キャベツはサラダから主食まで活用できて、頼れる万能野菜の代表ですね。ひと玉あればアレンジが効くので、計画的な作り置きにピッタリです。今回はキャベツの作り置きについて、詳しい方法をご紹介します。
お手軽! キャベツの作り置きのポイント
キャベツは生で食べるのはもちろん、茹でても炒めてもおいしく、調理法が幅広い野菜です。しかも保存は冷蔵だけでなく、冷凍しても大きな変化がないことから、作り置きの方法は多岐に渡ります。その中からいくつかの方法を実践してみると、ひと玉使いきるのもあっという間です。
下処理の方法
まずは基本的な下処理の方法から確認していきましょう。
芯をぬく
キャベツの芯を残したままにしておくと、葉の養分が抜け続けるので、早めにはずしてしまいます。芯をぬくことで葉がはがしやすくなり、洗いやすくなるメリットもあります。
方法は、包丁の先を芯の周囲に差し入れ、切れ目を入れます。包丁は真っ直ぐに差してから抜くだけを繰り返し、キャベツを回転させていくのがコツです。何度も抜き差しするので、転がらないように手でしっかりと押さえてくださいね。
半分に切ったキャベツなら、もっと安全にはずせます。カボチャほどは固くないので、怖くない範囲で試してみてください。
葉をはがす
巻きが固い冬キャベツは、はがす途中で破れやすいものです。そんな時には、外側から一枚ずつ、流水を当てながらはがしていくと簡単です。芯をはずしたことで、水流の力だけでもはがれていきます。
筋をとる
固い筋を残したまま調理すると、薄い葉と比べて火の通りが遅く、焦げる原因になるので、切り離します。
ロールキャベツのように大きな葉が必要な場合は、包丁を寝かせ、りんごの皮むきの要領で平らにそいでいきます。
このはずした筋には、甘味と栄養がたっぷり含まれています。葉とは別に保存して、刻んだり、フライやかき揚げにすると、おいしくいただけます。
乱切り、千切り
洗った葉は4cm角程度の乱切りにして、保存袋に平にして詰め、しっかりと空気を抜いてから封をします。
千切りの場合は、2~3枚の葉を重ねて丸め、はじから細かく切っていきます。
千切りキャベツは揚げ物の付け合わせに添えてください。また、塩もみすると、驚くほどかさが小さくなります。ツナ、卵、ハム、サラダチキン、カニカマなど、お好みの具材でサラダにいかがでしょうか。
キャベツ(各200g)ずつを乱切り、千切りにしたものと、ひと玉分の筋(200g)を集めて保存袋に入れました。これでキャベツの半玉分です。
切ってそのまま保存する
こうして下処理をしたキャベツは、冷蔵庫で20日間、冷凍庫なら1カ月の保存ができます。
解凍する時は、ボウルに入れて流水解凍して、サラダや和え物に使ってください。冷凍したキャベツは茹でたように柔らかく、食べやすくなります。また加熱調理なら、解凍せずにそのまま使っても、食感は変わりません(レシピの項で詳しくご紹介します)。
キャベツは冷凍しても扱いやすいので、焼きそばや野菜炒め、ポトフを作る時の時短になります。
味付きで冷凍する
キャベツは調味料と和えてからストックしておくのも、おすすめです。味がなじんで食べやすく、加熱調理に使い回すことも可能です。冷蔵庫での保存は、3~4日のうちに食べてください。
さらに、冷凍することで1カ月の保存ができます。使う時は、先ほどと同様に流水解凍か、凍ったまま加熱調理に加えます。
解凍後も生で食べられるので、お弁当の保冷にも活用できます。
塩こんぶ、和風だし
乱切りしたキャベツ(200g)を保存袋に詰め、塩こんぶ(大さじ1)を加えて封を閉めます。そのままシャカシャカと振り混ぜたあと、空気を抜いて保存します。
同じように、和風だしの袋の中身(半分程度)を和えて保存すると、青じそやみょうがを添えるだけで一品に仕上がります。
マリネ
オリーブオイル(大さじ2)、塩、こしょう(適量)をまぶして保存します。お好みのハーブや、カレー粉でのアレンジもOK。または酢やきゅうりも一緒に加えてストックしておくのも可能です。
左から、塩こんぶ味、和風だし味、マリネに和えたものです。先ほどの3袋と合わせてひと玉分のカットが終わりました。
キャベツの作り置きおすすめレシピ
ここからは袋詰めしたキャベツの利用法と合わせ、作り置きができるレシピを多数ご紹介します。冷凍もうまく活用しながら、手間と時間を効率よく減らすヒントにしてください。
ちゃんちゃん焼き
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
【A】
鮭(2切れ)
しいたけ(3個)
葉ネギ(1本)
バター(10g)
【B】
酒(大さじ2)
砂糖(大さじ1)
味噌(大さじ1と1/2)
乱切りのキャベツ(200g)
◆作り方
【1】フライパンにサラダ油(分量外)を温め、鮭を皮目から焼きます。しいたけも加え、全体に熱が回ったらキャベツを入れます。【B】を混ぜたものを回し入れ、ふたをして蒸し焼きにします。
【2】キャベツがしんなりしてきたらバターと葉ネギを加え、余熱で温めれば完成。
塩昆布キャベツとちくわの和え物
サッと作れて、お弁当の隅にも入れられます。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
ちくわ(4本)
塩昆布味のキャベツ(200g)
◆作り方
【1】塩昆布味のキャベツに、切ったちくわを和えれば完成。
和風だし味のキャベツとベーコンのお味噌汁
ここでは、和風だしで味付けをしたキャベツを、冷凍してから使う手順を合わせてご紹介します。解凍後の変化も確認しながら、調理の参考にしてください。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
ベーコン(75g)
味噌(大さじ1)
水(400㏄)
和風だし味のキャベツを冷凍保存したもの(200gの内、半分の100g)
◆作り方
【1】鍋に水を入れて沸かし、ベーコンを茹でます。
【2】冷凍した和風だし味のキャベツを半量、鍋に加えて茹でます。特に解凍の必要はなく、冷凍のまま加えてください。袋のまま手でもむと、バラバラになるので必要量が取り出せます。
【3】全体が温まったら、味噌を溶かせば完成です。和風だしとベーコンの塩分があるので、味噌は通常の半分量です。
ここからは一品を作り置きできるレシピのご紹介です。1週間に2回くらいまとめて作り置きすると、毎日の調理時間が少なくなりますよ。
野菜たっぷりコールスロー
レモンとはちみつを加えた手作りドレッシングで。
◆材料
(大人3人分+子ども3人分)
【A】
キャベツ 1/6個(200g)
きゅうり 1本
にんじん 1/2本
塩 適量
コーン(缶詰) 小1缶
【B】
マヨネーズ 大さじ3
レモンの絞り汁 大さじ1
はちみつ 小さじ2
◆作り方
【1】【A】はそれぞれせん切りにして合わせ、塩をふる。
【2】【1】がしんなりしたら、水けをしっかりと絞り、缶汁をきったコーンと合わせ、混ぜ合わせた【B】で和える。
教えてくれたのは
YOMEちゃん
愛情たっぷりの育児日記と日常のアイデアあふれる献立をつづ ったブログ「よめ膳@YOMEカフ ェ」が人気で、毎月200万アクセスを誇る。女の子のママ。
『めばえ』2014年6月号
包まないロールキャベツ
それぞれ電子レンジで作って、盛り合わせるだけ。新しいロールキャベツの作り方を発見!
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
キャベツ 1/2個(500g)
合びき肉 200g
【A】
玉ねぎ 1/2個(100g)
にんじん 1/3本(50g)
トマト 1個(100g)
【B】
トマトケチャップ 1/2カップ
オイスターソース 大さじ2
水 1/2カップ
◆作り方
【1】キャベツは芯を除き、ポリ袋に入れて小皿にのせ、電子レンジで8分加熱して水にとる。
【2】大きい葉は2枚、小さい葉は2枚ほど重ね、手前と左右を折りたたんで俵型に巻き、器に盛る。
【3】【A】を細かく切り、合びき肉とともに耐熱ボウルに入れ、【B】を加えて混ぜる。両端を5mmずつあけてラップをかけ、電子レンジで12分加熱して、 【2】にかける。
*お好みでパセリのみじん切りを散らしても。電子レンジの加熱時間は、600Wの場合です。500Wの場合は2割増、700Wの場合は2割減にしてください。
◆ポイント
■キャベツはポリ袋で加熱
ポリ袋が水蒸気で破裂しないよう、口は閉じないでおく。火の通りにムラがないよう小皿にのせて加熱。
教えてくれたのは
村上祥子さん
福岡在住。国内外を飛行機で飛びまわる「空飛ぶ料理研究家」。電子レンジ料理のエキスパートであっと驚く独自のワザを次々に開発中。
『ベビーブック』2011年7月号
キャベツ巻きみそカツ
薄切り肉は味噌を塗ることで柔らかく。せん切りキャベツと一緒に巻いて、外はカリッと、中はふわっと柔らかく仕上げます。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
豚ロース薄切り肉(8本分) 16枚
みそ 大さじ1と1/2
キャベツ 200g
小麦粉・溶き卵・パン粉・揚げ油 各適量
◆作り方
【1】キャベツは太めのせん切りにし、耐熱ボウルに入れてラップをかけ、電子レンジで4分加熱し、水けを絞る。
【2】豚肉は2枚1組にし、縦に並べて置いて端を少し重ねて押し広げ、みそ1/8量を塗る。【1】の1/8量のキャベツを手前に置いてくるりと回巻き、キャベツを包み込むように左右から肉を折りたたんで巻き上げる。
【3】【2】に小麦粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつける。
【4】油を170℃に熱して【3】を入れ、3~4分かけてこんがり揚げる。食べやすいように、それぞれ3等分に切り分ける。
※電子レンジの加熱時間は、600Wの場合の目安です。
◆ポイント
みそを豚肉に塗って味をつけておくと食べやすい。
教えてくれたのは
藤井 恵さん
簡単に作れて、栄養バランスがよく、おいしさのセンスが光るレシピが人気。藤井家の毎日のごはんを綴ったブログも参考になります。
『めばえ』2016年1月号
余裕が生まれる作り置き
キャベツの作り置きを活用すると、ヘルシーでおいしさも損なわないので、時間と心に余裕ができます。ゆっくりといただく家族との食事の時間が、一層楽しくなるかもしれませんね。
構成・文・撮影(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)