子どもの野菜ギライ、そのままでいい!「八百屋のシェフ」の裏技で、「食べたい!が加速する」子どももうれしい野菜料理

お子さんの野菜ギライに悩むパパママは多いでしょう。どうしたらいい……?SNSの斬新な野菜料理で大バズり、自らも2児のパパのアキオさんは「がんばりすぎないほうがかえっていい」と言います。ゆるく接していたほうが結局うまくいく、と。海外に住み、さまざまな料理をアレンジしてきたアキオさんに、野菜ギライの子どもへの接し方と、「それでもきっと楽しめる」目新しく楽しいレシピを聞きました。

子どもの舌は敏感、「食べたくない野菜」があるのはあたりまえ

――子どもは好ききらいがいろいろありますね。なかでも野菜に関してはどれが好きかきらいかは、個人差がある気がします。

アキオさん自分の子どもの頃のことを思い出しても、やはり好きな野菜ときらいな野菜はありましたね。みんなそうなんじゃないですか?それに、子どもの舌って敏感なんです。

舌には味蕾(みらい)という、味を感じるセンサーがついていますが、この味蕾は子ども時代に一番発達し、だんだん少なくなり、30~40代では子ども時代の3分の1にも。味覚に敏感だから、いやなものもあるんですよね。

だから、ひとくくりに「野菜は全部食べないといけない」とか「好ききらいなしにして食べないといけない」っていうスタンスから一歩引いて、「好ききらいも個性」と思ってはどうでしょうか。

「身体にいいからなんとかして食べなさい」では、毎日薬を飲まされているようで、トラウマになってしまうかもしれません。親御さんのほうだって「食べなさい!」と言っても食べなければストレスになります。少し大きくなれば、意外に食べられるようになるものも多いと思いますよ。私はポパイのビデオで、ホウレンソウを食べて強くなるのを観て、ホウレンソウが好きになりました。子どもの好ききらいも、年単位くらいで変わります。だから、ちょっとゆるく考えてもいいんじゃないかな。

野菜を自分で収穫したり調理したりすると好きになる!

――とはいえ、まったく野菜を食べないのも困ります。野菜料理が好きになる方法、ありますか?

アキオさんまずは「食の原体験」をするのがいいんじゃないかなと思います。ベランダで一緒に野菜を育てるとか、観光農園に行って野菜を収穫するとか。それを調理して食べれば、野菜が身近になります。調理自体も一緒に手伝ったりすると「自分が作った」という実感と興味がわいて、よく食べるんじゃないかな。うちの子どもは上が中学生、下が小学生ですが、そういう体験があるとよく食べます。体験って大事だなと思いますね。

――そうですね、いつもは子どもの意向は関係なしに大人が調理して目の前に置くだけですから……。自分が収穫や調理にアクションすると、興味を持って食べられそうですね。

アキオさんあとね、大人がおいしそうに食べてることも大事です。うちは親父がめちゃくちゃおいしそうに野菜を食べていたんですよ。子どものころはそれに触発されたわけじゃないけれど、脳に焼き付きますよね、いつもおいしそうに食べてる画像が。それで大人になってからは「野菜はおいしいもの」と自然に思うようになりました。

だから私も子どもが野菜料理を残したときは、叱るようなことはせず、「これ、おいしいんだけどな」とかつぶやいて、おいしそうに平らげてしまう。そのうち、「おいしい」が自然と伝わるんじゃないかと思って。実際、自分も部活やり出して合宿とか行って、ほかの子たちが平気で食べているものを食べないと気まずいので、食べられるようになったり。サッカーの少年団で遠征に行った先で出る食事を食べられないと試合で元気が出ないので、多少きらいなものでもがんばって食べられるようになります。今食べないことに怒るんじゃなくて、未来に賭けましょう(笑)。

野菜の形を見えなくする、カリカリ食感にするのも野菜を食べやすくするワザ

――調理方法次第でも、野菜料理が食べやすくなりますよね?

アキオさん:そうですね。よくあるのは、野菜の形を見えなくする方法。みなさんもやると思うんですが、ミートソース用に野菜を細かく切ってたくさん入れるのをうちではよくやります。イタリア料理のベースでソフリットってあって、タマネギ、ニンジン、セロリを細かく切ってよーく炒めるんですよね。長く炒めるので食感もなめらかで野菜の臭みもなくなるから食べやすいみたいです。前編で紹介した白菜のスペイン風オムレツも、白菜を長く炒めてカサを減らし風味を増して食べやすくしています。

また、私はよくクリスピー(パリパリした感じ)にしますよ。パリパリしていると自然にたくさん食べられますよね。逆に、モッチリさせるレシピもあって、食感がいつもと違うと野菜料理を楽しめます。

下の3品はぜひ作ってみてください。包丁を持ったことがないお子さんでも、コップの底でつぶしたり、のりをちぎったりするお手伝いならできると思うので、一緒に作っても楽しいですね。

きれいな色とカリカリ食感。子どものおやつに、パパママのおつまみにも

クリスピーキャロット

ニンジンを電子レンジでやわらかくして、コップの底でエイッとつぶす……、こんな調理法を考えつくアキオさんに脱帽です。お子さんが喜んで手伝ってくれそうです。チーズを多めに振って焼くとクリスピー感が増しますが、カリカリしすぎなくてもおいしい!

材料(2~3人分)

ニンジン…1本(250g)皮をむかずに3㎝角切り

合わせ調味料A(塩2つまみ、しょうゆ小さじ1/2~1、おろしニンニク小さじ1/2、酒小さじ1/2)すべて混ぜ合わせておく

片栗粉…大さじ1と1/2

ピザ用チーズ…適量

オリーブ油…適量

〈作り方〉

1.オーブンを210℃に予熱する。ニンジンは耐熱容器に入れてふんわりとラップをかけ、電子レンジで4~5分加熱し、耐熱のポリ袋に入れる。

2.1にAを加えて、よくからめたら、片栗粉を加えてよく混ぜる。

3.オーブンのトレーに2を並べ、グラスの底などで平らにつぶす。その上にピザ用チーズをひとつまみずつのせ、オリーブ油をかけてオーブンに入れて、15~20分焼く。

片栗粉をまぶして加熱したニンジンをつぶす。形は整えなくてよい
チーズはたくさんのせると、よりクリスピーに

うなぎもビックリ!? ナスがここまで変身するとは!?

なすのかば焼き

あれ、うなぎ?いえ、ナスなんです。電子レンジでやわらかくしたナスを半割りして衣をつけて、フライパンで焼いて、自家製うなぎのたれをからめればあの味、あの食感に。ナスがきらいな子は皮が苦手なことが多いですが、これは皮をむくので食べやすい。甘めのたれも子ども好み。

材料(2人分)

ナス…2本(200g)皮をむき、1本ずつラップに包んで電子レンジで1分30秒加熱する。

小麦粉…適量

粉山椒…適量

ゴマ油…大さじ1と1/2

かば焼きのたれ

A(酒大さじ2、みりん大さじ2、しょうゆ大さじ1、おろししょうが小さじ1/2、はちみつ小さじ2)すべて混ぜ合わせておく

あたたかいご飯…適量

〈作り方〉

1.加熱したナスを縦半分に切り目を入れて開く。バットなどに小麦粉、粉山椒を入れて混ぜ合わせ、ナス全体にまぶす。

小麦粉はたっぷりめにつけたほうがたれがよくからむ。子どもには粉山椒を抜いても

2.フライパンにゴマ油を入れて熱し、1を並べ入れる。弱めの中火にして焼き色がついたら、中火にしてもう片面を1分焼く。

3.Aを全体に回し入れて、強火にする。たれをからめながら照りが出たら火を止める。器にあたたかいご飯を盛り、ナスをのせて、お好みで粉山椒をふる。子どもは粉山椒はなくてもよい。

せん切りダイコンでシャキシャキともちもちのハーモニー

大根とのりの和ガレット

せん切りダイコンがここまでもちもちするなんて、驚きです。しかも、シャキシャキ感も残っています。ダイコンとチーズとのりが絶妙に融合した新しいダイコンの食べ方です。せん切りはスライサーを使っても。おやつ代わりに、スープなどを添えてランチにもどうぞ。

材料(2人分)

ダイコン…1/6本(150g)細切り

板のり…1/2枚

ピザ用チーズ…25g

合わせ調味料A(片栗粉大さじ2と1/2、鶏ガラスープの素小さじ1/2、しょうゆ小さじ1/2、おろししょうが小さじ1)

サラダ油

〈作り方〉

1.ボウルにダイコン、ちぎったのり、ピザ用チーズ、Aを入れ、混ぜ合わせる。

2.フライパンにサラダ油を入れて熱し、1を広げ入れ、両面こんがりと焼く。

前編はこちら

海外で料理に出合った元サッカー選手が繰り出す、めっちゃ楽しい野菜料理。「斬新すぎる」レシピが生まれたワケ
実家は八百屋さん。少年時代は「サッカーで海外」へ ――アキオさんの実家は二代続く青果店、SNSでは斬新な野菜料理を見せてくれる「八百...

お話を聞いたのは

アキオさん 八百屋のシェフ

2代続く青果店に生まれる。学生時代は各国にサッカー留学。海外の食文化に感銘を受け、帰国後は食の世界を目指すことに。飲食店で調理場に立った後、惣菜店へと転職。レシピ開発・惣菜調理に従事し、全国のスーパーや惣菜店、飲食店から15,000点以上(2025年の実績)のレシピが出品される「お弁当・お惣菜大賞」で5期連続入賞(うち最優秀賞1回、優秀賞1回)という好成績を達成した。2022年よりInstagramを中心とした各種SNSでレシピを発信したところ、「こんな野菜の使い方知らなかった!」「作ってみたい!」という声が続々!以来、新しい野菜のレシピを提案し続けている。

アキオ KADOKAWA 1,705円(税込)

PART1ではこれまでSNSで発信してきたレシピの中から、最も人気を集めたベストレシピ13を紹介。「あの野菜がこんな味に!?」「これが野菜でできているの!?」という驚きとおいしさに満ちたレシピばかりです。野菜のおかずといえば「食べ応えがない」「おかずにならない」などという印象を持つ人も少なくないかもしれません。

PART2では、ごはんがすすみ、お腹いっぱいになれる野菜のおかずを一挙に紹介。いつもの野菜に濃いうまみが感じられるのは、野菜を知り尽くした著者ならではの作り方だからこそ。野菜のおいしさを引き出す「火入れのテクニック」なども紹介しています。

PART3は著者が最も得意とする、野菜をつかったおつまみレシピのコーナーです。著者自身も大のお酒好き。「体重や健康を気にせず飲める」「でもお酒に合うしっかり味がほしい」というお酒好きの希望を外さない、ベストな野菜のおつまみレシピになっています。

そのほか、野菜を丸ごとつかったドレッシングやたれ、マヨネーズなど調味料コーナーも。

文・構成/三輪泉 料理写真(一部除く)/土居麻紀子

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