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「嵐電」ってどんな電車?
四条大宮から嵐山や太秦、北野白梅町を結ぶ「京福電鉄」は、「嵐電(らんでん)」と呼ばれ、地元の人や観光客の足として親しまれています。これは旧名の「嵐山電車軌道」「嵐山電車」に由来しています。

そんな嵐電は、京都の街中を走る路面電車。ゆっくり走る列車の車窓からは、住んでいる人の暮らしを見られたり、気になるお店やお寺などを見つけられたり、乗っていてとにかく楽しい電車なんです。
嵐電には2路線ある
嵐電には、四条大宮から嵐山駅を結ぶ「嵐山本線」と、帷子ノ辻󠄀(かたびらのつじ)駅から、北野白梅町駅までを結ぶ「北野線」の2路線があります。
嵐山は言わずと知れた京都の観光名所ですが、それ以外にも嵐電沿線には魅力的なスポットがたくさんあるんです。
本記事では、「太秦広隆寺(うずまさこうりゅうじ)駅」を下車して、大映通り商店街を歩いて「帷子ノ辻󠄀(かたびらのつじ)駅」まで行くコースを紹介します。
「四条大宮駅」を出発
四条大宮駅は街中からもアクセスしやすく、近くには新撰組ゆかりのお寺「壬生寺」のほか、カフェなどの飲食店も多くあります。そんな四条大宮駅を出発して、太秦広隆寺駅を目指しましょう。

「太秦広隆寺」で途中下車して「大映通り商店街」をぶらり散策
四条大宮駅を出発して、太秦広隆寺駅へは約13分で到着します。電車を降りると見えてくるのが、京都最古のお寺「広隆寺」。厩戸王(聖徳太子)から賜った仏像を御本尊として建立されたお寺です。


太秦は日本のハリウッド
太秦広隆寺駅の周辺は、「太秦(うずまさ)」という地域で、かつては映画の撮影所が集まり、日本のハリウッドとも呼ばれた街です。今でも多くの映画がここ太秦で撮影されています。

大映通り商店街をゆく
広隆寺を横目に進むと、「大映通り商店街」が見えてきます。

太秦広隆寺駅から、次の駅、帷子ノ辻󠄀駅まで続いています。近所の人が毎朝コーヒーを飲みに来るような昔ながらのカフェや、京都の美味しいお漬物屋さんなど、さまざまなお店があり、地元の方の生活が垣間見える商店街です。
通りには、映画で栄えた街ならではの、カメラモチーフの看板や電灯など、映画にちなんだ仕掛けがちらほら。思わず写真を撮りたくなりますね。


では、そんな大映通り商店街をぶらりと散策していきましょう。
美味しい料理と映画の歴史を楽しめる「キネマ・キッチン」
大映通り商店街の中ほどにある「キネマ・キッチン」は、美味しい料理やドリンクを楽しみながら、貴重な映画撮影の機材や台本、ポスターなどを見ることができるお店です。


店内には貴重な映画にまつわるグッズを展示
店内に飾られている撮影道具や台本などは、映画関係者から譲り受けられたものだそう。台本や書籍などは、実際に手にとって見ることができ、「台本はこう書かれているんだ」と知ることができます。
昔使われていたカメラなど、貴重な物を間近で見ることができるのもうれしいですね。



太秦名物「かつライス」がおすすめ
キネマ・キッチンのおすすめメニューは「かつライス」です。

オムライスの上にチキンカツ、和風カレーソースがかかったボリューム満点の一品。カレーソースは辛くなく、出汁が効いていて、子どもも食べやすい味です。

この「かつライス」の名前は、映画界の大スター、勝新太郎と市川雷蔵に由来するそう。

映画ファンだけでなく、映画の街に来たらぜひとも食べたい一品ですね。
豊富な手作りメニュー
喉を潤すなら、種類豊富なクリームソーダもおすすめです。なかでも珍しいのは、自家製の赤しそジュースを使った、クリームソーダ赤しそ味。優しい酸味のさっぱりとした味わいで、自家製の大魔神のクッキーが付いています。

そのほかにも、日替わりや映画にちなんだメニュー、スウィーツなど、手作りのメニューがたくさんあります。
「帷子ノ辻󠄀駅」に到着したら駄菓子のパラダイスへ行ってみて!
商店街を抜けると、「帷子ノ辻󠄀(かたびらのつじ)駅」にたどり着きます。

この駅は、嵐山へ向かう嵐山線と、北野白梅町へ向かう北野線の2線乗り入れています。北野白梅町へ向かいたい人はここで乗り換えです。
そんな帷子ノ辻󠄀駅に着いたら、訪れたいスポットを紹介します。
大人も子どもも心ときめく駄菓子のパラダイス「映菓座」
帷子ノ辻󠄀駅の建物内には、「映菓座」という京都でも最大級の駄菓子屋さんがあります。

お店の看板は、懐かしいレトロな佇まい。カプセルトイがたくさん並び、どんなものがあるのかとワクワクが止まりません。太秦限定のカプセルトイもあるので、ぜひゲットしてみてください。

店内に入ると、親世代にとっても懐かしいお菓子がたくさんあって、子どもと一緒に選ぶと盛り上がりそうですね。


店内には写真コーナーやイートインスペースも
「映菓座」の店内には、映画のセットのような写真コーナーもあります。畳にちゃぶ台、ブラウン管テレビといったレトロな世界。実際に座ってもOKとのことなので、記念写真を撮ってみてください。

また店の奥に行くと、線路が見えるイートインスペースもあり、休憩スポットとしてもおすすめです。行き交う嵐電の電車を上から見ることができますよ。

必食! 幻のお団子屋さんのタレをかけた「ソフトクリーム」
「映菓座」を訪れたら食べたいのが「ソフトクリーム」です。

大映通り商店街には、美味しいみたらし団子のお店「三吉みたらし団子」があるのですが、いつ営業しているのかわからない、幻のお団子屋さんとも言われています。そのお店のみたらし団子のタレが、こちら「映菓座」で味わえるんです。
さっぱりとした甘さのソフトクリームに、甘辛い濃厚なみたらし団子のタレがかかっていて、クセになる味。「映菓座」を訪れたらぜひ食べてみてください。
嵐電に乗って次はどこへ行く?
今回は、嵐電の太秦広隆寺駅と帷子ノ辻󠄀駅を散策しました。嵐電に乗って日本のハリウッドへ出かけてみませんか? そしてその先、嵐山へ向かうもよし、北野白梅町へ向かう北野線に乗るもよし。嵐電沿線には、まだまだ魅力的なスポットがあります。
京都を訪れたらぜひ嵐電に乗って、気ままに途中下車の旅を楽しんでみてください。
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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)