離乳食の「ごっくん期」はいつのこと?量の目安や進め方と次へのステップを解説

こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。離乳食の本を見ていると「ごっくん期」という表記をよく見かけます。ごっくん期とは具体的にどの時期で、どんな離乳食を与えるのでしょうか?今日は、ごっくん期についてお話しします。

離乳食のごっくん期はいつのこと?

ごっくん期は、おおよそ生後5〜6ヶ月の赤ちゃんの離乳食の時期のこと。離乳食初期という言い方をすることもあります。赤ちゃんが5~6カ月になり、首がすわり、支えがあれば座れる、大人が食べている様子をじっと見ていたり、よだれを垂らしているような様子が見られたら離乳食開始の目安です。

ごっくん期の赤ちゃんの食事の特徴

では、具体的なごっくん期の離乳食の特徴です。

食事の回数: 1日1回〜2回食

最初の1ヶ月は、1日1回食で2ヶ月目から1日2回食に進めます

食べ物の形状: ポタージュ状、ヨーグルト状

口(舌)の動き:舌が上下に動く

食べさせ方:やや後ろに傾けて抱っこして与える

ごっくん期に食べられる食材

炭水化物

最初の1ヶ月は10倍がゆ(米1に対して水が10で炊いたおかゆのこと)を潰した10倍つぶしがゆ。2ヶ月目から、10倍がゆになります。2ヶ月目からは他にも、食パン、うどんも食べられるようになります。食パンは、水やミルクでとろとろの形がなくなるまで煮る。うどんは裏ごしする。

野菜

  • 根菜類

にんじん、だいこん、かぶ、玉ねぎなど

皮をむいてからやわらかく煮て、裏ごしし、煮汁を加えてなめらかなポタージュ状、ヨーグルト状に仕上げる

  • 果菜類

かぼちゃ、トマトなど

皮、種、ワタなどを取り除き、湯がいて(煮て)裏ごしし、必要があれば煮汁を加えて、なめらかなポタージュ状、ヨーグルト状に仕上げる

  • 葉物野菜

ほうれん草、小松菜、キャベツ、白菜、ブロッコリーなど

茎や軸は使わず、葉先のやわらかい部分を使うやわらかくなるまで湯がいて(煮て)裏ごしし、必要があれば煮汁を加えて、なめらかなポタージュ状、ヨーグルト状に仕上げる。

魚は、おかゆ野菜、豆腐に食べ慣れたらスタートさせます。白身魚を食べられます。

鯛、ヒラメ、カレイなどの白身魚が食べられます。また、しらす は、湯がいて塩抜きしてから食べることができます。

魚は、加熱後、裏ごしするか、すり鉢で細かくなるまですり潰して与えましょう。

固さは・・・最初はポタージュ、慣れてきたらヨーグルトを目安に

これまで、母乳や育児用ミルクなど液体しか飲んでこなかった赤ちゃんです。身体機能や内臓機能が未発達なので、「さあ、食事を始めますよ」と、急に固形物が食べられるようになるわけではありません。ごっくん期は食材を裏ごしするのが基本。裏ごししたら煮汁などの水分を加えて滑らかにします。最初は、液体に近いポタージュ状まで伸ばします。離乳食に食べ慣れてきたら徐々に水分量を減らしていき、ヨーグルト状、ベタベタ状と滑らかさを変えていきます。

食材の進め方の順番

まずは、10倍つぶしかゆから食べさせます。初日は、スプーンひとさじからスタート。赤ちゃんが欲しがっても必ず量は守りましょう。2~3日ごとにひとさじずつ増やしていきます。10倍つぶしがゆを1週間食べたら、野菜にチャレンジします。同じ野菜を2~3日食べたら、次の野菜に進みます。1カ月ほどたったら豆腐にチャレンジします。豆腐を経験したら、しらすや白身魚、固ゆでした卵黄にチャレンジしていきましょう。

新しい食材は1日1種類だけ。2~3日食べてみて体に変化がなければ次の食材に進みます。

ごっくん期の献立例

ごっくん期は、離乳食のお試し期間。ですので栄養のメインは母乳や育児用ミルクです。目安量はあくまで「目安」。目安量に達しない場合も気にせず、満足するまで母乳や育児用ミルクを飲ませてあげましょう。逆にもっと欲しがる子の場合。まだ離乳食をスタートしたてですので、欲しがるだけ与えるのではなく目安量を守った方が、内臓がビックリせずに安心でしょう。

ごっくん期の量の目安

炭水化物(おかゆ) 30~40g

ビタミン•ミネラル 15~20g

タンパク質

豆腐 25g

魚 5~10g

代表的な献立例

献立例 その1

ブロッコリーかゆ (10倍かゆ30g ブロッコリー5g)

豆腐とにんじんのペースト (豆腐30g にんじん10g)

献立例 その2

10倍がゆ 30g

鯛のすり流し 5g

かぼちゃサラダ (かぼちゃ15g ほうれん草5g)

ごっくん期から次のステップ

ごっくん期を2カ月過ごしたら、次はもぐもぐ期です。もぐもぐ期にステップアップするときの注意点です。これまで、裏ごしした滑らかな離乳食を食べていた赤ちゃんに、「さあ、今日からもぐもぐ期だからみじん切りね」と急に形状を変えるのは、対応できず、ツブツブが嫌で吐き出す子もいます。未発達な内臓を守るためにも、少しずつツブツブの量を増やしていきましょう。例えば、裏ごししていたのをすり鉢ですりつぶしてみたり、裏ごしに少しずつツブツブを増やしていくのもいいでしょう。また最初に形状を変える食材は、イモ類やかぼちゃ、豆腐のようにやわらかい食材からするとよいでしょう。

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ごっくん期のおすすめレシピ

小松菜とトマトのおかゆ

材料

10倍かゆ 30g

トマト 10g

小松菜 5g

作り方

1.トマトは湯むきをして皮と種を取り除き裏ごしする

2.小松菜の葉の部分を柔らくなるまで湯がいて裏ごしする

3.1をおかゆにまぜ2をおかゆの上に乗せる

かぼちゃとたまねぎのペースト

材料

かぼちゃ 15g

たまねぎ 5g

昆布だし 150ml

作り方

1.かぼちゃは、皮と種、ワタを取り除き、1㎝幅に切る。たまねぎは皮をむき1㎝幅に切る

2.昆布だしに1を入れて柔らかくなるまで湯がき、裏ごしして滑らかにする

 

豆腐とにんじんのペースト

材料

豆腐 25g

にんじん10g

 

作り方

1.豆腐とにんじんを湯がく

2.1を裏ごししてにじりを加えて滑らかにする

しらすとじゃがいものペースト

材料

しらす 5g

じゃがいも 30g

作り方

1.しらすは湯で湯がく。じゃがいもは皮をむき1㎝幅に切る

2.じゃがいもをお湯でゆでる

3.1と2を裏ごしして、煮汁や湯冷ましでなめらかにする。

 

ほうれん草とバナナ

材料

ほうれん草 3g

バナナ 15g

 

作り方

1.ほうれん草の葉の部分を取り、湯がいてアクを取る

2.1とバナナを裏ごしする

 

 

ごっくん期は、まだまだ離乳食がスタートしたばかり。栄養や食べる量も大切ですが、今最も大切なあことは「離乳食(食事)の時間って最高に楽しいな!」と思えることです。楽しい雰囲気の食事時間を過ごしてくださいね。

 

 

記事監修

中田馨|離乳食インストラクター

一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。

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