あけましておめでとうございます。年が改まり、干支もねずみから牛にバトンタッチしました!今年の干支に親しむべく、読書アドバイザーの児玉ひろ美さんに、牛が登場する絵本を10冊セレクトいただきました。それぞれどれも、のんびりタッチでユーモラス。ご家族で楽しめる絵本ばかりです。
赤ちゃんから楽しめる絵本も!牛が活躍する絵本10冊
『ももんちゃん のっしのっし』 0歳~
とよたかずひこ・作 童心社
ももんちゃんシリーズの4作目。ももんちゃんとうしさんが、のっしのっしおさんぽ。すると金魚さんが「のせて、のせて」とやってきて…。表紙の牛をひくももんちゃんの凛々しいこと!足の裏まで見せて、のっしのっしと歩きます。
『かぁかぁ もうもう』 2歳~
丹治匠・作 こぐま社
「からすのうたはかぁかぁ うしのうたはもうもうもう」テンポの良いにぎやかな掛け合いの絵本です。それでもうるさく感じないのは、絵の持つおおらかなムードゆえなのかもしれません。
『うし』 3歳~
内田麟太郎・詩 高畠純・絵 アリス館
うしがうしろをふりかえったら、うしがいた。そのうしろのうしもうしろをふりかえると、やっぱりうしがいた。どんどん増える牛の大群!果てなし話の展開に、小さなお子さんから、おじいちゃん・おばあちゃんまで、ご家族そろって初笑い!
『モーモーまきばのおきゃくさま』 3歳~
マリー・ホール・エッツ 文・絵 やまのうちきよこ・訳 岩波書店
牧場の牛さんが友だち皆をパーティにご招待。おいしい草を誰かに御馳走したかったのです。でも、皆が草を好きとは限らず…
『うしはどこでも「モ~!」』 4歳~
エレン・スラスキー・ワィンスティーン・作 アンダーソン・ケネス・絵 桂かい枝・訳 鈴木出版
「なあしっている?イギリスのいぬは、『バウワウバウワウ』ってなくねん。スペインは『グァウグァウ』、フランスは…。「けど、うしは…」まあ、驚きの事実です!なんとも牛らしい牛の表紙に、上方落語の洒脱な語りが楽しい。
『くいしんぼうのはなこさん』 4歳~
いしいももこ・文 中谷千代子・絵 福音館書店
子うしのはなこさんは、とてもわがまま。ごちそうばかリ食べ、むくむく大きくなりました。ある日お百姓さんがお芋とカボチャを山ほど積んで持ってくると、ほとんど一人で食べてしまいます。さあたいへん!お腹がアドバルーンのように膨れてしまい…。
『はなのすきなうし』 4歳~
マンロー・リーフ・おはなし 光吉夏弥・訳 岩波書店
子牛のフェルディナンドは、跳ね回るより、草の上にすわって、花のにおいをかぐのが大好きな。それはもう、穏やかな牛です。ところがある日、猛牛と誤解されて闘牛場へ送られてしまいます。
『おりこうなアニカ』 4歳~
エルサ・べスコフ・作 いしいももこ・訳 福音館書店
アニカは小さな女の子。でも自分のことはもちろん、お手伝いだってできます。ある日お母さんに頼まれて一人で牝牛の番をしにいきます。ところが、牝牛は壊れた柵から逃げ出してしまいます。さあたいへん!でも困っているアニカのもとへは親切な犬や小人がやってきて、ちゃんと助けてくれるのです。
『うしとざん』 5歳~
高畠邦生・作 小学館
なんだか少し不思議な作品ですが、理屈抜きで楽しみましょう。「今日はこれからうしに登ります。どのうしにしようかな?」「つかんで ぎゅ! つかんで ぎゅ!」 短い前あしの毛をつかんで登ります。さて、やっとのことで辿り着いたうしの背には…
『ぼくじょうにきてね』 5歳~
星川ひろ子・文 星川治雄・写真 ポプラ社
「あたしのうちはぼくじょう。あのね、きのうのよるこうしがうまれたの」パパの働く姿を見ながら、まどかは牧場の暮らしに少しずつ慣れ、理解してゆきます。一緒に子牛もすくすく育ち、やがて…
教えてくれたのは

児玉ひろ美(こだま・ひろみ)
公立図書館司書とJPIC(*)読書アドバイザーのふたつの立場から子どもの読書推進活動を展開。幼稚園・保育園から中学生まで、お話し会やブックトークの実践とともに、成人への講座や講演は年100回を超える。近年は短期大学にて「児童文化」「絵本論」の講義を担当し、「2021・2022・2023年度ブックスタート赤ちゃん絵本 選考委員」でもある。著作に『0~5歳子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)等があり、雑誌やWEBでも連載中。
(*)JPIC(ジェイピック):一般社団法人 出版文化産業振興財団

