新生児がうなるのはなぜ? 原因やシチュエーション別の対策法【助産師監修】

「ん゛〜ん゛〜」という新生児が発するうなり。このうなりは、赤ちゃんによってはとても大きな声でうなる子もいて、ママは気になったり、心配になったりすることがあるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、新生児がうなるのはなぜなのか、その理由を月齢別に解説しています。また、寝ていたり、いきんでいるときや、ミルクや授乳中に新生児がうなるときの対策法や、病院で受診したほうがよいケースなどもご紹介していきましょう。

新生児がうなるのはなぜ?

新生児がうなるのはなぜ?
新生児がうなるのはなぜ?

新生児がうなる原因として考えられるのはどんなことなのでしょうか。ここでは、月齢別に新生児がうなる原因を解説していきます。

生後1か月まで

生後1ヶ月までの赤ちゃんがうなる原因として考えられるのは、眠りが浅いことです。というのも、生まれたての赤ちゃんの眠りは、浅い眠りである「レム睡眠」が半分以上。また、脳の機能も未発達であることから、「眠る」、「起きる」の切り替えができずに、半分目が覚めているけれど半分眠っているという状態です。その状態から、寝言のような声を発すると、それがうなりのように聞こえることがあります。

生後1ヶ月~5ヶ月

生後1ヶ月~5ヶ月でうなる原因のひとつに「母乳やミルクの飲み過ぎ」の可能性があります。赤ちゃんは、母乳やミルクを飲み過ぎてしまうことで、お腹いっぱいの状態が苦しくて泣き出したり、吐き戻しが多くなるケースがあります。そうすると、ママは母乳が足りていないと思ってしまい、さらに母乳やミルクを与えてしまうことも…。

赤ちゃんがお腹いっぱいなのに、ママが気づけずさらに与えてしまうという悪循環によって、赤ちゃんはうなったり、うなるようにげっぷをしたりすることがあるのです。

また、うんちを排出しようといきむことがありますが、このいきみがうなり声に聞こえている可能性もあります。

生後6ヶ月~7ヶ月

お腹や肺が圧迫されることで、赤ちゃんがうなることがあります。特にうつ伏せ寝の状態は、おなかや肺が圧迫されるため、赤ちゃんにとっては苦しい状態です。自分で寝返りができずに、仰向けになれないようであれば、ママが元の状態に戻してあげましょう。

また、生後6ヶ月~7ヶ月になると、徐々に睡眠リズムが整ってきます。ですが、たまに睡眠リズムが狂ってしまい眠りが浅い状態が続くと、うなり声を出すこともあるようです。

生後8ヶ月~9ヶ月

生後8ヶ月~9ヶ月頃でうなる原因として考えられるのは、うんちやガスがお腹に溜まっているからかもしれません。この頃の赤ちゃんは、まだ腹筋が発達しておらず、腹圧をうまくかけられないのです。そのことから、便秘になりやすくなります。うんちやガスを出そうとして、泣きながらうなることもあるので、様子を見てあげてください。

また、生後8ヶ月~9ヶ月頃なら離乳食の2回食がはじまる時期です。赤ちゃんのなかには、離乳食を食べながらうなる子もいます。その原因には、食事が自分の思い通りにいかなかったり(たとえば、食べ物を手でつかみたいけど、つかませてくれないなど)、離乳食の味が嫌いだったりすることが考えられます。また、反対においしいと思っていて、その表現の仕方がうなりになることもあるようです。

離乳食に関するうなりで、もうひとつ考えられる原因があります。それは、水分不足による便秘です。離乳食が1回食から2回食に増えたころから便秘に悩む赤ちゃんもいます。その便秘が理由で、うなっている可能性もあると考えられます。

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新生児がうなる…ママパパが体験したエピソード

新生児がうなる…心配したり、驚いたり、イライラしたことはありますか?
新生児がうなる…心配したり、驚いたり、イライラしたことはありますか?

Hugkum編集部では、あかちゃんのうなりについてアンケートを実施。子育て経験のあるママパパに「赤ちゃんがうなったとき、心配したり、驚いたり、イライラしたことはありますか?」と聞いてみたところ、「ある」と答えた方は全体の約4割に。「ない」と回答した人は6割という結果でした。

ここでは、「ある」と答えた人のエピソードと対処方法をご紹介していきます。

初めてうなっているのを聞いたときに、不安に感じた、驚いた

赤ちゃんがうなっているのを初めて聞いたときは、「驚いた!」と回答した人が多くいました。また、心配した人のなかには、健診時に相談した人もいました。

・初めて聞いたときは、夫のいびきだと思っていました(笑)。でも、赤ちゃんがうなっていたのでびっくり! 健診時にお医者さんにうなりのことを話すと、「うなり声は誰にでもあるから」と言われて、安心しました。
・始めの頃は何を表現しているかわからなかったので不安になりましたが、抱っこしてあげるとうなりが止みました。
・初めて聞く声にびっくり! どこからこの声が聞こえるのかと思ったら、赤ちゃんからで驚きました。授乳後にはじめて聞いたのですが、げっぷをさせてあげたらうならなくなりました。

赤ちゃんの具合が悪いときに、心配した、気になった

赤ちゃんの体調が悪いときにうなっているのを聞くと、なにか重い病気か、障害ではないかと心配になることもあります。アンケートの回答のなかでも、「心配した」と回答した人がいました。赤ちゃんが体調を崩していると感じたら、すぐに病院に連れて行きましょう。

・一度うなっていたら血便が出ていて救急センターに行った経験があったので、うなり声を聞くと「また体調が悪くなったのかもしれない」と心配でした。様子を見ていたら、うんちでいきんでうなっていたようで安心しました。
・「ん゛〜ん゛ん゛ん゛」という感じのうなりのときは「何か詰まったのでは?」と心配しました。げっぷをしっかり出してあげるようにしたら、うなりがなくなりました。

眠っていたときに、疲れを感じた、イライラした

睡眠時でも赤ちゃんはうなることがあります。そのうなり声に、寝ていたママはイライラしたり、疲れを感じ、寝不足になったママもいたようです。

・寝ているときに突然奇声を発することが多いため(今考えると、うなっていただけだった)、毎晩起こされ、心配になると同時に寝不足でかなり疲れました。うなっているときに、うつ伏せになっていたことがあり、仰向けの状態にしてあげたら、うなりが消えました。
・自分が眠いとき、調子が悪いときは静かにして欲しくてイライラしました。あるとき、「お腹が苦しいのかも?」と思い、おむつをゆるめにしてあげると、うなりが少なくなりました。
・うなり声をあげても、顔色や表情で機嫌がいいか悪いかはある程度判断できます。しかし、眠っているときにうなり声を出すと、とても心配になりました。とりあえずできることとして、寝ている部屋の温度の適温にするなど、環境を整えてあげました。

うんちのときに、心配になった、びっくりした

うんちのときには、うなりやいきみが多くなる傾向にあります。アンケートの回答にも、うんちが出ない、便秘、ガスが出なくてうなっていたというエピソードが多数ありました。

・うんちがうまく出せなくてお腹が苦しいのかといろいろ調べたり、夜も眠れぬ思いでした。綿棒で肛門を刺激してあげると、うんちが出て、うなりがなくなりました。
・低い声でうなって、それが続いたときはびっくり&心配でした。うなりの原因は便秘。うんちが出ると、うなりもおさまりました。
・新生児のころ、下の子はよくうなっていて、心配でした。1か月健診のときに相談したら「お腹にガスが溜まってるのが原因かも…」とのこと。ガス抜きのマッサージをしてあげると、改善しました。

はじめての子育てでおろおろ…「なぜ、うなるの?」、「原因はなに?」と感じた

はじめての子育てで、赤ちゃんがうなっているのを聞き、原因がわからずおろおろしたというママもいたようです。なかには、工夫してうなりを改善したママもいました。

・長女のときは、何もかもが初めてだったので本当に心配でした。ネットで調べたり、かかりつけのお医者様に相談したり…。赤ちゃんがうなることは通常のことだと知り、安心しました。うなり声がかわいくて、「おおー!うなってる!」と。これも赤ちゃんの独特のかわいさと、今では思えます!
・なぜうなっているのかわからず、どこか痛いのか、具合が悪いのかと常に心配していました。その際にやってみたのは、全身を拭いて着替えさせたこと。赤ちゃんも気分変わるようで、うならなくなったのでおすすめです。
・抱っこしたときによくうなっていました。「機嫌が悪いのかな? 体調が悪いのかな?」と思っていたのですが、私の抱き方が悪かったようです。正しく抱っこしたら、うなりがかなり改善されました。
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新生児がうなるときの対策法

赤ちゃんがうなるときの対策法があります。ケース別にご紹介しましょう。

寝ているときにうなる

赤ちゃんが寝ているときにうなるのは、「寝苦しいから」だと考えられます。寝苦しさを改善してあげれば、うなりを抑えることができるでしょう。気をつけたいのは、次のようなことです。

温度・湿度調節

部屋の温度、湿度は赤ちゃんにとって最適な状態になっていますか? 心地よい温度、湿度に調節しましょう。

おむつが苦しい

もしかしたら、おむつの締め付けがきつく、うなっていることも考えられます。その場合は、おむつを少し緩めてあげましょう。

うつ伏せ状態になっている

赤ちゃんが寝返りをしてうつ伏せの状態になると、元の仰向けになれず苦しんでいるのかもしれません。その場合、すぐに仰向けの状態に戻してあげましょう。また、寝返りが打てるようになるまでは、赤ちゃんから目を離さないようにしてください。

いきみながらうなる

いきみながらうなる場合は、うんちやガスがお腹にたまっている可能性大。お腹のマッサージや肛門を刺激することで、うんちやガスが排出できるよう促しましょう。

お腹のマッサージの仕方は、赤ちゃんのお腹を「の」の字にやさしくさすってあげます。このときに腸内に溜まっているうんちやガスが、肛門へ向うイメージでさすってみてください。決して力を入れすぎてはいけませんが、赤ちゃんの様子を見ながら、ある程度の圧をかけながら行いましょう。

また、肛門刺激とは、綿棒を使って肛門を刺激する方法です。以下の手順で、丁寧にやさしく刺激してあげましょう。

1 滑りがよくなるよう、綿棒にベビーオイルやワセリンなどをつけます。綿棒は大人用のものを使用してください。
2 奥まで入ってしまうと危ないため、綿花がついている根本辺りを持って赤ちゃんの肛門にゆっくり綿棒の先端部分のみを差し込みます。このとき、綿棒の先を背中方向に向けるようにしましょう。
3 綿棒を数回ぐるぐると回します。

ミルク・授乳中にうなる

母乳やミルクを飲んでいる最中にうなる場合、授乳の仕方やミルクの味が気に入らないのかもしれません。

授乳の仕方が悪い場合は、いろいろ試してみて改善していきましょう。たとえばこんなことはありませんか?

ママの乳頭が赤ちゃんの口にうまく入れられない場合

ママの乳頭が陥没している場合には、乳頭まわりのマッサージをしたり、乳頭保護器を活用したり、搾乳などを併用して授乳しましょう。

ミルクの温度が適温ではない

体温ぐらい(37℃程度)の温度になっていますか? 改めてミルクの温度を確認してください。

ミルクの味が合わないこともあるかもしれないので、違う種類のミルクに変えてみたりなど、工夫をしてみるのもいいでしょう。

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新生児のうなり、こんなときには病院へ

いつもと様子がおかしいうなり方をしている場合や、これから紹介するうなり方の場合には、病気や障害の可能性もあります。すぐにかかりつけの病院で診断を受けてください。

ずっと頻繁に、苦しそうにうなる

うなっている赤ちゃんをよく観察してみてください。全身を使って息をしているように見えたり、苦しそうにしていませんか? そのような場合は、すぐにかかりつけの病院で診てもらってください。また、38℃以上の熱があったり、鼻水や咳が出ている、ぐったりしているなどの症状があるときも、かかりつけのお医者さんに診てもらうようにしましょう。

考えられる障害は?

現段階では、赤ちゃんがうなることと、病気や障害との関連性はほとんど見られません。深刻に悩んだり、オーバーに心配しなくても問題はないでしょう。医師と相談して、適切に対処してあげてください。

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新生児のうなりはママへのサイン!?

新生児期のうなりは、よくあることです。赤ちゃんはうなることで、ママにサインを出しているのかもしれません。赤ちゃんをしっかり観察して、快適に過ごせるようにして対処してあげれば、うなりも軽減していくはずです。

記事監修

河井恵美|助産師・看護師

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。

文・構成/HugKum編集部

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