【助産師監修】赤ちゃんの絶壁や頭の形が気になる!原因は「向き癖」? 予防や矯正する方法はある?

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赤ちゃんの頭が絶壁にならないよう気をつけているママやパパも多いことでしょう。当記事では、赤ちゃんが絶壁頭(短頭症)や斜頭(斜頭症)になる原因や、頭の形に影響する向き癖についてご紹介します。
また寝返りが始まる前に絶壁頭や斜頭を予防する方法や、ドーナツ枕や矯正枕を使った予防・矯正法、矯正ヘルメットでの治療法、ベビー枕のおすすめもチェックしてみました。

赤ちゃんが絶壁頭(短頭症)・斜頭症になる原因

赤ちゃんの頭が丸い形ではなく、平たくなっていたり変形していたら、驚いてしまう方も多いはず。赤ちゃんが絶壁頭や斜頭になる原因には、次のようなことが考えられます。

妊娠中・出産中

赤ちゃんの頭の形の変形は、ママのお腹の中にいるときに始まっている場合もあります。双子などの多胎児妊娠の場合、狭い子宮の中で長い間過ごしていたことによって、頭の形に影響を与えることも考えられます。

また、赤ちゃんの頭はまだとてもやわらかく、出産時に狭い産道を通り抜けるときの圧力で、頭の形が変わってしまうことも稀にあります。

仰向け寝・向き癖

生まれたばかりの赤ちゃんの頭はまだやわらかく、出産後に絶壁頭や斜頭になることも考えられます。首がまだすわっていない新生児が、布団に仰向けになった状態のまま長時間眠って過ごすこと、赤ちゃん自身の頭の重みで、後頭部が平たくなる絶壁頭になってしまうこともあります。また、左右どちらかに首を向けて寝かせる場合も、いつも同じ方向ばかりを向かせていると「向き癖」がついてしまい、斜頭など頭の変形につながりかねません。

遺伝はある?

持って生まれた頭の形は遺伝するという説もあります。しかし、赤ちゃんの絶壁頭や斜頭の原因として最も多いのは、長期間の仰向け寝や向き癖と考えられており、遺伝ではなく、出産後の後天的なものとされています。

赤ちゃんの絶壁頭(短頭症)や斜頭症、頭の形に影響する向き癖

赤ちゃんの絶壁頭や斜頭の原因として最も多いとされている向き癖。向き癖はなぜついてしまうのでしょうか。

向き癖の原因

赤ちゃんの向き癖は、ママのお腹の中にいるときからあるという説も聞かれます。胎児は、子宮の壁にもたれかかるような姿勢を取りながら成長するため、出生後もその姿勢を保とうとすることが向き癖の一因とされています。

また、出産時に産道を通ってくるときの圧迫によって向き癖がつくとも言われています。狭い産道にいた時間が長いほど、圧迫される時間が長くなるため、首に影響を受ける可能性も高くなります。

しかし、赤ちゃんを寝かし付ける時に、ママやパパが無意識のうちにいつも同じ姿勢を取らせてしまうことが、いちばんわかりやすい向き癖の原因なのかもしれません。

向き癖の弊害

左右のどちらかに向き癖があると、絶壁や斜頭になるなどの頭の変形のほかに、耳だれが多く出やすいといった影響もあります。

いつも下側になっている方の耳は蒸れた状態になっているため、耳垢がベタベタして匂いが出やすくなり、耳から汁が出てくる「耳だれ」が起こる可能性も。さらに、いつも同じ方向ばかり向いていると、向いている側の反対の脚が立て膝姿勢となってしまい、股関節脱臼を誘発することもあり得ます。

赤ちゃんの絶壁頭(短頭症)や斜頭症を予防・矯正するには?

赤ちゃんが絶壁頭や斜頭になっていることに気づいたら、どうやって矯正すればいいのでしょうか。また絶、壁頭や斜頭にならないように予防する方法はあるのでしょうか。

自然に治るの?

小さいうちは頭が多少変形していても、成長とともに治まっていくケースも多くあります。絶壁頭になることを気にし過ぎて、うつぶせ寝にしてしまうと、赤ちゃんの窒息や突然死を引き起こす可能性もあります。

あまりにも気になるようだったら、かかりつけの医師に相談しましょう。

いつからいつまで行えばいい?

赤ちゃんの絶壁頭や斜頭の予防や矯正は、頭の骨が成長していく前の段階で行うことが大切です。生後7~8カ月頃までは、頭の骨がやわらかく、1歳を過ぎると骨がしっかりしてきて、形も定まってくると言われています。そのため、絶壁頭や斜頭の予防や矯正は、生後6か月になる前からはじめて、1歳前後くらいまで様子を見てみるのがいいでしょう。

向き癖を矯正して絶壁頭(短頭症)や斜頭症を予防・矯正する方法

赤ちゃんに向き癖がつかないための予防法や、向き癖がついてしまった赤ちゃんの矯正法をご紹介します。

姿勢を変える

一日のうち長時間を寝て過ごす赤ちゃんですが、いつも同じ向き・同じ姿勢で寝ないように、向きを変えるようにします。また、バウンサーやベビーカーで過ごすときも、同じ姿勢で頭に圧力がかからないように、時には抱っこやおんぶなどをして、姿勢を変えるようにします。抱っこするときも、赤ちゃんを抱く腕を変えて、赤ちゃんの顔が同じ方向を向かないようにすることもおすすめです。

ドーナツ枕を使う

赤ちゃんの姿勢を変えることも必要ですが、ママやパパが一日中赤ちゃんを見てあげるのも難しいですね。そんなときに便利なのが、頭を乗せる部分がへこんだ、ドーナツ型のベビー枕です。これによって、赤ちゃんの後頭部にかかる圧力が軽減し、絶壁頭などの予防になります。ただし、新生児や寝返りが自由にできない赤ちゃんに枕を使用するのは危険です。医師に相談してから使用しましょう。

声や音で赤ちゃんの向きを変える

もし左右のどちらかに向き癖がついてしまっていたら、向き癖とは反対の方向から赤ちゃんに声をかけたり、音を鳴らしたりして注意を向かせて、向き癖を改善できるようにしてみましょう。向き癖とは逆の方向に、大好きなママが見えたり楽しい音が鳴ったりする環境を作れば、赤ちゃんも次第にそちらの方向にも頭を向かせるようになるでしょう。

寝返り前に絶壁頭(短頭症)や斜頭症を予防・矯正する方法

寝返りができるようになった赤ちゃんは、仰向けで寝たり、横向きになったり、さまざまな体勢で過ごすようになるので、長時間同じ姿勢でいることは少なくなります。だからこそ、絶壁頭や斜頭の予防や矯正は、寝返りができない期間に行うことが大切になります。

タオルを使って向き癖を修正

向き癖がついてしまったら、タオルを棒状に丸めて、向き癖がついてしまった方の背中に頭から腰までを支えるように挟み、赤ちゃんの体勢を逆に向けるようにしてみましょう。これで自然と、向き癖ではない方を向かせることができます。

また、うつ伏せになっていないか、呼吸を妨げていないかどうかを、必ずこまめに観察しましょう。

授乳や添い寝は左右それぞれで

赤ちゃんの授乳や添い寝をするときも、ママの居心地がいい決まった方向でしか行っていないと、それによって向き癖をつけてしまうことになります。授乳も添い寝も、左右交互に行うようにして、赤ちゃんが一定の方だけを向かないように気を付けましょう。

ベビーマッサージを行う

向き癖は、向きづらい方向があるから、向きやすい同じ方ばかりを向いてしまっている可能性もあります。

親子でのベビーマッサージは、赤ちゃんの緊張を解いて体をリラックスさせることができるので、ある方向が向きづらい、といった感覚が軽減する可能性があります。よって、体の左右どちらかの向き癖なども解消できるかもしません。

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ドーナツ枕・矯正枕で絶壁頭(短頭症)や斜頭症を予防・矯正する方法

絶壁頭や斜頭を予防・矯正する一般的な方法が、ドーナツ型のベビー枕や矯正枕を利用する方法です。新生児向けの枕はそれらの機能がついたものも多く、赤ちゃんを寝かせてあげるだけで、自然と予防と矯正ができます。

使用するときには、ドーナツ型のベビー枕や矯正枕の必要があるのかを、医師に確認しましょう。使用するときは、赤ちゃんの様子をこまめに観察するようにしてください。

ヘルメットで絶壁頭(短頭症)や斜頭症を治療する方法

絶壁などの頭の変形の治療法に、ヘルメットを使った方法もあります。赤ちゃんの頭の変形には、頭の骨が早くつながってしまう「頭蓋縫合早期癒合症」など、治療が必要な病気が隠れていることもあります。また現在では、単なる向きグセによる変形か、治療が必要な変形かを診断して、必要な治療やアドバイスをしてくれる「頭の形外来」も増えてきています。

重度の変形と診断された場合は、医療機関でヘルメットが作られ、数カ月間装着を継続して頭の形を治療します。ヘルメットで頭蓋骨を押さえつけて矯正するのではなく、適切な場所に頭蓋骨が形成されるように、ヘルメットで誘導するようです。ヘルメットはオーダーメイドで作られ、保険外治療となるため、費用が高額となります。あまりにも赤ちゃんの頭の形が気になるようでしたら、かかりつけの医師に相談し、専門医師を紹介してもらうといいでしょう。

記事監修

河井恵美|助産師・看護師

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。

編集部が選んだ、ベビー枕のおすすめ

絶壁頭や斜頭になる前に、できれば予防しておきたいと思うもの。そこで、機能性の高いベビー枕を編集部が厳選しました。おすすめのベビー枕をご紹介します。

「絶壁防止ドーナツ枕」(Adokoo)

低反発の高品質メモリーフォーム素材のため、体圧を吸収、分散。赤ちゃんの頭にやさしくフィットするため、頭の形状を矯正します。綿100%のカバーは、取り外しも簡単にできるため、洗濯していつでもきれいに保てます。


「ベビー枕」

柔らかい肌触り、ちょうどいい高さで赤ちゃんの頭をしっかり支えます。角度調整用のクッション付きで、向き癖に対応できます。取り外して洗えるカバーだから、汗をかいたり吐き戻したりしてもすぐ洗ってあげられます。


「クラウンピロー」

中央のくぼみで、赤ちゃんのやわらかい頭を変形や寝ハゲから守ります。思わず写真に撮りたくなる、かわいらしい王冠のデザインです。


小さな工夫で絶壁頭予防を

絶壁頭や斜頭は自然に治まっていくケースも多いので、ママやパパが過度に心配しすぎる必要はないでしょう。毎日の睡眠や授乳時などの小さな工夫で、向き癖がつかないように予防できることもできますから、少しずつはじめてみてはいかがでしょうか。もちろん、どうしても気になるようでしたら、かかりつけの医師に相談してみてくださいね。

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