「筑波宇宙センター」は、茨城県つくば市にある日本の宇宙開発を支える施設です。筑波宇宙センターの活動内容や開館時間などの基本情報から、ロケット広場やスペースドームなど、見学可能な施設やおすすめのスポットまで併せて紹介します。
*コロナ感染拡大予防の観点から、しばらく休館をしていましたが、6/8日から完全予約制で見学が再開となりました。
筑波宇宙センターとは
筑波宇宙センターは、茨城県の筑波研究学園都市内にある宇宙研究施設です。1972年の設立以降、日本の宇宙開発事業をリードし続けています。
宇宙開発の中枢施設として活動
筑波宇宙センターは、日本の宇宙開発事業において重要な役割を果たしています。運営機関は日本の宇宙開発を担う国立機関「JAXA(ジャクサ)」です。筑波宇宙センターを含めて日本国内に20の事業所があり、それぞれが宇宙開発事業に携わっています。
研究開発以外に展示室や図書室があり、一般に開放されていることも特徴です。無料で見学可能な施設として、子どもや宇宙に興味のある人にとって身近な存在となっています。
主な活動内容
筑波宇宙センターは、日本でも最先端の宇宙開発事業に関わっています。既存の人工衛星や宇宙活動に関する事業だけでなく、新技術の研究開発も重要な仕事です。
人工衛星の開発・運用
人工衛星の振動実験や、電波試験は筑波宇宙センターの大切な業務です。また、すでに打ち上げられた人工衛星の運用にも携わっています。
地球の状態を観測する人工衛星の開発は、日本にとっても重要な課題です。筑波宇宙センター内の研究施設では、人工衛星が宇宙空間に耐えられるか、環境への耐久度を測る作業などを行っています。
世界で起こった自然災害を観測する「だいち2号」や地球環境を把握するための「しずく」などの人工衛星も、筑波宇宙センターが関わる人工衛星です。観測を続ける人工衛星が正常に動作するよう、常に運用を行っています。
有人宇宙活動や宇宙環境の利用
宇宙ステーションは、宇宙で人が活動する上で重要な役割を果たす施設です。筑波宇宙センターでは、15の国が協力して作り上げた国際宇宙ステーション「きぼう」の運用管理もしています。
きぼうに食料などを補給する補給機「こうのとり」の運用も、筑波宇宙センターが関わる大きなミッションです。国際宇宙ステーションには日本が利用する設備もあり、実際に宇宙環境での実験も行われています。
船内実験室と船外実験スペースを併せ持つきぼうでは、宇宙の観測だけでなく医学実験や生命科学に関する実験も行われ、新しい発見をもたらしているのです。
新技術の研究・開発
未来に向けての活動としては、大きく4分野の研究がされています。電気系技術・機械系技術・ソフト系技術・輸送系技術です。そのほかに、太陽光発電システムの実用化など身近な新技術に関する研究も行われています。
試験や実験も施設内で行うことが可能で、これはロケットの機能性をチェックするには欠かせない作業です。さまざまな実験結果のデータを集め、新しい試験方法を見つけるためのサポートとしても役立っています。

筑波宇宙センターの見どころ
筑波宇宙センターには、無料で見学可能な施設や設備がいくつかあります。広場や展示館、売店などを利用して、見学を楽しみましょう。宇宙センターをもっと詳しく知りたい場合は、見学ツアーも利用可能です。
大迫力!全長約50m H-IIロケット
正門から筑波宇宙センターに入ると、ロケット広場が見えてきます。展示されている「H-II(エイチツー)ロケット」は、全長約50mの大型ロケットです。
レプリカではなく、実機が展示されています。中央部の大きな液体ロケットと、隣に沿うように取り付けられたロケットブースターを観察できるでしょう。
また、ロケットの前で記念撮影もできます。晴れた日には、屋外で楽しめるロケット広場で宇宙に思いを馳せてみましょう。
自由に見学できるスペースドーム
正門左手にある展示施設「スペースドーム」は、自由に見学が可能で、宇宙開発の基本を学べます。その入口で来場者を出迎えてくれるのは、100万分の1スケールの地球を模した「ドリームポート」です。
館内では、筑波宇宙センターが関わっている人工衛星やロケットのモデル・実機などを見ながら、実際の宇宙空間をイメージできるでしょう。
記念撮影におすすめの船外活動用宇宙服のレプリカなどもあり、宇宙飛行士に憧れる子どもが楽しめる設備も豊富です。
お土産を買うならミュージアムショップ
筑波宇宙センターには、見学者のためのお土産売り場もあります。スペースドームに隣接した「プラネットキューブ」へ行ってみましょう。
ミュージアムショップでは、宇宙食やステーショナリーなど宇宙関係のグッズが手に入ります。宇宙センター以外ではなかなか手に入らないアイテムばかりです。
そのほか、時期によって変わる企画展示もあるので、何度訪れても飽きることがないでしょう。軽食販売のコーナーもあるため、心行くまで宇宙の展示を堪能しましょう。
事前予約制のガイド付き見学ツアー
事前予約をすれば、ガイド付きツアーに参加できます。普段は見ることができない施設内の一部を、バスに乗りながら案内してもらえます。
国際宇宙ステーションの管制室や宇宙飛行士の訓練施設などを見学できるため、学ぶことが多いツアーです。約1時間10分のツアーで、宇宙に関する新たな知識が得られるでしょう。
料金は、高校生までは無料ですが、高校生を除く18歳以上は500円です。
注意点としては、中学生以上のツアー参加者は、写真付きの身分証明書が必要になります。そのほか、写真撮影NGなスポットなどもあるので、ガイドさんの指示に従うようにしましょう。
6月8日から、完全予約制で見学が再開されました!
新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、2020年2月28日(金)より休館していましたが、6月8日(月)より見学を再開しています(一部展示の中止もあり)。30分ごとの入れ替え完全予約制となっていますので、注意事項を確認してホームページからお申し込みください
開館時間とアクセス方法
筑波宇宙センターに訪れる前に、開館時間やアクセス方法を確認しておきましょう。事前予約の必要性や、開館時間の変更もチェックしておくとトラブルがありません。
開館時間
筑波宇宙センターの見学設備であるスペースドームの開館時間は9:30~17:00、お土産が買えるプラネットキューブの開館時間は10:00~17:00です。見学のための予約や受付は必要ありませんが、20名以上の団体で訪れる場合は事前連絡が必要になります。
休館日は、年末年始のほかは不定休です。訪れる場合は、事前にホームページなどの開館カレンダーで休館日を調べておくとよいでしょう。
なお、2020年6月現在、新型コロナウイルス感染症の予防対策として、通常時とは開館時間や利用方法が変わっています。現在は完全入替制で、屋外のロケット広場への入場を含めて事前予約が必須となっています。
アクセス方法
筑波宇宙センターには、電車やバスでアクセスできます。JR常磐線「荒川沖駅」で下車しましょう。駅からは関鉄バスで「筑波大学中央」または「つくばセンター」行きのバスに乗ります。「物質材料研究機構」停留所で下車すると、徒歩1分で筑波宇宙センターです。
東京駅「八重洲南口」からは高速バスが出ています。「筑波大学」または「つくばセンター」行きのバスに乗り、「並木一丁目」で下車すれば、徒歩1分で筑波宇宙センターに到着します。
また、無料の駐車場もあるので、車でのアクセスも可能です。常磐自動車道「桜土浦I.C.」からの場合、つくば方面へ向かいます。国道6号線の学園東大通り入口から筑波山方面へ向かうルートもあります。「千現2丁目」の信号を左折すると筑波宇宙センターです。
大人も子どもも筑波宇宙センターへGO
宇宙を学べる筑波宇宙センターには、一般の来場者も見学可能な施設がそろっています。普段はなかなか目にすることができない、宇宙開発事業の裏側を覗きに行ってみましょう。
迫力のあるロケットや豊富な展示品が並ぶ展示館など、大人も子どもも楽しめる施設です。利用料が無料でありながら、充実した1日を過ごせるでしょう。

構成・文/HugKum編集部