赤ちゃんが言葉を話すのはいつから?発達段階や言葉を促す方法【助産師監修】

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「赤ちゃんといっぱいおしゃべりしたい」「どんどん言葉を話してほしい」と思うママパパは多いはず。この記事では、赤ちゃんが言葉を話したり理解するのはいつからで、どうやってしゃべるようになるのかなど、赤ちゃんの言語発達の経緯について解説します。

また、ママパパは赤ちゃん言葉を使わないほうがいいのかどうかについてもご紹介します。さらに、赤ちゃんの言葉を促す方法や赤ちゃん言葉の一覧表、赤ちゃんが言葉を覚えやすくなるおすすめの絵本もチェックしてみました。

赤ちゃんが言葉を話すのはいつから?

赤ちゃん言葉を話すのはいつから?
赤ちゃん言葉を話すのはいつから?

赤ちゃんが話し始める時期の目安を解説していきます。

赤ちゃんが話し始める時期には個人差がある

まず、知っておいてほしいのは、赤ちゃんが言葉を話しはじめる時期には個人差があるということです。

たとえば、同じ時期に生まれた赤ちゃんで、体の成長や発達が平均的であっても、言葉を話すのは遅いこともありますし、反対に早い時期から話しはじめる赤ちゃんもいます。また、女の子よりも男の子のほうが話しはじめるのが遅い傾向にあることはよく知られています。

一般的に言われている話し出す時期より遅くても、あまり心配する必要はありません。というのも、話しはじめるのが遅い赤ちゃんでも、ある程度時間が経過し、発達すると、ほかの子と変わらず話しはじめるケースもあるからです。あまり焦らず、その子の成長を見守ってあげてください。

赤ちゃんがしゃべり始めるのは、だいたい3ヶ月頃から

赤ちゃんがしゃべり始めるのは、生後3ヶ月ぐらいが一般的といわれています。この時期は、喃語(なんご)と呼ばれる「あー」や「うー」などの1音を発する程度です。この喃語で、声帯の使い方や発音を学び、言葉を発する練習をしていると考えられています。

1歳ごろから単語を言えるようになる

1歳前後になると、複雑な音が出せるようになり、意味がある言葉や単語を発します。最初のうちは、「まんま」、「ママ」、「ブーブー」などの単語が多いです。成長するにしたがって、徐々に話せる単語が増えていきますよ。

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赤ちゃんの言葉、どうやって理解した? 先輩ママの体験談

HugKumでは、先輩ママたちに、赤ちゃんの言葉をどうやって理解したのかをアンケートで聞いてみました。

表情で判断、ひたすら話しかけた

アンケートによると、赤ちゃんの体調が悪いときに、「赤ちゃんの言葉が理解できたらいいのに」、「どこがどう悪いのか話してくれたら対処できるのに」と思ったママが多いようです。そこで、とにかく赤ちゃんの表情を見て赤ちゃんに話しかけて、赤ちゃんの言いたいこと理解しようと努めるママがたくさんいました。

・赤ちゃんの体調が悪いとき、どこがどう具合が悪いのか、理解できたらと思ったことがあります。 とりあえず、自分にできる範囲で赤ちゃんの不快を取り除いてあげました。

・赤ちゃんの言葉がわかれば、具合が悪くても対処できるので、赤ちゃん翻訳機があればいいのにと思ったことはあります。「◯◯したいの?」と赤ちゃんに聞いて、表情や首振りで判断していました。

・娘が熱を出したときに、会話でコミュニケーションできたらいいのに…と思いました。赤ちゃんにはわからないかもしれないけれど、ひたすら話かけてなだめたり、理解しようとしました。

不快を取り除いた、同じ視点から考えた

赤ちゃんが泣き止まないときには、泣いている理由を話してほしい!というママが多くいました。これは、どんなママも思うことかもしれませんね。泣き止まない赤ちゃんには、不快感を取り除いてあげたり、赤ちゃんの気持ちになってみたりして、赤ちゃんと寄り添おうとするママも多数でした。

・夜通し泣かれたとき。ミルクでなし、おむつでなし、抱っこでなし、暑いのか寒いのか。ひたすら思いつく方法を片っ端からやり、疲れ果てていました。

・泣き止まないときは、赤ちゃんと同じ視線から見てみて、泣き止む方法を考えていました。

・言葉で言ってもわかってくれないので、ミルクやおもちゃなどを本人に見せて、興味を示すかどうかを理解するようにしました。

・夜泣きがすごい時期があり、夜中に延々と泣き続けていたのでそのときになぜ泣いているのか知りたかった。おそらく興奮していたり、睡眠リズムが崩れたことによる夜泣きだったと思うのですが…。

目の動き・指差しで察した、育児慣れが役立った

赤ちゃんはいつでもご機嫌というわけではありませんよね。機嫌が悪いときにはぐずったり、ミルクをうまく飲んでくれなかったり…。そんなときに「話してくれたら思いが伝わるのに」と感じたママは少なくないようです。これまでの育児経験を総動員して、赤ちゃんの「こうしてほしい!」を叶えるべく工夫したママがたくさんいました。

・ぐずったときに、赤ちゃんのきちんと気持ちがわかりたかったから。とりあえず次々に「これ?」「これ?」と、赤ちゃんの好きなものを見せてたずねた。

・ご機嫌なときには、指差しや目線などをヒントに伝わってくるのですが、機嫌が悪いときはお手上げ状態です

・一人目より二人目、二人目より三人目の方が何となくぐずっている理由がわかってきました。やっぱり、育児の慣れでしょうか。

・なかなか息子の思いが伝わらず、とにかく何回ももう1回と聞いていくことでなんとなく言いたいことがわかるようになったり、ジェスチャーや指を差すことで何がしたいか何が欲しいかなど意思疎通できるように工夫しました。

寝ている環境を整えた、ベビーサインで理解した

なかなか寝てくれないときに「どうしてなの?」と聞きたくなった、理由を話してくれたらいいのに、と回答された方がいました。この困難を乗り切ったママたちの工夫とともにエピソードをご紹介しましょう。

・なかなか寝てくれないのが辛かったですね。表情や声のトーンに注目して、赤ちゃんが訴えようとしていることを必死に探りました。

・ベビーサインを遊びながら少しずつ覚えて、何が欲しいのか、やりたいのかを少しずつ増やしていきました。子供もイライラしなくなり、やってよかったと思います。

・なぜ寝ないのか寝ぐずりの原因を知りたい! いつもわからず、体温調節したり抱っこしたり気分を変えたりしてきたけど…やっぱりワカラナイ!

赤ちゃんの言葉の発達段階

かんたんな発音から、少しずつ語彙が増えていきます

赤ちゃんが言葉を発したり、しゃべれるようになるには、段階があります。その言葉の発達について解説していきましょう。

赤ちゃんはどうやってしゃべるようになるの?

赤ちゃんがおしゃべりするようになるには、体や心、認知機能などの発達が必要となります。たとえば、

・口の筋肉や声帯、呼吸器が使えるようになる(声を出すことができるようになる)
・耳で人の話す言葉や、自分の声、その他の音を捉える
・脳の発達によって、言葉を教えてもらうと理解できる
・情緒の発達(言葉を出したいという欲求、意思表示、自己表現を言語化できるようになる)

などがあり、これらの経験を積み重ねることで、声を出す、言葉を話すことを学習していきます。

言葉発達の経緯

赤ちゃんの言葉の発達経緯を、月齢別に解説していきます。

生後0〜1ヶ月頃

この時期は、泣いたり、笑ったりする声を発します。

生後2~5ヶ月頃

舌を使わずに母音を発する「クーイング」と呼ばれる声を出すようになります。たとえば、「あー」や「くー」「うー」といった1音です。このクーイングにより、声を出すこと、言葉を発する練習をしていると考えられています。

生後6~11ヶ月頃

生後6~11ヶ月頃になると、「喃語(なんご)」と呼ばれる声を出し始めます。これは、ふたつ以上の音からなる声で、これらの音に意味はありません。最初のころは、「うーうー」「あうあう」などですが、成長するに従い、破裂音や濁音、「ばばばば」などの連続子音も出せるようになります。

1歳~1歳半頃

この頃になると、意味のある単語を話すようになります。たとえば、「わんわん」や「まんま」などです。きちんと言葉の意味を理解しているので、物を指差して単語を発する様子が見られるでしょう。

1歳半~2歳頃

1歳半から、「ママ、どこ」「ブーブー、きた」などの二語文を話すようになります。成長するにつれて語彙も増え、二語文が三語文にと、言葉をつなげた文を話せるようになっていきます。

このように、クーイングや喃語、破裂音・連続子音を発したりしながら、徐々に意味のある言葉を話せるようになります。

言葉を理解するのはいつから?

赤ちゃんが言葉を理解するのは、10ヶ月頃といわれています。たとえば、名前を呼んであげるとその方向を見たり、「おいで」と言うと動く子もいます。1歳足らずでも、言葉を理解しているのです。

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ママパパは赤ちゃん言葉は使わないほうがいいの?

「おてて」「まんま」「ないない」など、赤ちゃんに対してママやパパが赤ちゃん言葉を使うことはよくない、最初から正しい言葉を使って赤ちゃんに接したほうがいい、というのを耳にしたことはありませんか。実際にはどうなのか、昨今の研究で明らかになりました。

赤ちゃん言葉でどんどん話しかけよう

ある時期から「赤ちゃん言葉は使わないほうがいい」という考えが浸透していましたが、昨今の研究によって考えが覆されました。

その研究とは、まだはっきりとした言葉を発することのできない1歳児を対象とし、普段の生活のなかで、親が赤ちゃん言葉で話しかけているか、どのくらい話しかけたかなどを4日間調査し、その後研究対象の子どもたちが2歳の時にも調査したものです。研究結果によると、”赤ちゃん言葉”で話しかけられた方が、早く言葉を覚え、語彙力もアップしたということが判明したのだそうです。

「赤ちゃん言葉」で話しかけることは、言葉の覚えも早くなり、赤ちゃんのボキャブラリーを増やすということ。積極的に赤ちゃん言葉を使っていってもよさそうです。

赤ちゃん言葉一覧

赤ちゃんが発しやすい言葉は、「まー」や「あー」などの連続子音や母音、「ぱ」「ば」などが入った破裂音などです。話しはじめる言葉も、そのような言葉が多く、また身の回りの言葉をそのような音にして発します。ここでは、赤ちゃん言葉の一覧をご紹介しますので、赤ちゃんにたくさん話しかけてみてください。

人や動物の名前

ママ → マー、まんま、ま
パパ → ぱー、ぱーぱ、ぱ
おじいちゃん → じいじ
おばあちゃん → ばあば
おにいちゃん → にぃに
おねえちゃん → ねぇね
犬 → わんわん
猫 → にゃ、にゃあにゃ、にゃんにゃん
牛 → もーもー
はと → ぽっぽ
にわとり→ こっこ、とーうり
虫 → むいむい、むー
魚 → とと、おっとっと、とっと

行動

歩く・足 → あんよ
座る → ちゃんこ、おっちん、えんちょ
噛む → かみかみ
立つ → たっち
かゆい・かく → かいかい、かきかき
片づける → ないない
寝る → ねんね
うんち → もー、もーもー
おしっこする → しっし、しー、ちっち
きれいにする → きれいきれい、きれーねー
食べる → もぐもぐ、ごっくん
抱っこ → だー、だっだー
おんぶ → おんも

物などの名前

洋服 → べべ、おべべ
靴 → くっく
靴下 → たった、たーたー、たんたん
目 → おめめ、めんめ
おっぱい → ぱいぱい
お腹 → ぽんぽん、ぽんぽ
ごはん → まんま
麺類 → ちゅるちゅる、ちゅーちゅー
牛乳、ミルク → にゅーにゅー、みー、みーく
お風呂 → おぶちゃ、ぼちゃ、たんたん、たーたー

赤ちゃんの言葉を促す方法

赤ちゃんの言葉を促す方法
赤ちゃんの言葉を促す方法

赤ちゃんに言葉を話させる、赤ちゃんから言葉を引き出す方法をご紹介します。参考になさってくださいね。

動作をしながら話しかける

赤ちゃんに対して何かをするときに、わかりやすく話しかけてから動作を行うようにするとよいでしょう。たとえば、離乳食を食べるときには「かぼちゃを食べよう!」とか、おむつ替えのときに「おむつを替えるね」などです。

このとき、赤ちゃんが聞き取りやすいよう、ゆっくり、はっきり話しかけてあげてください。そして、なるべく短い文章で話しかけるとよいでしょう。そうすることで、赤ちゃんにとって音が捕らえやすく、徐々に言葉が理解できるようになったり、短い単語を話せるようになります。

絵本の読み聞かせをする

赤ちゃんに絵本の読み聞かせをしてあげてください。読み聞かせに使う絵本は、赤ちゃん向けのものがおすすめです。というのも、赤ちゃん向けの絵本には、赤ちゃんが喜ぶ擬音や、「ぶーぶー」などのオノマトペ、わかりやすい2〜3語の文章が掲載されているからです。これらのを読み聞かせすることで、言語発達に役立ちますよ。

赤ちゃん同士で遊ばせる

「保育園や幼稚園に通い始めてからおしゃべりが上達した」というのを聞いたことがありませんか? これは赤ちゃんの頃でも同じです。赤ちゃん同士でかかわりももったり遊んだりするうちに、刺激を受け、いっぱいおしゃべりするようになります。地域の子育て支援センターや児童館などを訪れてみてください。同年代の赤ちゃんと遊ぶことで、言葉を話すきっかけとなるはずです。

記事監修

河井恵美|助産師・看護師

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。

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「頭のいい子を育てるプチ あかちゃんごおしゃべりえほん」

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「赤ちゃんが早く言える言葉ランキング」トップ100の言葉でつくられた絵本です。くりかえしの語りかけで赤ちゃんの発語をサポートしてくれます。言葉をくりかえし、読み手もわくわくするストーリー展開で、最後まで読んだら最初へ戻る、エンドレスなところが特徴的。また、赤ちゃんが好きなところから読み始め、好きなところで読み終えることができるのもポイントです。

「愛蔵版 だっだぁー ―赤ちゃんのことばあそび」

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赤ちゃんのことばあそびで共通するのは、「ぶっひゃひゃぁー」「むちゅむちゅ」などの擬音語です。この絵本には、赤ちゃんが喜ぶ擬音語がたくさん詰まっています。ママやパパは、調子をつけたり、声色を変えたりして読み聞かせしながら、赤ちゃんといっしょに遊んでください。

「0さい〜4さい こどもずかん 英語つき よくばりバージョン」

0さい〜4さい こどもずかん 英語つき よくばりバージョン

この本は、言葉の成長の助けとなるようにつくられた「認識えほん」。お子さんの「みたい!」「おぼえたい!」好奇心を自然にひきだす、とっておきのくふうがふんだんにもりこまれています。たとえば、わかりやすくデフォルメされた絵でものの形を認識できたり、英語とそのよみがながそえられていて、英語も覚えられます。また、「これな〜んだ?」のあそびでもりあがれるのも特徴のひとつ。お子さんがものの特徴を感じとり、自然に答えをいえるようになっています。

赤ちゃん言葉でいっぱい話しかけて、いっぱい会話しよう!

赤ちゃんがまだおしゃべりできないとしても、ママやパパが赤ちゃん言葉などを使って話しかけてあげることで、赤ちゃんは言葉を学び、「しゃべりたい」「話したい」という気持ちを膨らませます。ぜひ、話しかける、絵本を読んで聞かせるなどで、赤ちゃんのおしゃべりを促してあげてくださいね。

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文・構成/HugKum編集部

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