竜巻はどうしてできるの? 竜巻の仕組みや、もしものときの避難方法も

「竜巻はどうしてできるの?」と聞かれて困ったことはないでしょうか。発生する仕組み、前兆、身の守り方など、竜巻に関わるさまざまな豆知識を紹介します。知育に役立つ竜巻の作り方も紹介するので、子どもと一緒に挑戦してみましょう。

竜巻とは?仕組みについてチェック

竜巻は激しい風によってできる「大気の渦巻き」です。アメリカでは毎年のように竜巻による大きな被害が報告されています。

近年では、日本でも各地で竜巻による被害が発生しているため、これまで以上に危機意識を持つことが大切です。始めに、竜巻が発生するメカニズムや前兆について詳しく知っておきましょう。

発生のメカニズムについて

日本で起きる竜巻の多くは、地上で回転する風が「上昇気流」に乗って渦になるものだと考えられています。夏や秋に発生することが多いのは、台風や積乱雲によって上昇気流が起こりやすいためです。

はじめは大きく円を描くように回転していた風が、下から上へ引き伸ばされることで円周がコンパクトになり、スピードを増して竜巻になります。ちょうどフィギュアスケートのスピンに似ているかもしれませんね。

地上付近に大量の水蒸気があり、上層で強い風が吹いているのが、より竜巻が発生しやすい環境です。発達した竜巻は、砂ぼこりや水を巻き上げるだけでなく、建造物を破壊するほどの威力があります。

竜巻が起こる前兆や起きやすい場所

竜巻は発達した「積乱雲」が原因の一つと考えられています。雷鳴が聞こえたり、黒い雲により周囲が急に暗くなったりしたら、竜巻が起きる前兆かもしれません。

竜巻が近づいてくると、冷たい風が吹いてきたり、大粒の雨やひょうが降ってきたりすることがあります。また、草や土のにおいを感じることもあるでしょう。

積乱雲から伸びる細長い「ろうと雲」が見えたり、ゴーという音が聞こえたりしたら、すでに緊急事態です。竜巻がそばに来ているため、すぐに身を守れる場所へ避難しましょう。

竜巻は平らな場所で発生しやすく、山地の多い日本では海沿いで確認されることが多くあります。しかし、低気圧や局所的雷雨などによっても発生するため、絶対に安全な地域は存在しないと考えておきましょう。

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竜巻を自宅で作ってみることも

自然に発生する竜巻は危険なので、目の前に迫るほど近づくことはできません。自分の目で観察したいときは、ミニチュアの竜巻を作りましょう。ここでは、身近な物を使った竜巻の作り方を紹介します。

ペットボトルの中に竜巻が作れる!

用意するものは、次の三つです。

・ペットボトル
・発泡系入浴剤
・ぬるま湯

竜巻には「上昇する力と横に回転する力」が必要です。この条件を整えさえすれば、ペットボトルの中でも竜巻が起こせます。

液体の中にできた渦はエネルギーを失いにくいという特徴があるため、じっくり竜巻の様子を観察できるでしょう。使用するぬるま湯の温度は40℃くらいでよいので、入浴ついでに実験してみてはいかがでしょうか。

竜巻の作り方

アイテムをそろえたら、次の手順で竜巻を起こしましょう。

  1. 金づちなどを使って入浴剤を砕く
  2. ペットボトルにぬるま湯と砕いた入浴剤を入れる
  3. フタをしてペットボトルを回転させる
  4. フタを下にしてペットボトルを置く

 

まずは入浴剤をペットボトルの口から入るくらいの大きさに砕きます。ペットボトルの8分目くらいまでぬるま湯を入れ、砕いた入浴剤を投入しましょう。

フタを閉めたら、お湯がペットボトルの中で横向きに回転するように振り回します。十分回転させた後、フタを下にして置けば、竜巻を作る作業は終了です。

入浴剤から出た泡が上昇してぬるま湯を「対流」させることで、ペットボトルの中に小さな竜巻が発生します。

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身を守る方法も!避難方法

近くで竜巻が発生したら、できる限り早く安全な場所へ避難しましょう。屋内・屋外それぞれの場所での対処方法について詳しく解説します。

近づくサイン、注意報を見逃さない

先ほども紹介した竜巻が近づいてくるサインについて、改めて確認しましょう。

・黒い雲
・雷鳴
・冷たい風
・激しい風雨やひょう
・草や土のにおい

このような状態になったら、竜巻が発生するかもしれません。天候があやしいと感じたら、竜巻のサインを見逃さないように注意しましょう。

今はスマホからでも手軽に竜巻の情報が得られます。竜巻の前兆に気付いたら、政府が発表する「竜巻注意情報」をチェックするのもおすすめです。

出典:竜巻から身を守るために「竜巻注意情報」をご活用ください | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

屋内で発生した場合

竜巻が発生したときに危険なのは「風通しがよく、開口部の多い場所」です。屋内にいるときは窓や雨戸、カーテンも閉めて窓から離れましょう。

戸建てであれば、2階よりも1階の方が安全といわれています。トイレやバスタブなど、窓が少なく風の通りにくい場所で身を小さくしていましょう。

会社や学校であれば、地下室や屋内に設置された非常階段などが避難場所に最適です。

屋外で発生した場合

屋外では「飛散物から身を守ること」を最優先にします。物陰に隠れ、体を小さく丸めて頭と首を守る姿勢をとりましょう。樹木・電柱・プレハブなどは倒壊する恐れがあるため、近くにいると危険です。

車に乗っていて竜巻に出会ってしまった場合、車から降りて頑丈な建物へ避難します。強風にあおられて車が横転する可能性があるためです。

竜巻は時速50kmほどと、車並みのスピードに達することもあります。運転して逃げるのはおすすめできません。避難が間に合わなければ車を路肩に止め、窓より下に身をかがめて手で頭や首を守りましょう。

仕組みを知って自分の身を守ろう

竜巻は回転する風が上昇気流によって巻き上げられ、空気の渦になったものです。雷を伴う強い雨やひょうなどが降ったり、辺りが真っ暗になって冷たい風が吹いたりしたら、近くで竜巻が発生しているかもしれません。

普段と違う様子を感じたら、情報サイトなどをチェックしましょう。もし竜巻が発生していたら、素早く避難して身の安全を確保することが大切です。

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文・構成/HugKum編集部

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