究極の「いちご大福」を召し上がれ。美味の決め手はこだわりの生産者の「完熟とちおとめ」【榮太樓のお菓子歳時記】

和菓子には、季節や行事に合わせて四季を楽しむ日本人の心が表されています。「白い黄金」と称された貴重な砂糖をつかった和菓子は、まず、富裕層向けに京都で発達し、将軍のお膝元である江戸に広まりました。 文政元年に、江戸・九段に出府を果たした榮太樓總本鋪。およそ160年前に、現在の日本橋の地に店を構えて営業を続け、創業200年を迎えました。和菓子を庶民に届け続けてきた榮太樓總本鋪がお届けする「和菓子歳時記」。ふだんの暮らしで親しんできた和菓子にまつわるエピソードをお楽しみください。

今年からおいしさがバージョンアップ!究極の美味しい「いちご大福」ができました

生のいちごを餡ともち皮でくるんだ「いちご大福」は、昭和の終わりごろに売り出されました。歴史ある和菓子の中では新顔と言えるでしょう。榮太樓では20年ほど前から作っており、季節限定の定番和菓子として人気を博しています。

こだわりの独自栽培品「完熟とちおとめ」を使用

 

「いちご大福」の味を決めるのは何といっても主役の「いちご」です。

榮太樓では、今年から栃木の生産者・野口圭吾さんが営む農園「(株)ハート&ベリー」さんの「完熟とちおとめ」を使っています。様々な生産者さんを訪ね歩きたどりついた逸品です。

通常、スーパーや果物屋さんに並んでいるいちごは、完熟する前に収穫して出荷されたものですが、「(株)ハート&ベリー」さんの「完熟とちおとめ」は、完熟してから収穫されたもの。

味はもちろん、香りもすばらしく、特筆すべきは、完熟しているのに実がしっかりとしていて日持ちがすることです。

いちごは傷みやすい果物です。もし、「いちご大福」を食べて、舌にピリピリとしたものを感じた経験があったとしたら、それは、いちごの水分が発酵して発生する炭酸ガスが原因です。

研究を重ねた独自の栽培法で、完熟していても芳醇な香りを保ちつつ水分が出ないのが「ハート&ベリー」さんの「完熟とちおとめ」。美味しい「いちご大福」に欠かせない条件を兼ね備えている、唯一無二のいちごです。

いちご好きの方にはもちろん、発酵してしまったいちごのせいで「いちご大福」がおいしいと思えない経験をされた方に、是非、召し上がっていただきたい。「いちご大福」への認識が変わるはずです。

 

餡はいちごの味を引き立てる「半小豆餡」

 

美味しいいちごを引き立てるために中身の餡にもこだわりました。榮太樓では、こしあんと白あんをあわせた「半小豆餡(はんしょうずあん)」を使用しています。

こしあんだけでは、小豆の味が強すぎていちごの味を殺してしまう。白いんげん豆から作る白あんは、いちごの味は引き立つかもしれないが、大福の持ち味である豆の香りがない。

「完熟とちおとめ」の味わいを引き立てながら、榮太樓の大福のあじわいを生かすのが、二つの餡を合わせた「半小豆餡」なのです。

銀座三越で「いちご大福」の特設イベント開催

こだわりの「いちご大福」は、榮太樓總本の日本橋本店を始め、百貨店(日本橋三越本店、日本橋高島屋店、玉川高島屋SC店、京王新宿店、アトレ恵比寿店)に入っている榮太樓の売り場で2月14日まで販売しています。(榮太樓總本の日本橋本店と日本橋三越本店は、3月15日まで販売)

また、2月15日から23日に、三越銀座店で「いちご大福」の実演販売イベントを企画しており、こちらでは、「ハート&ベリー」さんのいちごの他に、スカイベリーや、徳島県の「さくらももいちご」というレアな品種を使ったものも販売します。

期間限定の美味しさを是非、味わってください。

 

監修:榮太樓總本鋪(えいたろうそうほんぽ)の歴史は、代々菓子業を営んできた細田家の子孫徳兵衛が文政元年に江戸出府を果たしたことに始まります。最初は九段で「井筒屋」の屋号を掲げ菓子の製造販売をしておりました。が、やがて代が替わり、徳兵衛のひ孫に当たる栄太郎(のちに細田安兵衛を継承)が安政四年に現在の本店の地である日本橋に店舗を構えました。数年後、自身の幼名にちなみ、屋号を「榮太樓」と改号。アイデアマンであった栄太郎は代表菓子である金鍔の製造販売に加え、甘名納糖、梅ぼ志飴、玉だれなど今に続く菓子を創製し、今日の基盤を築きました。

榮太樓ブランドサイト&榮太樓オンラインサイト

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構成/HugKum編集部 イラスト/小春あや

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