気が出ていくこともあります。
腸に溜まったガス
大人のおならと同じように、便秘になってお腹にガスが溜まっていることも考えられます。赤ちゃんと便秘は無縁と思うかもしれませんが、新生児の赤ちゃんの便秘は珍しいことではありません。
便秘になると腸内にガスが溜まり、それがおならとなって出ていくこともあります。赤ちゃんのお腹が張っていたり、ウンチの水分や回数が少なかったりしたら、便秘の可能性を疑っていいでしょう。
新生児のおなら、こんなときどうしたらいい?
新生児の赤ちゃんのおならが臭かったり、赤ちゃんが苦しそうにしていたり、便秘になったりしたら、不安になるかもしれません。それぞれの対処法についてご紹介しましょう。
クサい
産まれてすぐの新生児の赤ちゃんなら、おならも便もあまりにおいがありません。しかし、成長にあわせておならもにおうようになっていきます。おならが硫黄のように臭かった場合、これはお腹に溜まったガスが原因です。強いにおいは、あくまでも一時的なものと考えられるため、そのまま様子を見て問題ありません。気になるようなら医師に相談しましょう。
苦しそう
赤ちゃんがおならをするときに、苦しそうな表情をすることもあります。これは、お腹に溜まったガスが、おならとして出るときに腸が動くので、痛みを感じる場合があるためです。もし赤ちゃんが苦しそうにしているのなら、お腹のマッサージや、綿棒で肛門に刺激を与えて、おならを促してあげましょう。マッサージと綿棒刺激のやり方は、のちほど詳しくご紹介します。
うなる・泣く
苦しそうにしているだけではなく、赤ちゃんがうなったり泣き出したりすることもあります。これも、お腹に溜まったガスによって、腹痛が起きていることが考えらえます。赤ちゃんのお腹が張っていて泣いているときは、やさしくマッサージをしてあげましょう。もし、うなることが続いたり、お腹の張りがおさまらないときは、小児科の診察を受けましょう。
おならが多い
赤ちゃんのおならが多すぎても、ママ・パパは不安になるかもしれません。大人なら、便通が良ければおならはあまり出ないもの。しかし、新生児の体はまだまだ未発達であるため、ウンチがよく出ていても腸内にガスが溜まってしまうこともあります。おならが多すぎても、成長とともに少しずつ改善されていきます。気になる場合は、お腹をなでたりマッサージしたりしましょう。
おならばかりで便秘
赤ちゃんの中には、おならはよく出るのにウンチはなかなか出ず、便秘ぎみになる子もいます。新生児の赤ちゃんの便秘の原因は、母乳やミルクの量が少なく水分不足になっていることが挙げられます。こまめに母乳やミルクをあげてみましょう。さらにマッサージや綿棒の刺激などで、ウンチを促してみるのも〇です。
びっくりして起きる
新生児の赤ちゃんは、おならをしてその音に自分でびっくりして目を覚ますこともあります。赤ちゃんがおならをするのは自然なことで、腸がきちんと動いている証拠です。ですので、赤ちゃんの様子をよく観察して、お腹が張っていないか、苦しそうな顔になっていないか確認し、そうでないならあまり気にする必要はありません。
新生児の要注意のおなら
新生児の赤ちゃんはおならが多いものですが、下痢気味でウンチの回数が多く、そのうえおならをたくさんしていたら、細菌やウイルスに感染している可能性も考えられます。新生児のウンチは基本的にゆるいものですが、下痢症状が続いていないか、発熱や嘔吐が生じていないか、顔色などもよく観察してみましょう。
また血便が出たり、嘔吐などがあった場合は、すぐに医師の診断を仰ぐようにしましょう。
新生児のおならの出し方
新生児の赤ちゃんには、マッサージや体操を行っておならが出るように促してあげましょう。マッサージや体操は定期的に行うと、お腹のハリの予防や便秘解消にもつながるはずです。
マッサージ
お腹にガスが溜まったら、それを出すようにやさしくマッサージします。ママ・パパと赤ちゃんのスキンシップにもなるので、ぜひ声をかけながら行ってあげましょう。
やり方
マッサージするときは、ベビーオイルがあると手のすべりがよくなって便利です。オイルを手に少量つけたら、仰向けに寝かせた赤ちゃんのお腹に手をあてて、赤ちゃんの様子を見ながら無理のない程度の圧力をかけて「の」の字を描くように手を動かしていきます。
注意点
ママ・パパの手が冷たいと、お腹に触れたときに赤ちゃんがビックリしてしまいます。十分に手を温めてからマッサージしましょう。また授乳直後にお腹を触るマッサージを行うのは避けて、赤ちゃんの機嫌がいいときを選んで行うようにしましょう。
体操
赤ちゃんの足を動かし、お腹や腸がよく動くようにして、その刺激でおならを促す方法です。
やり方
赤ちゃんを仰向けに寝かせたら、ママ・パパは足元側に座ります。赤ちゃんの足首を持ってやさしく膝を曲げ、また伸ばす、という動作を繰り返します。
注意点
マッサージと同じように、この体操も授乳後に行うのはNG。オムツ替えのときに一緒に行ったり、赤ちゃんの気分がいいときを見はからって行うようにしましょう。
綿棒刺激
綿棒を使って、赤ちゃんのお尻を刺激しておならを促す方法もあります。肛門周辺を刺激されると、おならが出やすくなるほか、ウンチが出ることもあります。
やり方
綿棒にベビーオイルやワセリン、オリーブオイルなどをつけて、これを赤ちゃんの肛門にやさしく入れます。できるだけ綿棒を短く持って綿棒が奥に入りすぎないように注意しましょう。そして、円を描くように綿棒の先端を軽く動かします。
注意点
肛門を刺激されると、おならと一緒にウンチが出ることもありますので、ウンチが出たときに備えて汚れてもよいシートや新聞紙などを敷いておくとベター。赤ちゃんが綿棒の刺激を嫌がる場合は、無理に行わずにやめましょう。
赤ちゃんの様子をよく観察しよう
新生児の赤ちゃんのおならは、心配するママ・パパが多いものですが、ごく普通のことです。ただし、稀に病気などの原因が潜んでいることもありますから、おならをしたときの赤ちゃんがどんな様子か、表情や体の動きなどをよく観察してみて。ケロッとして元気に過ごしているようなら、おならが多かったりにおったりしても、あまり気にする必要はないでしょう。
記事監修
河井恵美
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
文・構成/HugKum編集部