突然の学校休校から1週間。毎朝ライブ授業を届ける探究学舎の舞台裏に密着!

2月27日の公立小中学校、高校の一斉休校の要請により、全国の学校がほぼ休校することとなった3月2日から、1週間が経ちました。

その間学校にいけなくなった子どもたちのために、企業からコンテンツを無料提供するといった動きも多くみられ、オンライン上の学びの場はこの1週間でとても充実したものになっています。

いま利用したいオンライン教材の無料提供アプリ&サイトまとめ|4教科、英語、プログラミング、調べ学習まで!【#休校中のおすすめの過ごし方】
一斉休校で家庭などで過ごす時間が増えた子どもたち。そんな子どもたちの学習をサポートする教材を、3月中に無料提供するサービスがたくさんあります...

中でも今回は既存のコンテンツではなく、毎日新たに編集し直した授業をライブで届けるという、子どもたちへの大きな贈り物を届けてくださるこちらの企業をご紹介します。

「探究学舎」が子どもたちに毎朝届ける、驚きと感動の種を撒く授業

驚きと感動の種を撒く授業で知られる「探究学舎」(東京・三鷹/株式会社ワイズポケット)では、今回の休校期間中に当たる32日から20日までの間、既存のコンテンツではなく、ライブ用に新たに編集した授業を、毎朝講師がカメラの前に立ち生配信するというすごい内容。

さっそく初日の月曜日に視聴すると、塾長である宝槻泰伸氏(やっちゃん)が、今家に一人でいて不安を感じているだろう子どもたちに向けて温かい語り掛けをするところから授業が始まりました。

 

探究学舎Youtube

その日「偉人編」で紹介されたスティーブ・ジョブズは、塾長やっちゃんが尊敬する偉人の一人です。ジョブズの人生を通して、子どもたちに探究することの楽しさや大切さを伝えるため、ライブ授業第1回目に選んだとのことでした。授業終盤のジョブズからのメッセージは、子どもだけでなく大人も聞いていて涙してしまいそうな感動の内容でした。

ライブ授業は、初日のスティーブ・ジョブズから始まり、吉田松陰、チャップリン、南極探検家ロアール・アムンセン&ロバート・スコットといった偉人の紹介でしたが、取材に伺ったライブ授業5日目は、探究学舎を代表する人気の授業である「宇宙編」「生命進化編」「算数発明編」の3本から、子どもたちが熱狂する部分を抜粋したダイジェスト版でした。

宇宙編

一つの銀河には数千憶の星があり、その銀河は宇宙に数千億存在すると言われている

探究学舎の代名詞である「宇宙編」。宇宙の成り立ち、生まれては消えていくたくさんの星々の存在、そして地球に暮らす私たちとの関係。宇宙の大きさと時間を掛け合わせたとんでもなく壮大なロマンを子どもたちに伝える授業でした。

生命進化編

ゾウの祖先をさかのぼったイラスト。どんどんゾウでなくなる姿に衝撃が走ります!

古代生物から始まり、いろいろな動物が進化により体のさまざまな機能を手に入れ、私たち人間は今のような姿になることができました。その5億年と言われる長い時間があったからこそ、人間には今日の繁栄があるのです。といった言葉の裏側には、すべての生き物への感謝が伝わってきます。

算数発明編

シュメール人(メソポタミア)が考えた数字がこちら。いくつを表しているのでしょうか?

人類最大の発明品とは?の問いに、塾長やっちゃんが「数字を発明したこと」と答えるところから始まった算数発明編。算数といっても難しい計算問題はなく、世界の数字の歴史を追いながらたくさんのクイズに答え、私たち人類が今のような生活を手に入れられたのは、数字との出合いがあったからこそなのだと教えてくれました。

 

全会一致で決まった探究学舎のライブ授業

今回ライブ授業を始めるにあたり、探究学舎としての思いはどのようなものだったのか、代表の宝槻さんにお話を伺いました。

ライブ授業はたくさんのスタッフの手から、毎朝子どもたちに届けられています

——-ライブ授業は何をきっかけに始められましたか?

宝槻:首相の休校要請があった翌日、社員や集まれるスタッフで緊急会議をしました。この事態に際し、探究学舎としてできる社会貢献は何かと問うと、皆が今回のライブ授業に手を挙げました。ほぼ全会一致でしたね。皆「それしかない」「やるべきだ」とすでに同じ思いを持ってこの場に来てくれていました。

1週間ライブ授業をやってみて、子どもたちや保護者の方々からたくさん感謝の言葉をいただきました。スタッフは毎日本当に大変な思いで授業を作り出しているので、その声がとても励みになっています。ライブ授業を決断した日に思い描いたワクワクするイメージを、今実現できていると皆で感じています。

 

——-子どもたちへ大きな贈り物をしてくださった探究学舎ですが、この経験を経て、今後に期待することはどんなことでしょうか?

宝槻:今回のライブ授業は言わば「デジタル×探究」の学びです。「デジタル」や「探究」自体が今まだ新しい学びだと言われる中、それさえも飛び越えた、さらに一歩先の学びであると思っています。でも今回のことがあり学びの環境はスピードを上げて変わり始めました。そんな新たな探究学習の未来に、僕はとても期待しています。

とは言っても、塾経営において3月は、4月以降の入会を増やすための大切な時期にあり、さらに4月から探究学舎は新校舎に移転します。この状況が収束しなければ、今後の塾経営が厳しいものになるのは確かなので、このタイミングはチャンスもありますが、ピンチでもあるんです。だから今回のライブ授業も、現行のオンライン授業のように有料版でとも考えました。でもここで目先の利益を追うのは違うと思い至りました。こんな時だからこそ、やるなら全部無料でやるしかない、リスクもあるけれど強い気持ちを持とうと決断したのです。

そのような思いもあって、初日の探究は僕の憧れの人物「スティーブ・ジョブズ」の授業にしました。今回、僕はジョブズに「経営者としてどういう選択する?」と問われているような気がしています。そこでジョブズも言っていた「ダサい選択をしてはいけない」という言葉に心を動かされ、毎朝新しいライブ授業を無料で子どもたちに届けるという答え出しました。僕自身も、偉人の言葉に大きな力を借りて、大いなる未来に向けた挑戦をしている気持ちです。

 

ありがとうございました!

ライブ授業では毎回さまざまな「#マイ探究」のお題を出し、さらに9日からはライブ授業後に「おかわりラジオ」の生配信も始まりました。子どもたちの休校期間を豊かなものにするため、興味のあることをとことん探究して、有意義な時間を過ごそうと探究学舎は呼びかけてくれています。

探究学舎のライブ授業は3月20日まで。まだの方は是非一度視聴してみてはいかがでしょうか。

記事監修

宝槻泰伸|探究学舎・塾長

強烈な父親の教育から、高校中退~大検取得~京都大学進学という特異な経歴を持つ。その後、2人の弟も同じ勉強法を駆使して高校中退~大検取得~京大入学を果たす。大学卒業後、私立高校や職業訓練校での指導経験を経て、2012年に東京都三鷹市で「子どもの好奇心に火をつける」学習をテーマにした探究学舎を開校。5児の父。その活動は「情熱大陸」(毎日放送)をはじめさまざまなメディアで取り上げられている。

文・構成/HugKum編集部

 

編集部おすすめ

関連記事