目次
SDGs(持続可能な開発目標)は身の回りにもいっぱい!
SDGs(持続可能な開発目標)という言葉、さまざまな所で見聞きするようになりましたね。ただ、「地球規模の壮大な目標?」「企業ががんばって取り組む課題なのかな?」と、全容がわかりにくいのではないでしょうか。実はSDGsは家庭でも取り組めることもたくさんあります!
★そもそもSDGsって何?
現在地球上には、さまざまな問題がありますね。戦争や貧困、差別。そして環境問題、エネルギーの問題…。このままでは、地球で暮らしていくことさえも難しくなっていってしまうかもしれません。そのために、国連のサミットで、地球上で起こっている問題を整理して解決への道筋をつくった計画「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(※アジェンダ=計画)が定められました。この中に記載されたものが「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」略してSDGs。2030年までに達成を目指す17の目標が定められています。
SDGsが3分でわかる動画
家庭でのSDGsに注目する前に、17項目ある目標について、それぞれどんな内容なのか、こちらのわかりやすい動画をチェックしてみましょう。Youtubeの『みらいいチャンネル』ではSDGsの各目標について、たった3分間でとても分かりやすく解説しています!
17も目標があって大変だと感じたかもしれませんが、興味のある分野や、身近なことから注目していきましょう。では、ここからは家庭でのSDGs事例をくわしく見ていきましょう。
食事に注目!食生活でできる3つの取り組み
エシカル消費を意識してみよう
エシカル消費という言葉を知っていますか? 人、社会、地域、環境に配慮して消費をすることをいいます。例えば、フェアトレードのものを購入する、リサイクルのものを購入する、地産地消を心掛ける、福祉作業所の製品を購入する…など、できることはたくさんあります。
▲出典:消費者庁
「食」でのエシカル消費
エシカル消費につながる食品も多くあります。たとえば魚はサステナブルシーフード(注1)のものを選ぶ、コーヒーやお茶、チョコレート、はちみつなど輸入品などもフェアトレード(注2)のものを選ぶことなどがエシカル消費になります。
注1)サステナブルシーフード:水産資源や環境に配慮し適切に管理されたMSC認証を取得した漁業で獲られた水産物、あるいは環境と社会への影響を最小限に抑えたASC認証を取得した養殖場で育てられた水産物のこと。
注2)フェアトレード:貧困のない公正な社会をつくるために、途上国の経済的社会的に弱い立場にある生産者と経済的社会的に強い立場にある先進国の消費者が対等な立場で行う貿易です。 適正な賃金の支払いや労働環境の整備などを通して生産者の生活向上を図ることが第一の目的です。
「ミートフリーマンデー」をやってみよう
また、一週間に一日、肉食をしない日を設ける、ミートフリーマンデーという活動もあります。
実は畜産物を生産するためには、餌の穀物や水が大量に必要だったり、食肉として流通するまで冷蔵するためのエネルギーが必要だったり、放牧用の土地確保のため森林伐採が必要だったりと、肉食は環境に与える影響が大きいことが知られています。ベジタリアンと違い、週に一日だけという始めやすさからか、ミートフリーマンデーの活動は世界中に広まっています。
ただ、自分の生活には向いていないという場合や、食べ盛りの子どもがいたり、手をかけた食事を作る時間が持てなかったりする場合もあるでしょう。ミートフリーマンデーの活動をヒントに、自分の食生活にSDGsが取り入れられるようアレンジしてみてはいかがでしょうか。ミートフリーのランチやお弁当の日を決める。家族には強要せず、自分だけでもミートフリーを実践してみる。など、自分の生活に合った取り入れ方があるはずです。
冷蔵庫の食品を使い切ってロスを減らそう
みなさんは、食品ロスの半数近くが家庭から発生していることを知っていますか? 下の図からもわかるように、一人当たり1日132gの食品を捨て続け、その量は1年でなんと一人当たり約48kgにもなっているというのが現状です。
▲参照:農林水産省(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/161227_4.htm)
また家庭での廃棄の理由を詳しく見てみると、食べ残しをしたり、食品を腐らせてしまったりしていることがわかります。
▲参照:消費者庁 pamphlet_181029_0004.pdf (caa.go.jp)
各家庭の日々の取り組みで改善していかなければならないでしょう。買う量や作る量を減らす、食品を早めに使い切れるよう買い物のタイミングを工夫をするなど、できることをぜひ実践していきたいですね。
水・電気はムダにしていない?節約できるところを探してみよう
子どもと一緒にSDGsについて学び、家庭内で取り組めることはないか、探してもらうのも良い方法です。水や電気の無駄使いをしていないか、毎日の生活の中で子ども自身ができることを発見するチャンスです。水や電気の消費を減らすためにはどうすればよいか、子どもにアイディアを出してもらい、家ですぐに実践してみるといいですね。
▼節約できるものを探す際、関連する目標はこちらです。
家庭でも男女平等の意識を育もう
現状の日本で、男女平等というには、まだ課題が多く残されています。「女の子だから○○をしないでね。」、「男の子だから○○だよね?」というような表現をつい言ってしまいますね。しかし無意識の発言でも、ジェンダーの役割を子どもに刷り込んでしまう恐れがあります。
子どもの「こんなことが学びたい」「こんな習い事がしたい」といった願いを、女の子だから、男の子だからという理由で制限せず、共感して取り組ませてあげることが大切です。
また、家庭では男女で家事や育児を分担できるといいですね。仕事の都合や、家事にかかる労力、時間などに、それぞれが納得し、平等だと思えるまで内容を話し合ってみましょう。誰もが活躍できる社会の実現に向け、まずは家庭からジェンダーにとらわれない意識を育んでいきましょう。
▼男女平等に関連する目標はこちらです。
子どもと一緒にSDGsが学べるおすすめ本
家庭でSDGsを実践する時に心掛けたいのは「できることをやる」ことです。無理のある目標を立ててしまっては、続けることが難しくなってしまいます。
子どもと一緒にSDGsに取り組むなら、こちらの本もおすすめです。本などは普段よく目につくところに置いておき、テレビで話題が出た時などに、すぐに調べられると意識も高まっていきますね。
こどもSDGs(エスディージーズ) ✴︎なぜSDGsが必要なのかがわかる本✴︎
未来を担うこどもたちに対し、SDGsと世界が直面する解決すべき問題、そして私たちの生活との関連をわかりやすく解説。専門的な言葉もやさしく説明しているので、大人にもわかりやすい内容になっています。
自分自身の行動が未来を変える
17の目標すべてに目を通すと、あまりにも解決しなければならない課題が多く、途方に暮れてしまいまそうです。個人にはどうしようもない課題も多くあります。
ただ、自分自身が行動をすることが、少しずつ未来を変えていきます。また、子どもは大人の事をよく見ているので、思いは必ず伝わります。大人が地球・環境や社会に対して正しい行動を自ら行い、子どもたちに伝えていく。子どもたちは、環境・社会に対して持続可能な行動を自然に身につけ、実践できるように育ってくれたら、未来は明るいのではないでしょうか。
記事監修
「いいなぁ、みらい」をコンセプトに、子どもたちのみらいを切りひらくための機会を提供。webメディア「みらいい」やYouTube「みらいいチャンネル」を中心とした先端教育に関する情報発信や成功体験を得るプロジェクトを推進。プログラミング教育やSTEM教育、SDGsに関する情報格差の解消を目指します。