処方されたお薬をしっかり飲み切るために!
「家事育児に追われて家の中がゴチャゴチャ!」「本当はスッキリ暮らしたいのに…」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもとの暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。
6歳、4歳、2歳の3児の母である整理収納アドバイザー・水谷妙子が隔週でお届けする「整理収納のコツ」シリーズ。
今回のテーマは、子どものお薬(医療用医薬品)の整理収納です。
風邪やインフルエンザが流行していますね。子どもが体調を崩した時にお医者さんに処方され、薬剤師さんに調剤していただくお薬(医療用医薬品)。
子どもの体調が悪い時は、親も心配になったり、焦ってしまいがち。そんな時、お薬を手際よくサッと飲ませ、少しでも早く症状を改善したいですよね。
実は整理収納作業でお邪魔すると、飲み切ることができなかったお薬が「不用品」として続々と発見されることがあります。「誰の?いつの?何の薬だっけ?」と記憶もあやふや。確認してもよくわからず、結局捨てる…という流れになってしまいます。
今回は、お薬を忘れずに飲み切るための5つの工夫をご紹介いたします。
①まずは、袋から出す!
調剤薬局でお薬を調剤してもらったら、帰宅後すぐに袋から出しましょう。
不透明のビニール袋や紙袋に入ったままだと、どんな種類が、どのぐらいあるのか把握できません。前述の、整理収納作業で出会う「飲み切られなかったお薬」は、ほぼ100%の割合で、ビニール袋や紙袋に入ったまま発見されます。見えるようにしておかないと、存在すら忘れてしまう。心当たりはありませんか?
その上、服薬の度にビニール袋や紙袋から出していると手間がかかりますし、残量も把握しにくくなります。こどもが同時に2~3人受診した場合はもっと大変。お薬の種類と量がそれぞれ違うので、飲み間違いのリスクが生まれます。
これらのトラブルを予防するためにも、まずは袋から出して全容を把握することからはじめましょう。
②粉薬は、あらかじめバラバラにしておく
処方・調剤してもらったお薬が粉薬の場合、製造上の都合で1本に繋がっていることがありますが、こちらはあらかじめミシン目に沿ってバラバラに切り分けておきましょう。
服薬の度にわざわざ切り分けていると手間がかかったり、慌てている時はビリっと破けて中身が出てしまう恐れがあります。
落ち着いている時にまとめて切り分けておくと、その後の服薬がラクになります。
③シロップは、計量しやすい工夫をする
処方・調剤してもらったお薬がシロップの場合、服薬の度に目盛りとにらめっこして計量するのは大変ですよね。わが家の子ども達がお世話になっている調剤薬局では、これを少しでもラクにという配慮から、シロップ1回分の量を油性マジックで強調してくださっています。
元々フタに目盛りがついているボトルですが、このように分かりやすくなっていると一瞬で計量することができます。
様々な種類のボトルがあるので全てにおいて有効ではないかもしれませんが、例えば手持ちの小さなカップやスポイトなどに1回分の線を書いておいたりするだけでも計量しやすくなりますよね。ちょっとした工夫ですが、何度も行うことなのでストレスは最小限にしたいものですね。
④トレーの中に分かりやすく置く
こうしてあらかじめ飲みやすく準備したお薬は、トレーにまとめておきます。
いつでも内容を確認できるように、お薬の説明書も一緒にしておきます。きょうだいで処方・調剤してもらった場合は、飲み間違いを防止するために人別でトレーをわけておくとよいでしょう。
トレーはどんなモノでもよいですが、お薬が混ざってごちゃごちゃになりそうな場合は、仕切りがついているトレーを活用します。
こちらは無印良品の「ポリプロピレン デスク内整理トレー2」です。内側にミゾがあり、好きな場所に仕切りをつけることができます。仕切りのみ追加購入もできます。
お薬の形状や種類に合わせて、なるべく薬が一覧できる工夫をしてみてくださいね!
⑤飲み忘れない場所に置く
最後は、お薬を置く場所です。食事に合わせて飲ませることが多いので、食卓周りの目につきやすい場所を定位置とします。間取りや家具の配置によってそれぞれ異なるとは思いますが、お薬の存在を忘れないように、そして残量の把握ができる場所にしてください。
そして、お薬を飲み切って体調が回復したらトレーは収納し、また次回飲む時に出すようにします。この食卓周りは、書類や日用雑貨が置かれがちなスペース。いつも置くものは、毎日使うものだけ。それ以外にごちゃごちゃ置いてしまうと、いざ使う時に「大切なもの」「忘れずにすること」がわかりにくく、目立たなくなってしまうので注意します。
いかがでしたでしたか?
子どもに限らず、大人のお薬にも共通して言えることですが、全容を把握して、見えるように、そして忘れない仕組みを作る。これでしっかりと飲み切ることができると思います。もちろん、体調を崩さなずに過ごすことが一番ですが、いざお薬を処方・調剤してもらった時は、焦らずにこちらの情報を参考にお薬を収納してみてくださいね!
記事執筆
無印良品で商品企画&デザインを13年間務める。手がけた商品は500点超。調べた他社商品は5,000点超。2018年「ものとかぞく」を起業し、個人宅や店舗などの整理収納サービスやお片づけ講座を行うかたわら、雑誌やWebでも活動中。フォロワー5.1万人を超えるInstagramでは、マネしやすい整理収納アイデアやモノ選び情報を発信中。7歳4歳2歳の3児の母。