赤ちゃんの喃語はいつから? 上手に引き出して赤ちゃんとの会話を楽しむ方法

赤ちゃんが二つ以上の音を発することを「喃語(なんご)」といいます。言葉の発達過程に必要なもので、「赤ちゃんの会話の始まり」でもあるのです。喃語が始まる時期や上手に引き出す方法をチェックして、赤ちゃんと楽しくやり取りしてみましょう。

赤ちゃんの喃語とは?

赤ちゃんが最初におしゃべりしているかのように出す声は、「喃語(なんご)」と呼ばれます。どのような特徴があるのか見ていきましょう。

2つ以上の音を発すること

喃語は、赤ちゃんの「発声練習」のようなものです。「あー(a)」「うー(u)」のような母音の発声から始まり、「だあー(da)」「まあー(ma)」のような母音と子音が組み合わさった発声へと変化します。何か意味のある言葉を発しているのではなく、自分から音が出ることを楽しんでいるそうです。

また、赤ちゃんは小さいとはいえよく周囲を見ており、話し声を聞いて真似をしていることもあるといわれています。

赤ちゃんが喃語を出していく過程では、「ああー」のような短い喃語から、「んまんま」のような長い喃語へと成長していくことが特徴です。

クーイングとの違い

生後1~2カ月ごろの赤ちゃんは、「くー」「あー」と声を出すことを覚えます。この声は「クーイング」と呼ばれるもので、赤ちゃんの喉の筋肉が発達し始めたサインです。クーイングと喃語の大きな違いは「音の出し方」にあります。クーイングは、息を吐くときに音が出ているイメージです。

一方、喃語は、唇や舌を使った音を出す・二つ以上の音が混じるのように、口を使って音を出しています。中でも「ま」や「ば」のような音は、唇を開閉しなければ出せないため、クーイングの時点では基本的に出ることのない音です。

赤ちゃんは、クーイングから始まり、喃語へと変化していく中で、発声のバリエーションを身に付けていくのです。

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いつから始まる? 言葉の発達の流れ

 

赤ちゃんが言葉を使うコミュニケーションを取れるようになるまでには、どのような流れがあるのでしょうか。生まれたての赤ちゃんが、言葉を話せるようになるまでの流れを見ていきましょう。

泣くことからクーイングへ

生後間もない赤ちゃんは、泣くことで感情を訴えます。これは、「おむつが気持ち悪い」「お腹が空いた」のように自分が感じた不快な気持ちを表現しているだけで、誰かに「どうしてほしい」と感情を訴えている訳ではないそうです。

やがて「くー」や「あー」のような声を出すようになります。これがクーイングの始まりであり、生後2カ月ごろから見られるようになるでしょう。

クーイングは、赤ちゃんが機嫌のよいときに出てきます。「くー」と発したら同じように「くー」と返してみたり、「どうしたの?」「何かお話しているのかな?」と話しかけてみたりと、赤ちゃんと楽しくコミュニケーションしてみましょう。

生後4カ月ごろから喃語を話す

生後4カ月ごろになると、いよいよ喃語を話すステップです。このころは、赤ちゃんの骨格が整い始めることで、喃語が始まります。

まず、「だあー」「ぶうー」と舌を使って音を出すことを覚え、6カ月ごろになると「だあだあ」「あむあむ」のように唇を使うことで、より話し言葉に近い発声が身に付くようになるのです。

喃語は、赤ちゃんにとって初めての話し言葉といっても過言ではありません。私たちからすると意味のない言葉のように感じるかもしれませんが、耳を傾けてあげたり、一緒に同じ音を出して遊んでみたりと、赤ちゃんに「音を出す楽しさ」を体感させてあげましょう。

喃語が減り、指差しが始まる

生まれたばかりのころは、泣くことでしか感情を訴えることができませんでしたが、生後7~9カ月ごろの赤ちゃんは、身振りや指差しで自分の気持ちをアピールできるようになります。

また、大人の話し声や周囲の音を真似し始めたり、喃語を話す機会が減り始めたりします。これは周りのものに興味を持ち出したサインです。例えば、犬を指差したら「わんちゃんがいるね」、花を指差したら「お花がきれいだね」と話しかけて言葉や知識に触れさせてあげましょう。

この時点では、言葉の意味までは理解できていませんが、発音は頭の中に残るといわれています。興味を持ったものの発音を教えることで、言葉や知識を身に付けることを促せるでしょう。

1語文から2語文へ

1~2歳にかけては、「1語文」を使い始める時期です。1語文は、「まんま(ご飯)」「ぶーぶ(車)」のような意味を持った言葉を指します。喃語の時点では、意味を持たない言葉を発していましたが、1語文を話すころには、赤ちゃんは言葉の意味を理解し始めているのです。

1語文を話し始めたタイミングから6~8カ月後には、「まんま、ちょうだい」「わんわん、いる」のように、意味のある言葉が二つ続く「2語文」を話し始めます。2語文は、まだ片言ではありますが、立派なコミュニケーションの始まりです。たくさん会話をすることで、子どもに言葉やコミュニケーションの楽しさを教えてあげましょう。

喃語がなかなか出ない理由

一般的に生後4~5カ月ごろには、赤ちゃんが喃語を出すといわれています。このころになっても喃語が出ないと、親としては「何か理由があるのかも」と不安を感じるかもしれません。

しかし、歩き始めも皆それぞれのタイミングがあるように、喃語を話す時期も個人差があります。あまり不安になりすぎず「そのうち話し出すはず!」と、どっしり構えておきましょう。

参考までに、喃語が出ない理由として考えられるものを紹介します。

発声に関連する器官が未熟

「発声に関連する器官の未熟さ」が喃語が出ない理由の一つとして考えられます。

人間が声を発するとき、喉・舌・顎・骨格などを使用します。中でも喉の奥にある「咽頭部」が必要になりますが、体の成長が追い付いていないと、上手に音を発せないといわれています。

また、二つ以上の音を発するためには、吐き出す空気の量の調整・音を出すために唇を使う・声門を閉じたり開いたりするなど、いくつかのコントロールが必要です。私たちは当たり前のようにできることでも、生まれたばかりの赤ちゃんには難しいことだらけです。加えて体の成長スピードには個人差があるため、焦る必要はありません。ゆっくり見守りましょう。

コミュニケーションの楽しさをまだ知らない

生まれたばかりの赤ちゃんは、言葉の意味や相手の感情を理解できません。しかし、声のトーンや相手の表情、話し方などから自分に対する反応の良し悪しを感じているそうです。そのため相手の反応が自分によいものでなければ、自発的にコミュニケーションを取ろうとしないといわれています。

反対に、自分に好意的な反応であれば「やり取りしたい」という気持ちが芽生え、喃語を通してコミュニケーションを取ろうとするそうです。

一緒にいるときは笑顔で話しかける・声のトーンは明るくする・ボディータッチをしてみるなど、赤ちゃんと楽しく信頼関係を築いてみましょう。

聴覚に問題があることも

あまりに長い期間、喃語が出ない場合は、聴覚に問題がある可能性も考えられるそうです。

話しかけても反応がない・周囲の音に興味を示さないなど、赤ちゃんの聴覚に不安を感じるようであれば、まずは検診を受けることをおすすめします。小児科・産婦人科やかかりつけ医に相談してみましょう。

出典:ことばの遅れ | ユアクリニック秋葉原

上手に引き出す方法はある?

赤ちゃんとやり取りができることを心待ちにしている人も多いのではないでしょうか?  たとえ会話ができなくても、赤ちゃんが声を発するだけで親としては感動ものです。

喃語は、赤ちゃんの会話の始まりです。上手に引き出すことで、言葉の発達や豊かな表現力を育てることにもつながります。喃語を上手に引き出すコツを見ていきましょう。

とにかくたくさん話しかけよう

赤ちゃんの喃語は、周りの声や自分の声を聞くことで促されます。喃語を上手に引き出すためには、たくさん話しかけることが大事です。

例えば、お世話をするときに「そろそろ寝ようね」「おしりをきれいにしようか」のように声をかけてあげましょう。言葉を耳で聞くことで、脳の活性化にもつながるそうです。

また、赤ちゃんからクーイングや喃語が出たときは、同じ音を出してみたり「ご機嫌なの?」と話しかけてみたりと、コミュニケーションを取ってあげましょう。反応が返ってくることに喜びを感じて、赤ちゃんが自発的にコミュニケーションを取ろうと喃語を出すようになるといわれています。

聞き取りやすい話し方をしてみよう

私たちは普通の速さで話しているつもりでも、言葉に慣れない赤ちゃんにとってはとても速く聞こえている可能性があります。赤ちゃんに話しかけるときは、「聞き取りやすい速さや話し方を意識する」ことも大切なポイントです。

口をゆっくり動かしながら話す様子を見せてあげることで、赤ちゃんが口の動きを真似することもあります。生後間もない赤ちゃんは視力が弱いため、なるべく赤ちゃんの顔の近くで話しかけてあげましょう。

さらに、高めのトーンで話す・シンプルな言葉で短く伝える・身振り手振りを付けるなど、赤ちゃんが興味を示すような工夫も組み合わせることもおすすめです。

たくさん笑わせよう

たくさん笑わせることは、赤ちゃんが喃語を話す準備になるといわれています。ニコニコとほほ笑んでいるだけでは、喃語を話す練習にはなりません。ポイントは「キャッキャ」と声を出して笑わせてあげることです。これにより、喃語を話すために必要な息のコントロールや唇を動かす練習になります。

あやすときに変顔をする・「いないいないばあ」をする・顔に優しく風を当ててあげるなど、赤ちゃんが喜ぶ行動をして笑わせてあげましょう。合わせて声がけをすることで、赤ちゃんの「コミュニケーションを取りたい気持ち」を引き出すことにつながります。

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もし喃語が出なくて心配なら

赤ちゃんがいつまでも喃語を出さないと、親としては不安を感じますよね。特に、初めて子どもを育てる場合は、「いつまで様子を見ればよいのか分からない」と悩むことでしょう。

赤ちゃんが喃語が出さないことに不安を感じたときの対処法を紹介します。

専門機関に相談してみよう

赤ちゃんの成長スピードには個人差があり、喃語を出さない理由を素人が判断するのは難しいものです。

どうしても不安を感じるようであれば「専門機関に相談する」ことをおすすめします。かかりつけの小児科のほか、定期健診のときに医師や保健師に相談してみましょう。

また、両親やママ友、子育てを経験している人に相談することは、ママの不安な気持ちを落ち着けることにつながります。1人で悩まずに、まずは身近な人に相談してみましょう。

出典:赤ちゃんの耳のきこえについて 東京都福祉保健局

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喃語が出ている短い時期を楽しもう

赤ちゃんは、あっという間に成長していきます。ようやく喃語を出せるようになったと思ったら、いつの間にかおしゃべりできるようになっているものです。
赤ちゃんの喃語は、一般的に1歳前後までといわれています。限られた期間ならではのやり取りを、赤ちゃんと一緒に楽しんでみましょう。

 

文・構成/Hugkum編集部

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