90年代にロックバンド「シャ乱Q」としていくつものミリオンセラーを記録し、またヴォーカルユニット「モーニング娘。」などのプロデュースも手がけ、マルチな才能で音楽業界をけん引してきた、つんく♂さん。
2014年には喉頭がんのため声帯を摘出するという困難に見舞われながらも、精力的な活動をつづけています。
2017年9月24日(日)には、キッザニア東京で開催された親子のためのスペシャルイベント「つんく♂プロデュース It’s a Kid’s Dance World!」の総合演出をつとめました。
そんなつんく♂さんに、1年生をもつママやパパへのメッセージや、親子での音楽の楽しみ方、そして「つんく♂プロデュース It’s a Kid’s Dance World!」の魅力を語っていただきました。
■アイドルのプロデュースより子育てのほうが難しい
子育ては本当に難しいですね。たとえば、アイドルのプロデュースは僕の思っているとおりに進めていけばすべて丸くおさまります。
でも子育てはすべて思い通りには行かないし、思い通りに行っても丸くおさまるとは限らない。だから、「子育て」と考えず、「親育てられ」ぐらいに思っていく感じですかね。
僕が40歳過ぎてから、子どもたちのおかげでどんどん成長しているように思いますよ。
■1年生をもつママやパパに伝えたいこと
うちの双子の長男長女はもう9歳。ほとんどしてあげるべきことは終わったように思っています。たいていのことは自分でできるし、したいことも決まっているし。
子どもといっしょに楽しめる時間は短いです。だから、小学1年生あたりっていちばんベストな時期なんです。なので、いい天気の日があったら惜しまず、外に遊びに行ってほしいですね。
それから気持ち的な面では、女の子のことは6歳くらいのときもレディ扱いするというか。ときにはデートしてエスコートしたりしてね。1対1の付き合いをしていたのを覚えていますよ。
長男も4歳か5歳のころに仮面ライダーカフェにママとデートしたことをいまだに覚えてます。
そういう1対1の体験をしておくとよいと思います。
異性でという意味ではないですよ。「親と子」でなく「1対1」という意味です。対等に付き合うんです。
僕は息子と釣りに行く時、気持ちは「1対1」です。どっちが大物を釣るかはガチの勝負。わざと負けたりはしません。
子ども扱いせずひとりの人として見ることが、子どもを成長させるように思いますね。
■子ども目線の音楽作りだけはしない
音楽に関していうと、大人よりだんぜん感受性が高いのが子どもです。英語や日本語に関係なく。「かっこいい」とか「刺激的なもの」に興味を持ちます。そして覚えるのも早いです。
こんな話があります。僕は大人になって「シャ乱Q」が売れ、「モーニング娘。」が始まって以降、1800曲以上の曲を作ってきましたが、音楽はいつの間にか「仕事で使うもの」になっていました。
でも数年前に病気をしてから、仕事のスタンスがちょっと変わったんですね。 そんな頃、子どもといっしょにテイラー・スウィフトとかアリアナ・グランデとかを聴くようになって、僕が学生時代に音楽を「楽しむもの」として聴いていたのを思い出したんです。
で、テイラーが来日するからと家族でライブを観に行ったんですね。その時は子どものために遊園地にいくような感覚でもなく、大人の集まりに子どもを連れて行くのでもなく、親も子も全員同じ気持ちで楽しんだんです。
僕も、僕よりずっと年下のテイラーの登場のとき、「お~!テイラー!」って手を振ってました、子どもと一緒に(笑)。その時、「あ、こんな感覚忘れてたな」って思いました。
なので、音楽を子どもといっしょになって楽しめる、そんな時間って大事なんじゃないかなって思います。
どこまでの刺激を与えるかは教育方針によるとは思いますが、僕もEテレなどで子どもの音楽を作らせていただくとき、子ども目線の音楽作りだけはしないように心がけています。
どこかのクラブでDJが曲をかけたら、それが子ども番組の曲だと知らずに外国人が踊りだすようなサウンドであれ!って、いつも思って作っているんです。
■親子で本格ダンスパーティーを満喫してほしい
ところで、最近親子でおしゃれして出かけたことってありますか? お子さんの七五三とか入学式とか、親戚の結婚式くらいではないでしょうか。
「つんく♂プロデュース It’s a Kids Dance World」は、ただのダンスパーティーじゃありません。
大人はもちろん、お子さんもセレブな感覚で背伸びしておしゃれをして来ていただきたいイベントなんです。
そして、世界中の最新ヒットナンバーからスタンダードナンバー、J-POP、アニメソングまで、数々のダンスミュージックとともに踊ったりはしゃいだりして、音楽を心から楽しんでいただきたい。
パーティーチューンを家族でおしゃれして楽しんでいただきたいんです! このイベントは、そんなきっかけの日にしてもらいたいと思っています。
子どもにとっては、より質の高いエンターテインメントを知ることで、視野が広がっていくように思います。その世界を体験できるのがこの「つんく♂プロデュース It’s a Kids Dance World」なんです。
ちなみにこの日はヘアメイクやネイルも現地でできるよう、メイクブースをセットします。
入場時にはシャンパングラスでウェルカムドリンクをご用意していますよ! もちろんお菓子もね。
さらにスタイリッシュな撮影ブースもあるので、いままでにない家族の記念写真も撮れるんです。最後は、ベストドレッサー賞やベストファミリー賞、MVPも発表しますよ。
当日はキッザニアでいつもの職業体験も楽しみながら、この本格イベントにぜひ参加してくださいね!
(※「つんく♂プロデュース It’s a Kid’s Dance World!」は、終了しました。)
(ライター/菅原裕佳子)
つんく♂
1968年10月29日生まれ。大阪府出身。音楽家・エンターテインメントプロデューサー、作詞家、作曲家。1988年、「シャ乱Q」を結成。92年にメジャーデビューし4曲のミリオンセラーを記録。その後、ヴォーカルユニット「モーニング娘。」をプロデュース。ハロー!プロジェクトをはじめ数々のアーティストのプロデュースやNHK Eテレ「いないいないばぁ!」を含む1800曲以上の楽曲提供、サウンドプロデュースを手がける。
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