「地球の歴史」を親子で学ぼう!約46億年の歴史を解説。おすすめ図鑑や絵本も

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地球には果てしなく長い歴史があります。とはいえ、子どもに聞かれてスラスラと答えられる大人はそう多くありません。そこでこの機会に、先カンブリア代から新生代までの地球と、生物の変化をたどってみましょう。勉強に役立つおすすめの書籍も紹介します。

地球の歴史

まずは、いつ宇宙に地球が生まれ、どのようにして今の地球に近づいていったのか、大きな流れの第一歩を見ていきましょう。

いつ誕生したの?

地球が誕生したのは「約46億年前」のことです。

あるとき、宇宙を漂っていた星が爆発したことにより、宇宙空間にガスや微粒子などの物質が集中する場所ができました。

物質の密度が高い場所には渦ができ、周りのガスや微粒子を巻き込んで巨大化し、太陽が生まれたのです。やがて太陽の周りにも、ところどころで微粒子が固まった「微惑星」が生まれ始めます。

微惑星は周りの物質と衝突してくっつき、少しずつ大きくなっていきました。そのうちの一つが成長し、太陽系の惑星となったものが「地球」です。

 

生まれたばかりの地球の姿

生まれたばかりの地球は、今の地球とは全く違った姿をしていました。物質と物質が衝突すると、熱が生まれます。生まれたばかりの地球は、繰り返した衝突のためにとても高温になっていたのです。

天体同士の衝突で生まれるのはエネルギーだけではありません。ぶつかった星に含まれていたガスが吹き出して地球を覆い、熱を閉じ込める分厚い大気となりました。これを「原始大気」といいます。

※画像はイメージ

 

地球の表面を覆っていたのは、青い海ではなく「マグマの海」です。マグマの成分の中でも、重い鉄は地球の内側へ沈み、軽い岩石は表面地殻に移動しました。

この鉄が今の地球の「核」となり、岩石が「マントル」となったとされています。

先カンブリア代の地球

約46億~5億4000万年前の時代を「先カンブリア代」といいます。地球が今の姿に近づいていく段階と、地球初の生命誕生について見ていきましょう。

地殻や海の形成

衝突がない時期には、大気に含まれていた水蒸気が冷え、マグマの温度も下がっていきます。やがてマグマが固まり、地球の表面に「地殻(ちかく)」と呼ばれる岩石に覆われた大地ができました。

さらに大気が冷やされて300℃くらいになると、水蒸気が雨となって地表に降り注ぎ始めます。これが繰り返されるうちに、地球表面がたまった雨で覆われました。これが約40億年前の「原始の海」です。

この頃はまだ微惑星の衝突があり、その度に海は蒸発したと考えられています。衝突が落ち着き、安定した海ができたのは約38億年前のことです。

最古の生物ラン藻類の誕生

海が安定すると、地球で初となる生命が誕生しました。この生命体は一つの細胞しか持たない細菌で、深海の熱を吹き出す穴の近くで生まれたといわれています。

それから約10億年後、海に「ラン藻類(シアノバクテリア)」という原核生物が生まれました。ラン藻類は太陽の光を使って「光合成」を行い、酸素を生み出します。

進化を遂げたラン藻類は、やがてより複雑な構造を持つ真核細胞に取り込まれ、植物の「葉緑体」の祖先となったのです。クラゲやウミエラといった「無脊椎動物」の祖先も、この頃に誕生したといわれています。

参照:JAXA 宇宙情報センター

参照:倉敷市立自然史博物館

古生代の地球

「カンブリア紀」「シルル紀」「デボン紀」などからなる約5億4200万~2億5200万年前までのことを「古生代」といいます。

陸上での生命活動ができるような環境が整った時期です。生物の進化と、古生代の終末について解説します。

ウミユリの化石

生物の多様化とオゾン層の形成

ラン藻類が生成した酸素は海に溶け出し、鉄イオンと結びついて酸化鉄となり、海底に沈みました。しかし、大量の酸素が放出されるようになると、海中の鉄イオンが足りなくなってしまったのです。

余った酸素は大気中へ放出され、やがて紫外線の作用で「オゾン層」を形成しました。オゾン層は厚さ約20~50kmにもなり、生物に有害な紫外線をシャットアウトしたのです。

一方、「カンブリア紀の生命大爆発」とも呼ばれる劇的な進化を遂げた生物は、海中で生殖活動を繰り返し、より複雑な構造を手に入れました。約4億1000~3億6000年前になると、両生類が誕生して陸での活動を始めます。

歴史上最大の大量絶滅が起こる

地球上の生物たちは、絶滅が起こるほどの厳しい環境変化にしばしばさらされてきました。中でも規模が大きかったのは約2億5000万年前に起こったものであり、「史上最大の大絶滅」といわれています。

有力とされている原因は、「大規模な火山活動による酸素の減少」です。火山が噴火し、大気中に二酸化炭素やメタンガスが大量に放出されました。そのせいで、地球上の酸素が欠乏するようになってしまったのです。

酸素がなくなったことで、陸上では70%の種が死に絶え、海中にいたっては90%の種が絶滅したともいわれています。

中生代の地球

「三畳紀」「白亜紀」「ジュラ紀」に分かれる約2億5000万~6500万年前までを「中生代」といいます。

絶滅を免れた種は、どのような形へ進化していったのでしょうか。繁栄した生物と、中生代の終末について解説します。

アンモナイトの化石

海洋生物の代表アンモナイトの誕生

中生代の海で最も発展していたのは「アンモナイト」です。現代にいる「オウムガイ」に似た貝で、いくつもの足を持っていました。

大きさは1cm~1m、貝の形は巻き貝のようなものから直線的なもの、U字型で反転を繰り返すものなど、その種類は実にさまざまです。日本近海でもいくつもの化石が発見されています。

アンモナイトのほかにも、二枚貝や軟体動物、魚竜類なども繁栄していました。魚竜とはイルカに似た姿をしてはいますが、は虫類から進化したもので、ゆうに10mを超える個体もいたようです。

参照:大阪市立自然史博物館

地上には恐竜が君臨

地上の覇者となったのは「三畳紀」に誕生した「恐竜」です。地上に上がった両生類のうち、は虫類としての進化を遂げた生物の一部が恐竜となりました。

肉食恐竜は大型で体の真下に伸びる足を持ち、すばやく移動できたため、哺乳類やは虫類をエサとする白亜紀最強の生物となったのです。

植物も多様な進化を遂げ、地上を覆う緑の中には被子植物も誕生していました。その植物をエサとする草食恐竜もまた、食料に困ることなく繁栄していったのです。

巨大隕石の衝突による恐竜の絶滅

約6500万年前、地上を支配していた恐竜も、ついに絶滅するときがやってきました。その原因は、現在のメキシコ付近で起こった「巨大隕石の衝突」だったのではないかといわれています。

隕石の大きさは直径10kmほどもあり、ぶつかった衝撃で舞い散ったガスやちりが大気に層を作って、太陽光を遮ってしまったのです。

地球は急激に寒冷化し、それまでの温暖な気候とは一変してしまいました。その結果、約2億年という長い間繁栄していた恐竜は、気候の変化に対応できず地上からその姿を消したのです。

新生代の地球

約6500万~現代までを「新生代」といいます。「第三」から「第四」へ移り変わるまでの環境変化と、生物の進化について確認しましょう。

気候や大陸の変化

舞い上がったガスや粉塵が落ち着くにつれ、だんだんと隕石が衝突する前の環境が戻ってきます。しかし、第三には大陸の移動によって海洋の分布も変化し、白亜紀よりも気温は下がっていたようです。

インド亜大陸はユーラシア大陸に衝突し、標高8000mを超えるヒマラヤ山脈を形成しました。その結果、乾燥した気候となったアフリカ大陸は、熱帯雨林だった場所が草原となったのです。

ポカラ(ネパール)から見えるヒマラヤ山脈

哺乳類が著しく進化

草原には乾燥に強い植物が生えるようになり、それを食べる草食動物や、その草食動物を獲物とする肉食動物も増えていきます。

約6500万年前、地上に最古の「霊長類」とされるプルガトリウスが誕生しました。プルガトリウスはネズミほどの大きさで、木の上で生活していたと考えられています。

やがて霊長類は地上へ生息域を拡大し、約600~500万年前になると最古の人類が現れ、約400万年前には完全2足歩行の猿人が生息していました。

後半から氷河期に突入

約3500万年前から、地球は「氷期」と「間氷期」を繰り返しています。第四の後半は氷期(=氷河時代)であり、気温は間氷期である現在よりも平均気温が5~10℃低かったのです。

氷期には水蒸気が雪となって降り積もり、海面が下がって南極や北極といった氷に覆われた大陸の面積が広がります。寒い時期を乗り越えるため、人類は火を使って寒さをしのぎました。

なお、「氷河期」とは、氷期と間氷期を繰り返す時期のことをいいます。つまり、現在の地球はまさに氷河期のまっただ中にあるのです。

参照:キッズ日本海学

氷河のイメージ
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地球の歴史が分かるおすすめの図鑑・絵本

地球は長い歴史の中で大きく変化してきました。環境も生物も今とは全く異なるため、文字だけで当時の様子を思い浮かべるのは難しいかもしれません。そこで、絵で想像を補えるおすすめの図鑑や絵本を紹介します。

地球の誕生から、生命の歩み、環境問題までわかる「小学館の図鑑NEO 地球」

 

地球46億年の歴史をふり返りながら、生命を育んだ、地球のひみつを解説します。また、身近な天気・気象から、台風や地震、火山の噴火など、地球が引き起こす現象のしくみを紹介し、現在、人類によって引き起こされている、さまざまな環境問題までくわしく解説!

お芝居形式で壮大に物語る「せいめいのれきし」


「せいめいのれきし」は、地球上の生物たちを主人公にした話です。生き物が生まれ、滅び、また新しい生き物の歴史が始まる様子が、柔らかなタッチの絵柄で描かれています。

史実をたどっているだけにもかかわらず、どこか心温まる話の進め方こそ、広く高評価を得ている理由といえるでしょう。子どもと一緒に進化の過程を学ぶのに、ぴったりの1冊です。

図鑑のように細かく学べる「地球のあゆみえほん 46億年のれきし」


「地球のあゆみえほん 46億年のれきし」は、精密で色鮮やかなイラストと、時系列で進む整然とした文章で地球の歴史を語る絵本です。小さな子どもと読むのであれば、大人が内容をかみ砕いて教えてあげるとよいかもしれません。2017年に発行された絵本なので新しい情報も盛り込まれており、図鑑として利用してもよいでしょう。

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地球の歴史をひも解こう

「海があり、空気があり、人間が住んでいる」それが当たり前になったのは、地球の歴史からすればここ最近のことに過ぎません。現在のような地球になる前は、いくつもの種が生まれては絶滅していったのです。近年でも発掘が進むごとに、人々を驚かせる新事実が発見され続けています。

子どもが地球や生命の誕生に興味を持つときがきたら、親子で一緒に壮大な歴史をひも解いてみてはいかがでしょうか。

文・構成/HugKum編集部

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