季節をあらわす言葉として普段からよく目にする「秋」。豊かな実りや美しい紅葉の季節である秋のイメージは、名付けでもさまざまな良い意味をもたらしてくれます。今回は、秋の成り立ちや意味を徹底解説。名前における意味や、秋を使った2文字以上のおすすめの名前もご紹介します。
秋生まれのご予定の赤ちゃんに、春のうちから考えて準備しておきたいですね。
「秋」の成り立ちと意味
麦や稲などをあらわす「のぎへん」と火を組み合わせた秋には、もともとは龜(キ=シュウ)のパーツが存在します。龜は古代、農作物を食い荒らすイナゴなどの虫を意味していました。秋に実った作物を虫から守ろうと火を焚いたために、秋の字には火が入っていると考えられています。
秋の読みは「しゅう」「あき」「とき」など。季節を示す漢字であるほかに「危急存亡の秋(とき)」など、重要な局面をあらわす際にも用いられています。
名前の「秋」にはどんな意味が込められる?
秋生まれの赤ちゃんに名付けられることはもちろんですが、ほかにはどんな意味が込められるのでしょうか。
豊かな実りある人生
生命力あふれる夏を過ぎ、涼しく過ごしやすい季節がやってくると、多くの植物が実を付けはじめます。古くから人々は秋になると、手塩をかけて育てた農作物の収穫を喜び、自然に感謝を捧げてきました。
実り豊かな秋のイメージから、秋の付く名前には、物事の結果をきちんと手にすることができる充実した人生という意味を込めることができます。
あざやかな美しさ
秋になると木々の葉が赤や黄色に色付き、山の景色は美しく様変わりします。短歌や俳句ではそのあざやかさが讃えられるなど、昔から秋は目にも楽しい季節でもありました。
このことから、秋を用いた名前には人の心を打つ美しさを持つ人、また美しさを生み出す人になってほしいという願いが込められます。
音楽や文学に親しむ人に
「音楽の秋」「読書の秋」というたとえがあるように、秋は文化芸術に親しむ季節でもあります。夏の厳しい暑さから解放されて心身にゆとりが生まれるので、音楽や絵画を楽しむ時間ができるのです。
このことにちなんで、秋の付く名前には、芸術や文学を愛する人になってほしいという願いが込められるでしょう。
名付けのポイント
赤ちゃんの名付けの際におさえておくべきポイントをまとめてみました。
名付けの期限に注意!
赤ちゃんの名前を記入して提出する出生届は、出生日から14日が期限となっています。余裕があれば、性別が判明した時点から名前候補を考えておきましょう。
名前に使えない漢字がある?
漢字の中には名前に使えないものも存在します。名前を考える際には、法務省の定める規定に目を通しておきましょう。
姓名判断
名前の画数が、名付けられた人の運勢を左右するという考え方があります。Webサイトで簡単に調べられるので、気になる人は一度調べてみましょう。また本格的に検討したり、専門家に相談したりしたければ、姓名判断を行う神社やお寺に相談してみましょう。
その漢字の意味や響きを考える
名前は声に出して呼び合うものです。試しにその名前を口に出してみて、名字とのバランスや響きの印象を耳で聞いて確かめてみましょう。
お子さんにどんな人になってほしいのか、どんな人生を歩んでほしいのか、その願いをあらわす漢字を探すことも大切です。
「秋」を使ったおすすめの名前
秋の一文字でも良い名前ですが、秋を使った2文字以上の名前にはどのようなものがあるのでしょうか。
碧秋(あおと)
深い青緑色やまばゆい輝きを放つ宝石を意味する碧は、名前においてもきらきらと瞳を輝かせるような、生き生きとした美しさをあらわします。また、色のイメージから思慮深く落ち着いた人のイメージも。碧秋という名前には、人の心を華やかにするような美しさや落ち着いた穏やかな雰囲気を持つ人という意味が込められます。
秋樹(あき)
大地に深く根を張り、空に向かって枝を伸ばす樹木をあらわす樹という漢字には、名前においてもしっかりとした頼れる人、人を守ることができる人という意味があります。秋樹という名前には、どこまでも枝を伸ばす樹のように成長し、また秋にたくさんの実を付ける樹のように実りある人生になりますように、また人を守る頼りがいのある人物になりますように、という願いが込められます。
秋雄(あきお)
英雄などのイメージから、名付けにおいては力強く秀でた才能を持つ人という意味を持つ雄。秋雄という名前には、力強さや勇ましさ、雄々しさで実り豊かな秋のような充実した人生を切り開くことができる人という意味が込められます。
秋鷹(あきたか)
賢く勇ましく、誇り高いイメージの鷹は、人名のみならず飛行機や車の名付けにも好んで用いられる漢字です。秋鷹という名前には、秋のように落ち着いた雰囲気を持ちながらも、目標を見つければ鷹のようにすばやく確実に成し遂げることができますようにという意味が込められます。
秋仁(あきひと)
敷き物の上に座る人をあらわす仁は、人への愛情や情けを意味する漢字です。また皇室でも名付けに用いられることから、高貴なイメージもあります。秋仁という名前には、秋のように穏やかで人に恵みをもたらす人、音楽の才能に秀で、人を楽しませることができる人という意味が込められます。
秋陽(あきはる)
太陽が空に上る様子をあらわした陽は、名前においては性格の明るさや優しさ、活発さや生命力などポジティブな意味を持つ漢字です。秋陽という名前には、太陽のように明るく温かく、また秋のように穏やかな人柄や、情熱を持ち実り豊かな人生を育むことができますようにという願いが込められます。
秋音(あかね)
名前では音楽や、人を楽しませる芸の才能を示す音は、男女を問わず名付けで人気の漢字です。秋音という名前には、芸術の秋という例えから音楽をはじめとする文化芸術に親しむ人という意味を込めることができます。
秋桜子(あきこ)
秋の桜と書くと、秋空にピンクの花を咲かせるコスモスを思い浮かべる人は多いことでしょう。秋桜子という名前は古風な美しさを持ちつつも人と被りにくく、年を重ねても違和感のない名前です。
秋那(あきな)
しなやかな美しさや芯の強さをあらわす那は、柔らかい響きが好まれ、名付けでも人気の漢字です。秋那という名前には、秋の紅葉のように鮮やかな美しさと、移り変わる季節のようなしなやかさを持つことができますように、という願いが込められます。
秋夜(あきよ)
名付けでは神秘的なイメージを与える夜。秋夜という名前には、秋の長い夜のように末長い人生や、鈴虫やこおろぎの鳴き声を楽しむ秋の夜のイメージから、音楽や芸事に秀でた人になりますようにと願うことができます。
知秋(ちあき)
知識や知恵など、博識で賢い印象の知は、感知など心のはたらきを示す熟語にも使われています。知秋という名前には、秋の実りのように豊かな知性を持つ人という意味が込められます。
知的で落ち着いたイメージの「秋」を名前候補にしよう!
豊かさや美しさ、文化芸術とも縁深い知的なイメージの秋は、内面の充実した落ち着きのある人になってほしいという願いに適した漢字です。秋生まれにのお子さんに限らず、男女問わず良い名前になりますよ。名前候補に、ぜひ秋を入れてみてくださいね。
文・構成/HugKum編集部