ポチ袋にお札を入れるときのマナー
子どもにとって大きな楽しみである「お年玉」や、結婚式の参列者に渡す「お車代」など、人に対してお金を渡すとき、一般的にポチ袋が使われます。
祝いごとや相手への感謝を表す際に使用するものですから、失礼のないようにきちんとマナーを押さえておきましょう。
新券を用意する
ポチ袋に入れるお金は、お祝いごとにふさわしいピンと張った「新券」を用意するのがマナーです。汚れやシワの付いたお札は、相手にとって失礼であると同時に、縁起が悪いため嫌がられます。
新券は、銀行で交換が可能です。店舗によっては、両替機で新券への交換を行っているところもあります。お年玉などで新券が必要となる年末年始は、銀行が混み合っていることが多く、日によっては営業していない日もあります。いざというときに慌てないよう、新券は早めに準備しておきましょう。
四つ折りはNG
お札の折り方は、ポチ袋に入るサイズであればなんでもよいというわけではありません。四つ折りは「死」を連想させ、縁起が悪いためポチ袋に入れるお札にはふさわしくないのです。
さらに、四つ折りにすることでお札の厚みが増し、ポチ袋の形がいびつになったり、多く入っているように錯覚されたりしてしまいます。渡される相手の気持ちも考え、三つ折りで入れるようにしましょう。
1万円以上なら祝儀袋に入れる
一般的にポチ袋は、相手に渡す金額が少額である場合に用いられます。そのため、中に入れる金額が「1万円以上」になる場合は「祝儀袋」に入れるのがスマートです。お札を折る必要もないため、よりきれいな状態のお札を渡せます。
1~3万円の場合は、祝儀袋に水引の印刷が入ったものを、5万円以上の高額になる場合は、結び切りの水引が付いたご祝儀袋を使用しましょう。
鳩居堂の一般御祝用金封 新札型封筒水引(Q603)
ぴったり三つ折りにする方法
せっかくきれいな新券を準備したなら、美しく折り目を付けた状態でポチ袋に入れたいものです。適当に三つ折りして失敗しては、せっかくの新券が台無しになってしまいます。ここで、正しい三つ折りの方法を押さえておきましょう。
千円・五千円・一万円それぞれの三つ折りの仕方を紹介します。折ったお札は、右側がかぶさった状態を表としてポチ袋に入れましょう。
「千円札」輪郭に合わせる
千円札を三つ折りにする場合、まずはお札の肖像画が表になるように置きます。次に、お札の左端を持ち上げ、野口英世の左側の顔の輪郭に触れるように折りましょう。最後に、お札の右端を左の山折り部分に重ねれば完成です。
「五千円札」名前に合わせる
五千円札を三つ折りにする場合も、お札の肖像画が表になるように置きます。次に、お札の左端を樋口一葉の名前の「一」の左端に触れるように折り曲げましょう。最後は千円札と同じように、お札の右端を左の山折り部分に重ねて完成です。
「一万円札」模様に合わせる
一般的に一万円札は祝儀袋に入れますが、どうしてもポチ袋に入れる必要がある場合には三つ折りにして入れましょう。
お札の肖像画が表になるように置いたら、右端をお札の左下にあるひし形模様の真ん中に合わせて折り曲げます。お札に印刷された赤い印影のすぐ下にあるためよく見てみましょう。
右側を山折りしたら、左端を右側の山折り部分にそろえて折れば、必要な折り目が出来上がります。あとは、一度お札を開き、左・右の順に折り直せば完成です。
こんなときはどうする?
ポチ袋にお金を入れるときには、さまざまなパターンがあります。「三千円渡したい」など、お札1枚で収まらない金額や、お札だけではなく「硬貨を入れて渡したい」ケースもあるでしょう。
いざというときに困らないように、この場合のマナーも併せてマスターしておきましょう。
札が複数枚ある
複数のお札をポチ袋に入れる場合は、1枚1枚三つ折りにしてバラバラに入れるのではなく、「重ねて折ってポチ袋に入れる」のがマナーです。
このとき、複数枚を一度に三つ折りしてしまうと、折り目がゆるくなってしまいます。1枚1枚丁寧に折り上げた後、全部を重ねて折り込みましょう。また、お札の上下や裏表をそろえることにも気を付けましょう。
硬貨と一緒に渡したい
お札と硬貨を一緒にポチ袋に入れる場合は、お札は三つ折りにし、硬貨は表向きにそろえて入れます。硬貨の表面は、数字が入っている方ではなく、絵や漢数字が描かれている方です。間違えないように注意しましょう。
硬貨の向きがそろえられていると、出したときの見た目が美しくなります。渡す前にはポチ袋を平たく整え、きちんと口を閉じることで、中で硬貨の向きが変わらないようにしておきましょう。
きれいに折ったお札を入れて渡そう
お金をポチ袋に入れて渡すことは、特別感や感謝・お祝いの気持ちを込める意味があります。相手への礼儀として、お札はきれいに折り、そろえてポチ袋に入れて渡しましょう。
取り出したときに相手に喜ばれると同時に、マナーがあると感心されます。お札の正しい折り方をマスターし、ポチ袋に入れるときには実践してみましょう。
文・構成/HugKum編集部