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福岡銘菓とは
福岡には、まんじゅう、お餅、洋菓子など、さまざまな銘菓があります。また、ロングセラー商品が多いのも特徴。
古くから多くの銘菓がある理由のひとつには、江戸時代に長崎の警備を担当していた、福岡の黒田藩にあります。黒田藩は、砂糖が海外から唯一入ってくる長崎から、直接砂糖を買い付けできる特権を持っていました。そのことから、福岡に砂糖文化やお菓子文化が根付いたと考えられています。
福岡の銘菓といったらこれ!│福岡銘菓【定番編】
まずは、「福岡銘菓」の定番のお菓子をご紹介していきましょう。
博多通りもん
「博多通りもん」は、柔らかい白あんをしっとりとした皮で包んだおまんじゅうです。1993年(平成5年)に登場して以来、不動の人気を誇っています。
銘菓ポイント
「博多通りもん」は、2019年に「最も売れている製菓あんこ饅頭ブランド」としてギネス世界一に認定されるほど、売れているおまんじゅうです。
「博多食べ比べセット 通りもん 筑紫もち」
「博多通りもん」と「筑紫もち」のセットです。博多気分を味わってみてはいかが。
めんべい
「めんべい」は、福太郎のめんたいと、海鮮の旨味を凝縮した新感覚のおせんべい。パリっとした食感と、海の幸の深い味わいを堪能できます。
銘菓ポイント
「めんべい」が発売されたのは、2001年。当初は、スーパーの魚売り場で販売されたこともありました。そこから口コミでおいしさが広がり、またたく間に大ヒット商品に!今や、福岡土産の新定番となっています。
「辛子めんたい風味 めんべい プレーン」
明太子の風味、絶妙なピリッとした辛さ、また食べたくなるようなパリっとした歯ごたえが堪能できるおせんべいです。
チロリアン
「チロリアン」は、サクッと焼き上げた軽い食感のロールクッキーに、口どけなめらかなクリームを入れたお菓子です。京都から来たせんべい職人が作っていた筒状の飴せんべいに着想を得て、1962年に誕生しました。
銘菓ポイント
「チロリアン」が長らく愛されるのは、おいしさはもちろん、パッケージに描かれたかわいいキャラクターもその理由のひとつです。キャラクターは、デザイナー・長尾守氏によるもの。「チロリアン」のブランドサイトでは、それぞれのキャラクターのプロフィールも紹介されています。
「千鳥饅頭総本舗 チロリアン丸缶」
ショートサイズの「チロリアン」です。フレーバーは、バニラ、ストロベリー、コーヒー、チョコレートが入っています。
博多二〇加煎餅
「二○加煎餅」は、博多の郷土芸能として庶民の間で親しまれている「博多仁和加」の半面を形どった、おせんべいです。上質の小麦粉と卵をたっぷり使い、サクサクとした歯ざわりと、卵の風味、やさしい甘さが味わえます。
銘菓ポイント
「二○加煎餅」が発売されたのは、明治39年のこと。それ以来、福岡銘菓として多くの人に長く親しまれているお菓子です。
「博多二〇加煎餅」
サクサクとした食感と、卵の風味とやさしい甘さを感じられるおせんべいです。パッケージもユーモラス!
博多の女
しっとりとやわらかなバームクーヘンで、ほどよい甘みの小豆羊かんを包んだ「博多の女」。卵の素朴なおいしさが広がる逸品です。食べやすいひと口サイズなのもポイント。もらってうれしい福岡土産です。
銘菓ポイント
1972年発売の「博多の女」は、多くの人に愛されて50年余。名前の由来は、昭和45年頃に流行した北島三郎の曲の“女シリーズ”から着想を得たのだそう。パッケージの博多人形もトレードマークとなっています。
「博多の女」
和の小豆羊かんと、洋のバームクーヘンが融合したお菓子です。バームクーヘンのソフトな口あたりで、優しい味わいを楽しめます。
黄身餡、小豆あん、白あん…いろいろなあんこを楽しむ│福岡銘菓【あんこ編】
福岡銘菓には、黄身餡、小豆あん、白あんといったさまざまなあんこが用いられた商品もたくさんあります。福岡銘菓を食べて、好みのあんこを探してみるのもおすすめです。
鶴乃子
「鶴乃子」は、博多で100年以上愛され続ける銘菓です。ふくよかなマシュマロ生地の中に風味のよい黄味あんが入っています。
銘菓ポイント
「鶴乃子」は、1910年に誕生したお菓子です。創業当初は鶏卵素麺を作っていたのですが、製造の過程で余ってしまう大量の卵白をなんとかできないかと考えた初代社長が、卵白をあわたててたまごの殻のなかに入れ、そこに餡を入れた「淡雪」のようなお菓子を開発したのがはじまり。その後、舶来品の「マシュマロ」の技術が伝来し、「鶴乃子」が誕生しました。
「鶴乃子」
しっとりとしたやさしい口どけと、甘さをおさえたまろやかな味わいを楽しめる「福岡銘菓」です。
博多ぶらぶら
「博多ぶらぶら」は、北海道産の小豆で求肥を包んだ和菓子です。自然で素朴な風味が魅力的。名前の由来は、「博多の街をぶらぶらしながら食べて欲しい」という思いが込められているのだそうです。
銘菓ポイント
「博多ぶらぶら」は山陽新幹線が博多駅に乗り入れる直前の1974年に誕生し、現在まで多くの人に親しまれています。親しまれている理由のひとつには、パッケージに描かれているキャラクターがひと役買っているといえるでしょう。このキャラクターは、博多どんたくの傘鉾に、2代目の顔をモデルにしてデザインされているのだそう。キャラクターが踊るCMもご長寿CMとなっています。
「博多ぶらぶら」
北海道産の小豆、そして、お米は佐賀の一等米であるひよく米を使って作られている「博多ぶらぶら」。素材本来の味を生かした和菓子です。
名菓ひよ子
「名菓ひよ子」は、ひよこの形をしたおまんじゅうです。香ばしい皮には九州産小麦粉を、 やさしい甘さの黄味餡には、身の詰まった隠元豆を使用しています。
銘菓ポイント
大正元年に筑豊飯塚で誕生した「名菓ひよ子」。独創的で姿も愛らしく、たちまち人気となります。昭和32年には福岡市内にお店を構え、九州名物と言われるまでに成長しました。昭和39年、東京オリンピックを契機に東京にも進出。ここでも多くの人に愛されたことから、今や「福岡みやげ」としても、「東京みやげ」としても定着しています。
「名菓ひよ子」
ひよこの形がかわいらしく、やさしい甘さの黄味餡と、香ばしい風味の皮がおいしいお饅頭です。
梅ヶ枝餅
「梅ヶ枝餅」は、福岡県太宰府市の名物。あんこが入った焼き餅で、食べ歩きができるサイズも魅力です。
銘菓ポイント
「梅ヶ枝餅」は平安時代の伝説が由来となっているといわれています。その伝説とは、太宰府に左遷された菅原道真公が外出もままならず食べるものにも困っていたところ、様子を見かねた老婆が梅の枝に餅を刺して差し入れたというものです。この伝説により、梅ヶ枝餅が誕生し、今では太宰府天満宮の参道周辺に、50軒もの梅が枝餅のお店があります。
「やす武 梅ヶ枝餅」
小豆のあんこを餅皮で包、焼き上げた一品です。あんこには、北海道十勝地方の「雅」を使用し、あきのこない上品な甘さに仕上げています。
千鳥饅頭
「千鳥饅頭」は、北海道産手亡豆とザラメで炊き上げた極上純白のこし餡を、「てごね」で合わせた生地で包んで黄金色に焼き上げたおまんじゅうです。
銘菓ポイント
「千鳥饅頭」を販売する「千鳥屋」は、1630年(寛永7年)創業のお店。創業当時は、丸ボーロやカステラといった南蛮菓子をつくっていたこともあり、その製法は「千鳥饅頭」にも生かされています。和菓子のような洋菓子のような味わいの「千鳥饅頭」は、多くの人に愛されているお菓子です。
「千鳥饅頭」
千鳥屋宗家の代表名菓。しっとりとした皮はもちろんのこと、口のなかで雪のように溶けていく白餡も魅力的です。
なめらか、もちもち、かちかち…口当たりいろいろ│福岡銘菓【食感編】
福岡銘菓のなかには、なめらか、もちもち、かちかちといった食感も楽しめるものも。ここでは食感が楽しい福岡銘菓をご紹介します。
鶏卵素麺
「鶏卵素麺」は、沸騰した糖蜜のなかに鶏卵を細く流し入れてそうめん状に固めたお菓子です。上品な甘みとなめらかな食感を楽しめます。
銘菓ポイント
「鶏卵素麺」は、16世紀頃にポルトガルから伝来した南蛮菓子のひとつです。現在では、金沢の「長生殿」、長岡の「越乃雪」とともに日本三大銘菓とされています。
「鶏卵素麺」
創業当時から製法を変えず、手作りしている「鶏卵素麺」。上品な甘みとしっとりとした口当たりが魅力です。
くろがね堅パン
カチカチの食感を堪能できるのが「くろがね堅パン」です。「くろがね堅パン」は、鉄のように堅いお菓子。長く保存できるように、水分を極力少なくしたことで生まれたのだそうです。
銘菓ポイント
「くろがね堅パン」は、大正時代に官営八幡製鐵所(現在の日本製鉄株式会社九州製鉄所八幡地区)で生まれました。創業以来、堅さや甘さにこだわり続け、北九州のふるさとの味として愛されています。
「くろがね堅パン4種詰め合わせ」
とても堅い「くろがね堅パン」のスティックタイプです。「プレーン」「イチゴ」「ほうれん草」「ココア」の味を楽しめます。
筑紫もち
「筑紫もち」は、筑紫平野のヒヨク米をこだわりの水で、おいしく煉り上げたお餅です。もちもちの食感が後を引きます。
銘菓ポイント
1977年に誕生した「筑紫もち」。製造・販売を手掛ける「如水庵」の会長が幼いころに祖母に作ってもらった黄粉もちをヒントに作られたのだといいます。販売以来、45年以上も多くの人に愛されているロングセラー商品です。
「筑紫もち」
もちもちのお餅に、香りと甘みを最大限に引き出したきな粉の風味が広がる逸品。お好みで黒蜜をかけて召し上がれ。
なんばん往来
「なんばん往来」は、しっとり香ばしいアーモンド生地と甘酸っぱいラズベリージャムを、「サクッ」とした食感のパイで包んだお菓子です。
銘菓ポイント
「なんばん往来」は、長崎が貿易の港として栄え、外国から砂糖やアーモンドを運んだ「シュガーロード」の到着地点である福岡県発祥のお菓子。84年の発売以来、世代を超えて愛され続けています。
「なんばん往来」
アーモンド生地のしっとり感と、パイ生地のサクッと感が同時に楽しめます。甘酸っぱいラズベリージャムがアクセントに。
やまやめんたいせんべい
国産うるち米の粒の素材感が残るせんべいに、明太子の旨みたっぷりの旨辛たれ「めんたい辛みソース」を絡ませた「やまやめんたいせんべい」。明太子の旨辛さとパリッと香ばしい食感が魅力です。
銘菓ポイント
「やまやめんたいせんべい」は、明太子でおなじみの「やまや」が2022年発売したニューフェイスのおせんべいです。やまやの創業以来、継ぎ足しながら守り続ける明太子の漬け込み液「匠のたれ」をベースに味付けしています。明太子味のおせんべいは、福岡銘菓の新定番になりそうな予感。
「やまやめんたいせんべい」
パリッと香ばしく上品な食感の中に、明太子の旨辛さが広がるおせんべいです。
福岡みやげはもちろん、お取り寄せで楽しんでも♪
福岡銘菓には、ロングセラー商品も多く、和菓子、洋菓子、和洋折衷のお菓子など、いろいろあります。福岡方面に出かけたときの手みやげとしてはもちろん、お取り寄せしていろいろ楽しんでみてはいかが。
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文・構成/HugKum編集部