セロリは冷凍保存で葉っぱも食べやすく! 栄養そのままスープ用ストックの作り方も紹介

セロリはサラダにして食べると、独特な香りが爽やかですよね。今回は冷凍保存の方法をみていきたいと思います。スープの香りづけに使ったり、みじん切りにして肉料理に入れたり。冷凍して保存しておけば、ちょっとした料理の隠し味として手軽に使えるようになります。ぜひご参考にしてくださいね。

セロリは冷凍保存OK! 冷凍後の栄養変化は?

セロリの栄養は、冷凍しても変化することはありません。香りが少々弱まるので、むしろ苦手な方には食べやすくなるかもしれません。

野菜を冷凍すると細胞が壊れることから、煮込むとトロトロに溶けやすくなるメリットがあります。セロリの茎にある筋や、葉のゴワゴワも気になりません。特有の苦みと香りは、最後まで消えることなく、他の素材との調和で深みを生みだします。

 

じつは国内でのセロリの栽培は、幕末から明治にかけて試みられています。当時は、香りの強さが受け入れられず、広まらなかったそうです。その後に進んだ食の西洋化と、比較的香りが弱い品種が広まったおかげで、現在はいつでも味わえるようになりました。

特有の香りが敬遠される傾向は昔も今も変わらないようですが、冷凍して口にしやすくしたり、西洋料理からヒントを得て調理したりすることで、セロリの本領を味わえるようになりますよ。

セロリの冷凍保存方法

それでは、冷凍の手順を詳しくみていきましょう。

茎の冷凍

セロリの繊維を断ち切るように刻み、冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫に保存します。この他にも、セロリの茎は冷凍後も包丁で切ることができるので、大きいまま冷凍することもできますよ。

葉の冷凍

葉は茎から切り離し、そのまま冷凍用保存袋に詰めます。空気を抜いて封をし、冷凍庫へ保存します。

しっかりと空気をぬいて封をすると、霜の発生がなく保存できます。

 

冷凍したセロリの葉は、袋のまま手でもめば細かく割れるので、刻み葉のように使うことができます。

袋ごとモミモミすると、凍った葉が細かく砕けます。

保存期間

冷凍したセロリは1カ月をめどに使ってください。

使い方は加熱料理やスムージーに

セロリは冷凍すると食感が弱まります。残念ですが、サラダにはむいていません。もともと加熱料理に用いて、他の食材の味を引き立てるために使われることの多い野菜です。ですから、冷凍セロリは加熱料理に使ってください。出汁として煮込んでスープにすると、すっきりとした味が楽しめますよ。

また、葉の部分は冷凍のままスムージーにするのもおすすめです。お好みのフルーツを合わせると味もまろやかになり、飲みやすくなります。

セロリを使ったじゃがいものスープ

ミルク、じゃがいも、ベーコンの組み合わせなら、想像がつきやすい味です。ここにセロリの爽やかな苦味と、マッシュルームの深みを足すと、味に複雑さを足すことができます。しかも、具材の形は煮溶けてなくなり香りだけが残るので、味わいの深いスープに。いちど口にすると、セロリなしでは物足りなくなりますよ。

◆材料

(大人2人と子ども2人分)
冷凍セロリの茎(1本分)
じゃがいも(男爵、キタアカリなど、溶けやすい品種:中3個)
玉ねぎ(1/2個分)
マッシュルーム(3~4個)
ベーコン(90g)
牛乳(200㏄)
水(400㏄)

オリーブオイル(大さじ1)
鶏ガラスープの素など、洋風のだし(3~4人分)
塩・胡椒(適量)
パセリ(お好みで)

◆作り方

【1】フライパンにオリーブオイルを温め、刻んだ冷凍セロリの茎を炒めて解凍します。しんなりしてきたら一口大に切った玉ねぎを加えて炒めます。

冷凍セロリは冷たいので、一番先に炒めます。あとにすると、他の具材が焦げる原因に。

【2】スライスしたマッシュルームを加えて炒め、さらに一口大に切ったジャガイモを軽く炒めます。
【3】厚手の鍋で水を沸かし、【1】【2】を加えて茹でます。
【4】ベーコンをフライパンで炒めて【3】に加え、鶏ガラスープの素を加えてください。
【5】15分~20分間コトコト煮ます。
【6】一旦火を止めてから牛乳を加え、さらに煮ます。フタをして火を切り、1時間ほど余熱で温めると具材がトロトロになります。
【7】最後に塩・こしょうで味を調えれば完成です。

青い味を楽しむセロリのスムージー

セロリのスムージーは、野菜の青い味がお好きな方にこそ飲んで欲しいものです。昔ながら、ともいえる味が楽しめます。「セロリは苦手… 」と少しでも思う方にはおすすめできない、セロリ上級者向けです(笑) 。

もしもお子さん向けなら、リンゴをメインにしたフルーツ、ヨーグルトとハチミツに、セロリを合わせてください。

◆材料

(1人分)
冷凍セロリの葉(1本分)
トマト(1個)
生姜(1片)
バジルの葉(数枚)
レモン汁(1/4個分)

◆作り方

【1】トマトを大きく刻み、生姜はすりおろします。冷凍セロリの葉、バジルと合わせ、ブレンダーなどにかけて細かく潰します。
【2】レモン汁を合わせれば完成です。

にんじん、玉ねぎと一緒にスープ用冷凍ストックに

調理時での出番が重なることの多い、にんじん、玉ねぎを一緒に刻んで冷凍しておくと、なにかと便利なストック野菜になります。スープはもちろん、ハンバーグ、トマトソース、カレー、スープにも使えて重宝します。

野菜を刻む

セロリ、にんじん、玉ねぎをひとつずつ用意し、すべてみじん切りにします。

野菜カッターを使うと便利ですが、ドロドロにはせず、ほどよいところで止めてください。

冷凍方法

冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いてから封をします。平らにして冷凍庫で保存してください。

3種類を混ぜても良いし、分けたまま保存するのも良いですね。冷凍後もパラパラなので、必要な量を取り出せます。解凍せずに使ってください。

保存期限は

刻んであるぶん、空気に触れる面積が大きくなるので、長い期間の保存はおすすめできません。3週間程度で使いきるようにしてください。

ここからは、冷凍したセロリ、にんじん、玉ねぎも使えるレシピを、Hugkumサイト内からご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

ミックスパスタのオーブン焼き

色々なパスタを混ぜ込んでラザニア風にこんがり焼き上げます。セロリの他、旨味が出る野菜をたっぷり使って。

◆材料

(4人分)
フジッリ、ペンネ、マカロニ(好みのパスタ2~3種類) 合わせて300g
合びき肉 150g
にんじん 1本
玉ねぎ 1/2個
セロリ 1本
白ワイン(辛口) 1/2カップ
カットトマトの缶づめ 1個
ペコリーノチーズ 大さじ6
モッツァレッラチーズ 1~2個(約100g)
エキストラバージンオリーブオイル、粉チーズ、パン粉、塩、黒こしょう 各適量

◆作り方

【1】パスタを表示時間通りにゆでる。
【2】フライパンにオリーブオイルをひいて、みじん切りにしたにんじん、玉ねぎ、セロリを炒める。
【3】【2】がキツネ色になったら肉を入れて炒め、白ワインを加えてアルコールを飛ばす。
【4】カットトマトを入れて煮つめ、塩・こしょうで味を調整する。
【5】【4】に【1】と刻んだモッツァレッラチーズを入れて混ぜる。
【6】【5】を耐熱皿に移し、パン粉、粉チーズ、オリーブオイルをかけて、200℃に予熱したオーブンで約30分焼く。

教えてくれたのは


ベリッシモ・フランチェスコさん

イタリア料理研究家、料理コンサルタント。イタリア・ローマ出身。料理指導のほか、各メディアを通し、イタリアと日本の文化の架け橋的な役割を果たす。オリーブオイル・ソムリエ(AISO認定)としても活躍。

『めばえ』2016年12月号

ジューシーミートローフ

肉汁たっぷり、野菜もたっぷり。にんじんを加えてもOKです。大きいサイズで作れば、パーティにも喜ばれます。

◆材料

(フライパン20cm)
ベーコン 7枚
アスパラガス 3本
ミニトマト 12~13個

【A】
合びき肉 500g
玉ねぎのみじん切り 1/2個分
セロリのみじん切り 1/2本分
にんにくのみじん切り 1かけ分
パセリのみじん切り 2枝分
卵 1個
牛乳 大さじ1
パン粉 大さじ3
白ワイン 大さじ2
しょうゆ 小さじ1
塩・こしょう 各少々
ナツメグ(あれば) 少々
※材料の分量は、大人4人分(子どもは大人の1/2人分)が目安です。

◆作り方

【1】アスパラガスは斜め薄切りにし、ミニトマトは縦半分に切る。
【2】ボウルに【A】を入れ、粘りけが出るまでよくこねる。
【3】フライパンに、ベーコンを放射状に敷き詰め、【2】の半分を広げて【1】をのせ、残りの【2】をかぶせる。
【4】ふたをして中火にかけ、20分加熱する。
*お好みでパセリのみじん切りを散らしても。

◆ポイント

ひき肉にも野菜をいろいろ混ぜ、かつ、ひき肉生地の間にミニトマトとアスパラをはさんで焼く。

教えてくれたのは


阿部剛子さん

日々の暮らしの中から生まれた炊飯器レシピやフライパン活用レシピを公開して人気。2児のママ。

『ベビーブック』2013年1月号

セロリレシピ6選|セロリが苦手な子どももOK!葉まで使える!サラダ、炒め物など人気レシピを厳選
独特の風味からか、苦手な子も多いセロリ。みじん切りにしたり、好きな料理に混ぜていざ、克服!サラダ、炒め物、ミートローフなど、セロリを使った簡...

いつの間にか大好きに!

冷凍セロリを煮込んで作ったスープには、味に深みがでます。いつもの素材に足すだけなので、組み合わせを工夫してみてくださいね。もしかしたら、知らない間にセロリが大好きになっているお子さんも、いるかもしれませんね。冷凍セロリで料理の腕を一段上げると、食卓での笑顔もますます増えるかもしれません。

構成・文・撮影(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

パクチーは保存方法次第で風味も香りも長持ち! 常温・冷蔵・冷凍テクからオイル漬けレシピまで
タイのトムヤムクンや、ベトナムの生春巻きには欠かせないパクチー。皆さんはお好きですか? トムヤムクンにパクチーがなかったら、どんなに寂しいで...

編集部おすすめ

関連記事