世界自転車デーを知っていますか? その目的・歴史・由来や取り組みを徹底解説

自転車は、移動手段としてだけではなく、サイクリングやスポーツ競技に使われるなど、世界中の人たちから愛される乗り物です。自転車の独創性、汎用性、耐久性は、人の発展とともに進化してきたといっても過言ではありません。

この記事では、自転車を国際的に祝う記念日「世界自転車デー」をご紹介します。世界自転車デーの目的・歴史・由来、取り組みなどをくわしく解説。また、世界自転車デーと類似した日本の自転車にまつわる記念日もご紹介していきます。

「世界自転車デー」ってどんな日?

日本は、自転車の普及台数が世界第6位の自転車大国です。2005年の統計によると、人口100人あたりに対して、自転車の保有台数は68台。これは2人に1人以上が自転車を所有していることになります。

日本人の生活に根づいている自転車に、特別な記念日があることをご存じですか? それが国際デーのひとつに制定されている「世界自転車デー」です。ですが、聞いたことがないという方も多いはず。世界自転車デーとは、一体どんな日なのでしょうか? 今回は、その目的・歴史・由来などを解説していきます。

2021年の「世界自転車デー」はいつ?

国際的な記念日とはいえ、世界自転車デーを知らない人のほうが多いのでは。そもそも、世界自転車デーとは、いつなのでしょうか?

まずは、2021年の世界自転車デーの日付からご紹介します。

今年の「世界自転車デー」は6月3日木曜日

2021年の世界自転車デーは6月3日木曜日です。

国際デーのひとつとして定められている世界自転車デーは、毎年6月3日に行われる記念日です。ちなみに、過去3年と来年以降の3年は、以下の曜日になります。

  • 2018年6月3日日曜日
  • 2019年6月3日月曜日
  • 2020年6月3日水曜日
  • 2022年6月3日金曜日
  • 2023年6月3日土曜日
  • 2024年6月3日月曜日

「世界自転車デー」とは?

世界自転車デーは、国連(国際連合)が採択した国際デーです。英語表記は「World Bicycle Day」。

ところで、国連は、どのような意図を持って、この世界的な記念日を設けたのでしょうか?  ここからは、世界自転車デーの目的・歴史・由来を解説していきます。

目的

国連が世界自転車デーを採択した目的は、シンプルで手軽、信頼性に優れ、環境に優しく、持続性が高いエコロジーな自転車を世界に推奨するためです。

自転車は、単なる移動手段にとどまらず、利用者の健康や運動能力などを促進する効果が期待できます。世界的な健康問題、貧困問題などの対策として、さらに環境面や交通インフラ整備の一環にも自転車を活用していく狙いがあるようです。

歴史

世界自転車デーは、2018年の国連総会で採択された、まだ新しい国際デーです。

もともとはアメリカの社会学教授レシェク・シビルスキー氏による草の根運動から始まりました。同教授は、世界自転車デーの国連決議を推進し、世界56ヵ国の支援を集めました。最終的には加盟全193カ国の賛成によって、国連総会で採択され、2018年4月12日に世界自転車デーが宣言されました。

由来

自転車の歴史は1800年代のはじめにスタートしました。最初はペダルはなく、足で地面を蹴って前に進みました。その後、前輪にペダルがつき、タイヤにゴムが使われ、1800年代後半になるとチェーンで後輪をまわす、現在の自転車の原型が生まれました。

自分の足で漕ぐだけで、遠くまで行ける自転車は、人の進歩や前進はもちろん、自由を象徴しているといわれています。近年は特にエネルギーの大量消費や地球温暖化への懸念から自転車を見直す動きも進み、国連は、自転車を「持続可能な交通手段の象徴であり、消費と生産を促進する前向きなメッセージを伝え、気候によい影響を与える」とし、世界自転車デーを制定しました。

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「世界自転車デー」の取り組み

便利で、子どもでも乗ることができ、環境にも優しいなどの優れた特徴を持った自転車。そんな自転車を世界中に普及促進させるために、国連はどのようなアプローチをとっているのでしょうか?  ここからは、世界自転車デーの具体的な取り組みをご紹介します。

開発戦略や交通インフラ計画に自転車を奨励する

国連は、加盟国に対して、横断的な開発をおこなう際、開発戦略やプログラムなどに自転車を含めるよう、強く奨励しています。

また、歩行者の安全とともに、自転車の機動性を積極的に保護・促進するため、道路の安全性を改善し、持続可能な交通インフラの計画と設計に向けて、統一化を図るよう推奨することも国連の取り組みのひとつです。

国連のページ(英語)はこちら

自転車を使った健康的なライフスタイルの啓発活動

国連は、加盟国の子どもや若者の教育や健康の増進、病気の予防、寛容性と相互理解、社会参加と平和文化を促進するため、国際的な自転車の活用を強く勧めています。

また、世界自転車デーは、1型糖尿病や2型糖尿病の人々に対する健康的な生活の啓発活動にも役立っています。

ロゴマークやハッシュタグの制作

世界自転車デーは、まだ制定されて間もない記念日ですが、すでにロゴマークやSNSで使うハッシュタグが作られています。

ロゴには、世界中を走るいろいろな種類の自転車が描かれています。これは自転車はすべての人の手に届く場所にあり、すべての人に役立つというメッセージをあらわしたものです。

これも世界自転車デーを国際的に普及促進するために国連がおこなっている取り組みの一環といえるでしょう。

ハッシュタグ:#June3WorldBicycleDay

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「世界自転車デー」と類似した日本の記念日

日本には、国連が制定した世界自転車デーと似たような自転車に関連した記念日があります。

ここでは、世界自転車デーと類似した日本の記念日として、「自転車月間」「自転車の日」「サイクリングの日」と3つの期間や記念日を見ていきましょう。

自転車月間

「自転車月間推進協議会」は、毎年5月1日~5月31日までの1カ月間を「自転車月間」と定めています。これは2016年に成立した「自転車活用推進法」によって、国が定めている取り組みのひとつです。

環境に優しい自転車の安全な利用方法や利用者のマナー向上、自転車による健康増進などをアピールすることが目的とされています。毎年5月には、自転車の可能性や自転車が提起する問題を考える機会として、さまざまなイベントが実施されています。

公式URL:http://www.bpaj.or.jp/

自転車の日

ゴールデンウィーク中の5月5日は、もちろん「子どもの日」ですが、同時に「自転車の日」でもあります。1998年に自転車月間推進協議会が制定しました。交通安全の促進と自転車の正しい知識を普及させることが目的です。

毎年5月5日には、自転車交通安全教習や自転車シュミレーターを使った安全講習、おもしろ自転車や高級スポーツ自転車の試乗会など、各地でさまざな行事が行われています。

サイクリングの日

5月22日は「サイクリングの日」です。これは「日本サイクリング協会(JCA)」が2009年に制定したものです。

人や環境に優しく、健康の維持・増進が期待できる自転車を積極的に活用し、サイクリングに対する関心と理解を得ることが目的です。

ちなみにサイクリングは、1961年に制定されたスポーツ振興法の中で「国民の心身の健全化に有効」として、国からも推奨されています。

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世界が抱えるさまざまな問題を考えるきっかけに

世界自転車デーは、毎年6月3日に行われる自転車の国際的な記念日です。

2018年に制定されたばかりの国際デーですが、国連をはじめ、世界の加盟国や自転車団体などによる推進・啓発・奨励活動で、その認知度は徐々に高まっています。ロゴやハッシュタグも世界自転車デーの認知度アップに大きく貢献しているようです。

自転車は、200年の歴史を持つ身近な乗り物です。だからこそ、世界自転車デーを通して、健康や体力増進はもちろん、エネルギー問題や環境問題などを考えるきっかけにしてみてください。

文・構成/HugKum編集部

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