セロリの鮮度を保つ保存のコツ|下ごしらえから生葉までいただく美味しい食べ方も

生のセロリには、他の野菜にはない爽やかな味と、心地よいシャキシャキの食感があります。ただ、筋がいつまでも嚙み切れなかったり、苦味が気になったりすることはありませんか? 今回は、セロリを美味しくいただく下ごしらえと、保存する方法についてご紹介します。

セロリの栄養と保存の基礎知識

セロリは美肌やむくみ防止の他、便秘解消にもよいとされ、「美容野菜」と呼ばれるほど。他にも、体に良い効能をもつ様々な栄養が含まれています。

イライラ解消に効く

セロリに含まれるアイピンはポリフェノールの一種で、気持ちを落ち着かせイライラを抑えたり、頭痛を和らげたりする精油成分です。独特の香りがしますよね。

欧米では肉の臭み消しだけでなく、薬用としも活用されてきたそうです。

栄養は茎よりも葉に

葉は生のままで口にするとゴワゴワで、苦味もあることからサラダにはむきません。ですが、葉に含まれるβ‐カロテンの量は、茎と比べてなんと約2倍の量が。また、葉にしか含まれていない栄養もあるので、捨ててしまわずに調理法を工夫して取り入れたいですね。

加熱しても栄養は逃げない

加熱して消失してしまうビタミンも含まれてはいますが、β‐カロテンは加熱してもなくなりません。それどころか油との相性が良く、体への吸収が高まります。

煮込み料理やスープのベースとして用いられ、独特な風味が古くから愛されてきました。

セロリは乾燥が苦手

セロリの原産は欧州、中近東の高地です。涼しくて水を多く含む土地で育つため、収穫後も乾燥に気をつけて保存します。鮮度の落ちたセロリの茎には空洞ができてしまい、カサカサした口当たりに劣化します。

どうすれば上手に保存ができるのでしょうか。まずは、下ごしらえの方法からみていきます。

セロリを美味しくいただく下ごしらえ

きれいに筋が取られたセロリは、清涼感のある味と香り、シャキシャキした食感が楽しめます。もちろんお子さんにも食べられる味ですよ。

葉と茎は早めに分ける

セロリの葉は、収穫後も茎から栄養を吸い上げ、成長を続けています。そのまま時間がたつと、茎の旨味がなくなり、葉も黄色く変化してきます。早めに葉と茎は切り分けてください。

また、新鮮なセロリの根元はみずみずしく、空洞がありません。

黒い部分を切り落とすと、きれいな断面が現れます。

筋の処理は手を使う

セロリをおいしくいただくためには、筋をとる処理が大切です。

葉がついている部分から、茎の外側へ向かって折ります。皮と固い筋は折れないままつながっているので、そのまま根元に向かって、皮をむくように引いてください。

この皮むきを、全体にわたり施します。茎の途中でさらに折っても良いし、または包丁の刃を使い、根元から葉先に向かって筋を引いても取り除くことができます。

ただし、完全に取りのぞこうとしてしまうと、可食部分が減ってしまいます。途中で切れる筋は、口にいれても固くないので、あまり深追いはせずにむいてください。

漬物にする時は、皮がないほうがよく味が染みます。ピーラーを使って薄くむくと、中からはきゅうりのようにみずみずしい果肉が現れます。

切りかた

筋をとったセロリは、食べやすい大きさに切ります。まず太い茎を半分に切り分けます。

残っている筋を断ち切るつもりで斜めに切ると、漬物やサラダに使いやすい大きさになります。

また、輪切りにするなら、筋をとる必要はありません。繊維を断つ方向にザクザク包丁を入れ、小さく切ってください。これなら筋が口に残ることもありません。

葉につながる細い茎は、包丁で押しつぶすと、繊維が壊れて食べやすい食感になります。

冷蔵保存は乾燥に気をつける

先述したとおり、セロリは乾燥が苦手です。水分を保つことを意識して保存の方法をみていきましょう。

葉と茎の保存

葉と茎は、それぞれキッチンペーパーに包み、軽く水で濡らしてからフタを閉めて保存します。容器の中でも常に水分を保つようにすると長持ちします。

セロリの葉は、スープに入れる際にタコ糸で縛ると後から取り出しやすく、香りだけを煮出す調理にはおすすめです。

保存期限

常温では2日間ほどでしんなりとしてしまいますが、冷蔵庫での保存状態が良ければ5~7日間の保存ができます。

セロリは冷凍保存もOK

セロリは冷凍保存すると、1カ月の長期保存ができるようになります。くわしくは、こちらを参考にしてくださいね。

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生のセロリレシピ

下ごしらえができたセロリの味わいを存分に楽しめるレシピを2つご紹介します。

野菜のヨーグルトみそ漬け

みそとヨーグルトを混ぜて、和洋ミックスの新風味。子どもウケも抜群です♪ 漬け込む野菜もいろいろと挑戦してみて。

◆材料

(作りやすい量)
【A】
プレーンヨーグルト 大さじ2
みそ 大さじ2

にんじん、きゅうり、セロリ 各1/2本

◆作り方

【1】にんじんは7~8mm厚さの輪切りに、きゅうり、セロリは7~8mm幅の斜め切りにする。
【2】【A】と【1】を混ぜて2~3時間置く。
【3】みそをぬぐい取り、水気を絞る。

◆ポイント

子供たちの元気な成長に、カルシウムは不可欠!毎日の食事でしっかりとらせることが大人の使命です。
ヨーグルトは、100gに120mgのCaを含有。
みそは、100gに100mgのCaを含有。良質なたんぱく質も摂取できる。

余った材料をドレッシングに♪

■作り方
野菜をとり出して残った【A】におろし玉ねぎ小さじ1、オリーブオイル大さじ2を混ぜるだけで、ドレッシングのできあがり。

教えてくれたのは


藤井 恵さん

料理研究家、管理栄養士。女子栄養大学在学中から料理アシスタントを務め、料理家の道へ。25~30歳の5年間育児休業するも、復帰後、メディア各種、イベント、講演会など、幅広く活躍。「キユーピー3分クッキング」(日本テレビ系)の講師としても人気。

『めばえ』2017年1月号

セロリときゅうりのピリ辛漬け

セロリを生で食べる時は、油を含む味付けにすると脂溶性のビタミンの吸収がアップします。

◆材料

セロリ(1/2本)
きゅうり(1本)
白だし(大さじ2)
ごま油(大さじ1)
昆布(1×1cm)
鷹の爪(少々)
塩(板ずり用)

◆作り方

【1】きゅうりは板ずりして、両端を切り落とします。縦を半分に切ってから斜めに薄切りにします。
【2】下ごしらえをしたセロリを、斜めの薄切りにします。【1】と他の材料と一緒に容器へ入れます。

【3】ラップで落とし蓋をして、3時間ほど漬けると食べごろです。ビニール袋で漬けても良いですね。

煮込み料理で作り置きにも

煮込み料理なら葉も調理に使えます。刻んで加えると香りが良くなるので、ぜひ試してみてください。

ミートソース

ちょっと多めに作って冷凍も可能。パスタはもちろん、他のおかずにリメイクするのにもぴったりです。

◆材料

(大人4人分+子ども4人分)
合いびき肉 400g

【A】
玉ねぎ 1個
セロリ・にんじん 各1/2本
にんにく 1片

赤ワイン 1/4カップ
オリーブ油 大さじ2

【B】
トマトの水煮(ホール) 1缶
水 大さじ4
顆粒スープの素 小さじ2

【C】
ケチャップ 大さじ2
中濃ソース 小さじ1
塩 小さじ1/2
スパゲッティ 300g

※麺は大人2人分+子ども2人分

◆作り方

【1】【A】はみじん切りにする。
【2】鍋にオリーブ油を熱し、【1】を弱火でじっくりと炒める。玉ねぎが透き通っ てきたらひき肉を加え、ほぐすように炒める。
【3】 肉の色が変わったら赤ワインを注ぎ、アルコール分が飛んだら【B】を加え、ヘラでトマトをつぶしながら中弱火で30分煮る。最後に【C】で味を調える。
【4】スパゲッティをゆでて器に盛り、【3】をかける。

教えてくれたのは


島本美由紀さん

料理研究家・ラク家事アドバイザー。 忙しい主婦に向けて、身近な食材でパパッと作れるおいしい時短レシピを考案。テレビや雑誌を中心に活躍。暮らし全般のハッピーもプロデュース。

『ベビーブック』2017年5月号

やみつきになるセロリの味

セロリは強い香りから、敬遠されてしまうことも多い野菜です。一方で、生のセロリがもつ特有の清涼感に、やみつきになる方も。セロリのおいしさを楽しめるように、下ごしらえを丁寧にして味わってくださいね。

構成・文・撮影(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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