引っ越し前の洗濯機の水抜き|縦型とドラム式の手順に違いはある?

引っ越しをする際、洗濯機の移動は水回りに関わるので、予備知識がなく取り掛かると床を水浸しにしてしまうことも考えられます。洗濯機を移動するための前準備としてやらなければならない水抜きについて解説します。

洗濯機の水抜きはなぜ必要なの?

引っ越しでは、いろいろな家電や家具を整理したり、収納したりします。洗濯機の場合はまず「水抜き」という準備が必要になります。引っ越し業者からも、洗濯機を移動する場合は水抜きをしておくように言われます。業者からの知らせは前日のことが多いため慌てず用意しておきたいところです。なぜ、水抜きが必要なのかをより詳しく解説します。

運搬時の水漏れ防止のため

水抜きとは、実際には給水ホースと排水ホースに残っている水を抜く作業のことです。水抜きを怠ったり、方法が間違っていたりすると、運搬の途中で水が漏れてしまい、新居に荷物がびしょ濡れで届いてしまったり、確認不足で新居で使えなかったりという悲しいトラブルが起こりかねません。

また、ホースに水が残っていると思わずに移動してしまうと、運ぶときに人が濡れてしまうことや、それによって手が滑ってしまって運搬が危険になってしまうことも考えられます。運搬をする際に水漏れをしてしまうと引っ越しがより大変になってしまうので、水抜きをしておくことでスムーズに引っ越しを進めることができます。

前日までに作業を済ませる

水抜きには30分〜1時間ほど掛かります。引っ越し当日は何かと忙しく、はじめて水抜きをする場合は、手順などを確認しながら作業をすることになります。作業時間がオーバーし、業者に迷惑が掛かることも考えられます。前日までに水抜きをしておくことで余裕を持って引っ越し当日を迎えられます。

しかし、水抜きをすることで洗濯機は使用できなくなります。あまりに早い段階で水抜きをしてしまうことで、生活に支障が出てしまうことも避けたいため、引っ越しの前日に行うのが理想です。

引っ越し前に確認すること

引っ越し当日はいろいろと忙しいものです。トラブルが起きてからでは遅いので、洗濯機の搬入について業者にお願いする前に以下のポイントを再確認しておきましょう。

搬入経路を確認する

搬入経路は引っ越し先の新居が戸建てなのかマンションなのかでも大きく変わってきます。マンションの場合はホールやエレベーター、もしくは階段などの共有スペースを通過できるのかのチェックも必要です。洗濯機はとても重い荷物なのでエレベーターの有無は業者にも伝えておく必要があります。また経路では、通過する新居の戸口、廊下、設置場所までの道のりの幅を測り、問題なく運搬できることを確認しておきましょう。

設置場所を確認する

設置場所のサイズ、事前の防水洗濯機パン(洗濯機の下にある受け皿)の有無、洗濯機キャニスターの使用の有無なども確認します。ドラム式の洗濯機の場合、洗濯機のドアを開けるスペースも取れるのかを確認しておきましょう。

洗濯機は、ドラム式の場合も縦型の場合も大型家電なので、目測などの感覚ではなくきちんとサイズを測り確認することをおすすめします。単に設置可能かだけでなく、すき間などのデッドスペースが生まれないかどうかも気を配るとよいでしょう。

蛇口、排水口を確認する

基本的にはどの洗濯機でも対応できる高さや位置に、蛇口や排水口が設定されていますが、洗濯機のサイズと蛇口の高さ、位置、排水口の場所、ホースの向きを確認しておくと安心です。

蛇口の形状にはいくつか種類があり、旧居で使えていても新居の形が違うことも考えられます。また、排水口の位置によってはホースをつなぐことが難しい場合もあります。そのような場合は、ホースをつなぐ部品や洗濯機自体のかさ上げが必要になります。設置するときに分かると、しばらく洗濯機が使えないことになってしまうので、事前の確認が大切です。

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縦型洗濯機の水抜きのやり方

まずは縦型洗濯機の水抜きの手順を紹介します。各ホースの水を抜く作業だけなので実際にやってみると意外と簡単です。水抜きをするときに簡単に掃除をしておくと、業者も気持ちよく運んでくれるのではないでしょうか。

準備するもの

用意するものは、タオルと洗面器、金具を外すドライバーです。床が濡れないように、大きめのビニール袋や新聞紙などで床を養生しておくのもよいでしょう。

もしも水が漏れてしまったときに、養生しておけば水が周りに広がるのを防げます。また、汚れが付着することも考えられるので、いらないタオルなど汚れが気にならないようなものを用意した方がよいでしょう。

給水ホースの水抜き手順

洗濯機の中が空であることを確認したら、水道の蛇口を閉めます。通常、洗濯機を使っているときは水道の蛇口は常時開になっているので今の状態からひねることで蛇口を閉めることができます。

次に洗濯機の蓋を閉めてから、洗濯機を起動して、洗い方は何を選択してもよいので洗剤を入れずに洗濯機を回します。本来なら給水されて洗濯をすることになりますが、給水の蛇口が閉まっているので出るのはホースに残っている分の水だけです。それほど時間は掛からないので1分ほど待ったら洗濯機のコースをストップします。

これで給水ホースの水抜きは完了です。洗濯機の電源を落とし、給水の蛇口からホースを外します。このとき、水抜きはしていますが、念のためにタオルで押さえながら外したり、洗面器を下に置いて受け皿にしたりすると安心です。蛇口と給水ホースをつなぐ部品もドライバーで外して、なくさないようにビニールに入れるなどします。

排水ホースの水抜き手順

次に排水ホースの水抜きです。まずは、給水ホースを外す際に洗濯機に流れた水を出します。蓋を閉めてから電源を入れて脱水を始めましょう。時間の設定がある場合は一番短い時間で設定します。脱水が終わったら、洗濯機を一度開けて中に水がないことを確認しましょう。その際は、洗濯機の中をタオルで拭くことで中の水を確認できますし、きれいになるので一石二鳥です。

その後は洗濯機の電源は落とし、コンセントも抜いてしまいます。洗濯機の中の水も排水ホースを通って全て出ているので排水ホースを外します。排水ホースは狭い場所にねじれていたりすることもあるので、取り外す前にホース自体を少し揺すったり振ったりすることで水が溢れる心配がなくなります。排水口との取り付け部分は、すんなり取れるわけではないので、左右にひねるなど慎重に行いましょう。タオルで押さえながら外すと安心です。

ドラム式洗濯機も手順は同じ?

ドラム式洗濯機の場合も、基本的には手順は同じですが、縦型の洗濯機の場合よりも一手間増えます。縦型の洗濯機はうまくやると水に触らずに済みますが、ドラム式の場合は水が溢れることもあるので洗面器の用意は必須です。

糸くずフィルターの水抜きを加える

給水ホースの水抜き、取り外しまでは縦型の洗濯機と同様ですが、ドラム式洗濯機の場合は糸くずフィルターが洗濯機下部に設置されています。脱水の作業まで完了したら、排水ホースの前に糸くずフィルターに水が溜まるので、糸くずフィルターの蓋のすぐ下に洗面器を構えておきながら、糸くずフィルターのつまみをゆっくり緩めましょう。

始めは勢いよく水が出てきますがすぐに収まります。不安な場合はもう一つ水受けを用意しておくとよいでしょう。

ついでにフィルターもきれいにします。その後、縦型の洗濯機と同じ手順で排水ホースを外していきます。

水抜きするときの注意点

水抜きをするときは、洗濯機の周りが水浸しになることも考えられます。ドラム式の洗濯機の場合は特に、排水フィルターとの距離感を間違えると一気に床に水が広がってしまいます。念のために濡れては困るものは移動します。

また、排水ホースを外すときは場所によっては無理な体勢になりがちです。洗濯機の周りのものは移動して場所を広くとっておきましょう。

事前に説明書を確認する

洗濯機の機種によって水抜きの方法が違うこともあります。ドラム式や縦型の洗濯機でも、メーカーが違うと細かい部分に差があるかもしれません。説明書を事前に読んでおくと不用意に部品を壊してしまう心配もなくなるので安心です。

説明書を紛失している場合は、公式ホームページ等で確認できることもあるので問い合わせてみるとよいでしょう。

付属部品の紛失に気を付ける

水抜きが完了したら、蛇口の部品や排水口の部品はビニールに入れて洗濯機の中に入れておくとよいでしょう。必要部品は洗濯機の近くにあった方が、設置時に探さなくてよいのでスムーズです。

部品はメーカーによって違うので、紛失してしまうと余計な手間が掛かってしまいます。大きめのビニールに入れ、洗濯槽にテープで固定するか、ビニール紐でしばって入れておきましょう。

もし凍結していたらどのように対処する?

住んでいる地域によって、洗濯機を外に置いていると水周りが凍結してしまうことがあります。凍結している場合は直ちに水を抜くことはできません。凍った水を溶かす必要があります。

水道管が凍結している場合

水道管が凍結している場合は、風呂より少し熱い40℃程度のお湯を用意します。凍結箇所にタオルを巻き、水道管にゆっくりお湯を掛けて氷を溶かしていきましょう。注意したいのは、水道管が凍結しているときに、直接熱湯を掛けてしまうと水道管が破損する恐れがあるので、絶対にやめましょう。水道管に破損や亀裂が入ってしまうと個人では直すことができません。

給水ホース、排水ホースが凍結している場合

給水ホースが凍結している場合は、ホース自体にお湯を掛けたりお湯につけて置いたりすることで溶かすことが可能です。給水の蛇口は閉めてから行いましょう。ホースを外した方がお湯を掛けやすいですが、凍ったホースを無理に動かそうとするとホースが割れてしまうこともあるので気を付けましょう。蛇口を閉めるときにホースを外すのが難しそうであれば、ドライヤーなどで温風を吹きかけてみるのもおすすめです。

移動前にしっかり水抜きしよう

引っ越しの際にはいろいろな準備をすることになりますが、洗濯機周りは水漏れなどのリスクがあるため、水抜きは必ず行う必要があります。水抜きをしなかったことで大切な荷物や家電がびしょ濡れになってしまっては、引っ越し作業がさらに手間が掛かってしまいます。移動前の設置確認と水抜きはしっかり行うようにしましょう。

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文・構成/HugKum編集部

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