新生児が笑っているのはなぜ?
赤ちゃんはいつから笑うようになるのでしょう。生まれて間もない赤ちゃんも笑うことはあるのでしょうか。赤ちゃんの笑いについてみていきましょう。
新生児微笑(生理的微笑)とは?
生後間もなくして睡眠中(特にレム睡眠中)に口角があがり笑っているように見えることを、「新生児微笑」または「生理的微笑」といわれています。このような微笑は生理的なほほ笑みとされていおり、赤ちゃんがママの胎内にいるころから始まっていると推測されているそうです。
乳幼児の微笑について研究する専門家らの意見はさまざまであり、個人差もありますが、だいたい生後2~3か月を過ぎたころから新生児微笑は減少していくという研究報告があります。
社会的微笑とは?
一方、外部から何らかの刺激によって生じる笑いを「外発的・社会的微笑」とよびます。視覚刺激による微笑は生後1~2か月ではじまるとされ、生後3か月を過ぎたころから人の顔や顔のようなものに対して微笑するようになります。
そして次第に赤ちゃんが微笑む相手に対し、微笑み返すということもするように。このような段階的な発達過程を経たのちに、ママやパパなど特定の人の顔を見て笑うようになるといわれています。
参考:
自発的微笑から外発的・社会的微笑への発達 : 微笑の内的制御から外的制御への転換をめぐって(1994-03). 東京学芸大学紀要/高橋道子
乳児の自発的微笑と外発的・社会的微笑の質的な違い: 生後1年間における1事例の縦断的観察を通して(2018-7)笑い学研究25/池田正人
新生児微笑の特徴
かわいい赤ちゃんの微笑みに思わずうっとり! 新生児微笑の特徴について詳しくみていきましょう。
言葉が通じないのになぜ? 赤ちゃんが笑っている理由とは
先述のとおり、赤ちゃんは新生児のとき反射的に口角があがりほほ笑んでいるように見えることがあり、感情とは関係なく笑うこともあるようです。
赤ちゃんが人の目を見つめてほほ笑むのは生後1カ月半ころからともいわれており、その頃の赤ちゃんにとって、笑うことはコミュニケーションの一部でもあります。泣いたり、笑ったり、声を出したりすることで、赤ちゃんはママやパパと意思疎通をはかっているようですね。
新生児が声を出して笑うこともある?
赤ちゃんが声を出して笑うことができるようになるには、新生児時期にまだ未熟であった喉の発達にも関係しているようです。ある研究によると、「生後8週間以降、微笑時に声を出したり、笑い声を伴うことが増えた」と報告されています(池田, 2018)。
赤ちゃんが外からの刺激で笑う社会的微笑が増えるのは生後2ヶ月ごろから。同時期ごろから声を出して笑うことも徐々に増え、生後5,6ヶ月ぐらいを過ぎると、ゲラゲラと声をあげて笑う事が増えるようにもなるともいわれています。
赤ちゃんによっては、生後2ヶ月未満の時でも寝ているときにまるで笑っているかのようなひき笑いをすることもあるよう。乳児期の心身の発達は著しく、日に日に成長する赤ちゃん姿をみるのが楽しみですね。
新生児微笑が多い子と少ない子に違いはある?
新生児の時期に、あまり笑わないことで病気や発達障害なのではと心配するママパパも少なくないようです。
発達のスピードはそれぞれの赤ちゃんで異なり、外発的・社会的微笑と呼ばれる赤ちゃんの笑いに関しても時期に個人差がみられます。あまり笑わないということはめずらしいことではないようですが、心配な時は定期健診の時などに、かかりつけの小児科の医師に相談してみるのもいいでしょう。
新生児の笑いについてママパパの体験談
今回、0~1歳のお子さんをもつ120人のママパパを対象に赤ちゃんの笑いについてアンケートを実施しました。
Q.赤ちゃんは新生児期に良く笑っていましたか?
今回のアンケート結果によると、68.3%(82人)のママパパが「新生児の頃、赤ちゃんが笑っていた」と回答し、13.3%(16人)のママパパが「笑わなかった」と回答しました。では、それぞれの体験談もご紹介します。
笑った
「新生児期は、突然笑っていた。寝ている時、おっぱい を飲み終わったとき」(30代・愛知県・子ども1人)
笑わなかった
「新生児のときはまだ笑わなかった。」(20代・兵庫県・子ども1人)
笑いのツボはある? 赤ちゃんを笑わせる方法
赤ちゃんを笑わせる効果的な方法も教えてもらいました。ママパパたちが実際に試した方法を参考にいろいろ試してみてください!
くすぐる、スキンシップをする
くすぐって赤ちゃんを笑わせる方法がアンケートで一番多い回答でした。
一般的に、生後約半年を過ぎたころから赤ちゃんもくすぐったいと感じるようになるといわれており、親子でくすぐり遊びをながらスキンシップもはかれるのでおすすめです。声を出してゲラゲラ笑う赤ちゃんもいるようですね。
「1番はくすぐる。あとは歌を歌いながら足を動かす体操をするとゲラゲラ笑っていた。足くしゃーいといって足の匂いを嗅いであげるのもすごく笑っていた」(30代・埼玉県・子ども2人)
いないいないばあ
世界中の赤ちゃんが喜んで遊ぶ「いないないばあ」。赤ちゃんの脳を育む効果もあるともいわれ、いないないばあ遊びをテーマにしている絵本なども多くの赤ちゃんに人気です。
リズミカルに話しかけてあげながらのいないないばあは、大好きなママやパパの声と顔を見て聞いて、赤ちゃんも自然と笑顔になりそうですね。
「あやす場合は縦抱きにしてお部屋をお散歩します。1番落ち着きます。 笑わせる時は、いないいないばーは、ばーの前で溜めて溜めて、ばー!でケラケラ笑います。 トントン、タンタンタンのように、リズミカルな声を出しながら笑いかけてあげるとケラケラ喜びます。」(30代・北海道・子ども5人)
赤ちゃんの胸やおなかに顔をうずめる
おむつを替えるときやお着替えをするときに、赤ちゃんのお腹にやさしく口でブルブルっとしてあげると、赤ちゃんはくすぐったいのかとても楽しそうです。1歳や2歳になっても「もう一回~!」とスキンシップをはかりながら繰り返し遊べます。
「赤ちゃんの胸に顔をうずめて顎で優しくグリグリはかなり笑ってくれました。」(20代・熊本県・子ども2人)
ママパパが笑いかける
ママやパパが笑っていると、赤ちゃんも真似っこをして、自然に笑ってくれることもあるようです。
「ニコニコしながら身体を触ってあげる。」(20代・愛知県・子ども1人)
赤ちゃんが興味を示す音であやす
赤ちゃんはいろいろな音に興味を示します。赤ちゃんのツボにはまる音を探してみるのも楽しそうですね。
「ぱっと唇で面白い音を出したりしてました」(30代・東京都・子ども1人)
発達過程を通して増える赤ちゃんの笑い
生まれて間もない赤ちゃんのほほ笑みは生理的現象であり、聴覚や視覚への刺激によって生じる笑いは生後数カ月で現れてくるケースが多いようです。
しかしアンケート結果からもわかるように、新生児のころあまり笑わなかった赤ちゃんもいるようです。発達には個人差があり、よく笑う、笑わないもそれぞれの赤ちゃんで異なります。ママパパの体験談を参考にして、赤ちゃんの様子をゆったりと見守りましょう。
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文・構成/HugKum編集部