5人家族ともなると食費の負担が気になるものです。自分の家庭の出費がほかの家庭と比べて多いのではと心配する人もいるのではないでしょうか。5人家族の「一般的な食費」と「食費における予算の決め方」「上手な節約のコツ」を紹介します。
5人家族の食費の平均月額は?
家族が多いと、どうしても気がかりなのはひと月の食費です。家族にはおいしいものをおなかいっぱい食べさせたいと思う一方で、食費を抑えて家計にゆとりを持たせたいですよね。
そもそも自分の家庭の食費は、平均と比較するとどのくらいなのか知りたいという人も多いでしょう。ここでは5人家族の食費の平均月額を紹介します。
お酒代と外食費を除いて7万円前後
政府が2019年に実施した調査によると、5人家族における1カ月の平均食費は約9万円です。ここからひと月のお酒代約3,000円、外食費2万円弱を引いて純粋な食費を計算すると、7万円前後となります。
もちろん家庭によって購入する食材の傾向や、居住地域の物価で左右されることも考えられますが、一つの目安として知っておくとよいでしょう。
出典:家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2019年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
食費の予算を決めるポイント
予算を決める際には、目標を決めずにやみくもに食費を抑えることはやめましょう。家庭によって収入や支出先は異なるため、あらかじめ自分の家庭に見合った食費を見極めることがポイントです。
食費の予算を決めるために役立つエンゲル係数を紹介します。迷いがちな外食費の扱いについてもチェックしておきましょう。
エンゲル係数から算出する
自分の家庭の食費が「どのくらいであれば妥当なのか」について知りたいのであれば、参考になる考え方は「エンゲル係数」です。
その月に支出した金額のうち、どのくらいを食費に使っているかが数値化されるため分かりやすいでしょう。計算式は以下のように表せます。
- エンゲル係数(%)=(食料費÷消費支出)×100
エンゲル係数が大きくなればなるほど、収入に比べて食費にお金を使いすぎているということになります。平成以降のエンゲル係数の平均は23%前後であるため、自分の家庭が平均を大きく上回っているようであれば注意してみるとよいでしょう。
外食費とは分けて考える
外食も食事には変わりないという考え方もありますが、外食費と食費は分けて考えた方が無難でしょう。外食は人付き合いなども絡むため、避けることができないケースも多々あります。
さらに外食は娯楽としての一面もあるため、無理をして削るとストレスがたまったり、家族関係がギスギスする原因になったりするのです。
食費の管理は節約への第一歩
家計にゆとりを持たせたいと思うのであれば、食費の管理を丁寧に行うとよいでしょう。なんとなく出費を抑えるだけでは、思うように無駄遣いを減らすことはできません。
節約のコツは、「あらかじめ食費の使い方に決まりを作っておくこと」です。食費を管理する上で抑えておくと役立つポイントについて解説します。
家計簿をつけて収支を把握
毎月「何に」「どのくらい」のお金を使っているのかが分かれば、節約すべき部分が自然と見えてくるものです。家計簿で月々の記録をきちんとつけ、収支が一目で分かるようにしましょう。
家計簿で記録に残しておくことは、翌月以降の反省になると同時に、自分の努力が可視化できるためモチベーションアップにもつながります。節約を習慣化するためにもおすすめです。
買い物の回数と1回の予算を決める
買い物に行く「回数」と、1回の買い物で使える「予算」を事前に決めていくとよいでしょう。買い物に行く回数が増えるとどうしても誘惑が多くなり、ついつい気になるものを購入してしまいます。
さらに予算を決めていなければ、買い物をセーブできません。
例えば、ひと月の食費を5万円以内に収めたいと考えている場合、1週間に出せる食費は約1万円です。さらに、1週間のうち買い物に行く日を2回と決めたら、1回の買い物の予算は5000円前後とすることで、買い物がより計画的になります。
食費専用の財布を用意する
食費の予算を確実に守りたい人は、「食費専用の財布」を用意することをおすすめします。
買い物に行き、衝動買いしたくなったとしても、余分なお金がなければ購入できませんから、無駄遣いを強制的にセーブすることが可能です。
さらに、食費を別に確保しておけるため、娯楽や交際費などの不足分を食費から補填するということもありません。
節約上手になる買い物テクニック
節約を意識するなら、食費における不要な出費を抑えることが大切です。買い物に出かける前に、購入すべきものを決めておいたり、お得に購入できるタイミングをリサーチしておいたりするとよいでしょう。
節約上手を目指す人に役立つ買い物テクニックを紹介します。
買う物をリストにする
あらかじめ買いたいものをリストアップしておくことは、節約上手になる方法として効果的です。予定している物だけを買うように心がければ、無駄遣いを大幅に減らせるでしょう。
さらに、買い物リストがあれば買い物時間が短縮できます。必要なものを迷わず購入できるため、店での滞在時間が短くなり、あれこれ目移りすることも少なくなるのです。
買い物リストを作るときには、数日分の献立を考えて、必要な材料を書き出していくとよいでしょう。まとめ買いすることで買い物に行く回数を減らせる上、メニューに合わせて食材の使いまわしがしやすくなります。
割引商品や特売日をチェック
割引商品や特売品は、通常よりもお得に食材を手に入れられるため、チェックしておきたいポイントです。
特に「使いまわしできる食材」や「使う頻度の多い食材」、「長く保存できる食材」は気を付けて見ておくとよいでしょう。
スーパーの出しているチラシにはまめに目を通しておくと、いつ何を買うとお得になるかが分かります。夕方のタイムセールにも注目しましょう。
家族を連れて行かない
買い物はなるべく1人で行くのもポイントです。家族や子どもを連れていくと、急に欲しいものをねだられることがあり、衝動買いにつながります。みんなで買い物に出ていると、楽しい雰囲気を壊したくない気持ちも働き、断りにくくなるのです。
食事づくりを担当していない家族や子どもは食費の予算を意識していなかったり、普段あまり買い物をしていない分、商品の値段を意識していなかったりします。
もちろん楽しく買い物することは大切ですが、普段の買い物は自分だけで計画的に行うことを心がけましょう。
食材を無駄なく使い切るコツ
「節約しよう!」と価格が安いときに食材やお惣菜を買い込んでしまい、結局使いきれなくなったり、賞味期限をオーバーしてしまったりという経験がある人も多いのではないでしょうか。
食材を無駄なく使いきるためには、冷蔵庫・冷凍庫をうまく活用することがポイントです。食品を冷凍する際のコツや管理するときの注意点についてもみていきましょう。
小分けにして冷凍する
食材の冷凍保存は節約だけでなく、食材を腐らせずに食べきることにつながります。食材を1回の調理分ごとに小分けしておけば、必要なときに必要な分だけ取り出せるため便利です。
食材だけでなく、長期保存のきく「調理済みのおかず」や「総菜」も小分け冷凍するとよいでしょう。
献立の品目が少ないと感じたときに、冷凍したおかずやお惣菜を解凍するだけでよいため、新たにもう一品買い足す必要がありません。
賞味期限、保存日時を把握する
食材を計画的に使おうと、せっかく小分けにして保存していても、賞味期限が切れてしまっては台無しです。スーパーで買ってきたときに賞味期限をきちんと把握しておきましょう。
冷蔵庫の近くにメモを貼っておくと忘れにくくなるためおすすめです。
家庭で調理した作り置き料理や小分けにした食材は、プラスチック容器や小分け袋に入れるときに保存した日付を書いておきます。メモを貼っておいたり、ラップやテープの上からペンで書き込んだりすると、袋や容器を直接汚さずに済みます。
節約は無理せず楽しく続けよう
節約することで生まれたお金のゆとりは、生活に潤いを与えてくれますが、食費を無理に削ると家族全員が窮屈な思いをすることにもなりかねません。節約はあくまでできる範囲で楽しく行うことが大切です。
紹介した食費節約のコツを抑えて、節約を無理なく継続しましょう。
文・構成/HugKum編集部