「エコ」の本当の意味は?
「エコ」という言葉、生活のあちこちで聞かれますよね。
「エコ」とは、エコロジー(環境)とエコノミー(経済)がお互いに影響し合うという意味があります。
例えば節電・節水も「エコ」ですし、今回のテーマでもあるエコバッグ、マイボトルのような“環境を守ることと同時に、経済的にも良い”という観点の製品・サービス・ライフスタイルに「エコ」という言葉が使われるようになっています。
では実際、エコに関心がある人はどれくらいいるのでしょうか。
全世界でみると、18~35歳を対象にした世界経済フォーラムの調査では、「世界に影響を与えている最も深刻な問題は何ですか?」という質問に対し、「気候変動や自然破壊」と答えた人の割合が約50%。地球環境に関することが世界でも特に注目をされていることがわかります。
日本でも、2019年10月に内閣府が行った「環境問題に関する世論調査」では、「プラスチックごみによる海の汚染など」のプラスチックごみの問題に関心がある人は、89%と非常に高い結果となりました。その中で「レジ袋やストローなどが無駄なのではないか」という意見も多く、国内国外問わずエコに対する関心は非常に高い状況です。
エコバッグやマイボトル、何回使えばエコなの?
このようにエコに対する意識が高まっていることはわかりますが、ここで疑問なのは、エコバッグやマイボトルを使えば、それが環境に良いことになるの?ということです。せっかく意識して行動しているのに、それが無駄だったなんて悲しすぎますよね…。
こちら、実は「使い方による」というのが結論です。
なぜなら、レジ袋やペットボトルと同じようにエコバッグやマイボトルを製造する際や廃棄する際にも環境に負荷がかかるからです。
例えばエコバッグを頻繁に買い替えてしまうと、かえって環境には良くありません。「じゃあ何回エコバッグ使ったらレジ袋より環境に良いの?」と気になりますよね。
これを調べる方法としてはライフサイクルアセスメントと呼ばれる、商品やサービスの原料調達から、生産・流通、さらには廃棄・リサイクルに至るまでの一連のライフサイクルにおける環境負荷を、定量的に算定するための手法を元にするのが一般的です。
例えばレジ袋とエコバッグ、どちらが環境負荷が大きいかをライフサイクルアセスメントで見たときに、「買い物回数50回未満ではレジ袋よりエコバッグの負荷が大きいが、それ以降51回目からはレジ袋よりもエコバッグのほうが小さいCO2排出量で買い物をすることができる」という研究結果が出ていたりします。
ただこれも1つの事例でしかなく、そもそもレジ袋とエコバッグの素材や大きさによって結果は変わってくるので、絶対に50回以上!と言い切れるものではありませんが、ひとつの目安として頭に入れておくのは良いかもしれませんね。
SDGsは表だけでなく裏側も見よう
今回紹介したエコバッグやマイボトルの話だけでなく、SDGsは表面的な情報だけを読み取ると、実は裏側でこんなことが起こっていて逆に良くない影響がある、ということもあります。
常に「その情報って本当なんだっけ?」というある種の疑いの目をもちながら自分なりに調べ、それぞれの考えを持つことが大切になりますね。
今回のテーマ「エコの実態」について、より詳しく知りたい人は、こちらの動画もチェックしてみてください。