冷たいそうめんに添えて爽やかな香味を楽しむ、みょうが。毎年、夏になると目が覚めるような香りを味わえますね。今回は独特の味と香りを持つ、みょうがの冷凍とその使い方についてご紹介します。
みょうがは冷凍できる?
みょうがは、冷凍すると味が染み込みやすくなるので、茹でたり焼いたりする加熱調理に使うのがおすすめです。また、香りの成分が弱まり、シャキシャキ感も柔らかくなるので、薬味とはひと味違う、温かいみょうがや、凍ったままでの味わい方を見ていきましょう。
みょうがの冷凍と解凍のポイント
みょうがは香りが命の香辛野菜です。香りを保つ冷凍と解凍のコツを見ていきましょう。
冷凍みょうがの保存期間
冷凍すると1カ月の保存期間です。香りが飛んでしまいやすく、それほど長くは保存できません。
切らずにそのまま冷凍・解凍のコツ
みょうがをひとつずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ保存します。大量にある時は、使いやすい分量にラップで小分けしてから冷凍してください。
冷凍庫から出した直後はカチカチですが、数分で刻めるようになります。使い方に関わらず丸ごと冷凍しても、困ることはありません。
加熱調理に加える時は、火を通さずに食べられるので、他となじませる程度に温めれば十分です。加熱し過ぎると香りと食感が弱まりますから、最後に加えてください。あんかけを例に詳しく見ていきましょう。
出来上がる直前の温かいあんかけの中に、千切りにした冷凍みょうがを入れます。
半解凍の状態から、スープの温かさでさらに柔らかくなるので、あとは全体を温め直すだけ。温かい厚揚げ豆腐を用意して、アツアツのあんかけスープをかけていただきます。
ちなみに、冷凍みょうがを天ぷらにすることはおすすめしません。どの食材でも冷凍すると多少の水が出ますが、みょうがは解凍すると特に多く出てきます。
半分に切った冷凍みょうがに、衣をつけて160℃の天ぷら油に入れたところ、徐々に油跳ねが始まり、数分でコンロ周りは油だらけに! 飛び散る油をかわしながら引き上げたものの、水が蒸発しきれないまま、油をまとったネトネトの物体に… 。見るも無残、食べるも無残の大失敗! みょうがの天ぷらは、冷凍前の新鮮なものを使うと、おいしく仕上がります。
切ってから冷凍・解凍のコツ
少量あまったみょうがは、冷凍して保存すると便利です。あらかじめ刻んだみょうがをラップで包んでから、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
これは薬味としてそのまま食卓に出すよりも、お味噌汁の具として煮たり、野菜の浅漬けを作る際に一緒に揉み込んだりするような、料理に混ぜて使う方法がおすすめです。
冷凍みょうがの使い方
冷凍みょうがならではの、レシピをご紹介します。
みょうがソーダ
冷凍みょうがをすりおろして使うと、氷を入れなくても冷たいドリンクに。食事前に飲むと、食欲増進の効果が期待できます。
◆材料
冷凍みょうが1/2個分
炭酸水(200cc)
はちみつ(小さじ2)
レモン、またはライムの絞り汁(1/8個分)
◆作り方
【1】冷凍庫から出したみょうがを、おろし金ですりおろします。
【2】おろしたみょうが、はちみつ、レモン絞り汁を入れてかき混ぜ、炭酸水を注ぎます。
みょうがの辛香成分が炭酸水に溶け込み、さっぱりとした辛口のドリンクです。
漬物にして保存
みょうがを冷凍すると食材の細胞が壊れ、味がしみ込みやすくなるメリットがあります。漬け液に漬けて溶かすと、一段と柔らかくおいしい漬物に。詳しい保存食レシピはこちらをチェックしてみてください。
干してから冷凍保存でトッピングに
天日干しは旨味が増し、香りもますます華やかになる保存方法です。さらには、干したものを冷凍することで、カビの心配もなくなるので、ぜひお試しください。
天日干しで乾かす方法
みょうがは中心部に潤いをため込んでいるため、縦半分に切って乾きやすくします。薄切りならさらに乾燥しますが、香りは弱めに。ザルに広げ、風通しの良い場所で一昼夜から2日間程干します。直射日光は避けますが、洗濯物がよく乾く場所が最適です。室内なら除湿器の近くでも良いでしょう。
干すことでうま味が凝縮するので、セミドライ程度にすると濃いみょうがエキスが残ります。お好みの加減になるまで観察を楽しみながら干してください。
電子レンジでの乾燥もトライしてみましたが、なかなか乾かず、途中で香りも味も薄まってしまいました。残念!
保存期間
保存期間は干し加減によります。半乾きなら冷蔵庫で保存して2〜3日のうちにいただきます。カラカラに乾かせば、密閉ガラス瓶の中で1ヶ月程度です。冷凍することで2か月ほどは保存可能に。
冷凍干しみょうがの使い方
みょうがは生姜の仲間なので、使い方も似ています。冷凍干しみょうがを使った「はちみつ みょうが」なら、前日にはちみつに漬けておくだけ。みょうがから出る水を途中で混ぜて馴染ませてください。
また、刻めば乾燥ネギの感覚で使える万能の薬味です。おすすめは「おにぎり」。温かいご飯に冷凍のまま入れて溶かし、青紫蘇、ごま、梅などと合わせます。海苔を巻いていただきましょう。
肌寒い季節にも
みょうがの香りには清涼感がありますが、食べるとじんわりポカポカしてきます。冷凍して長期保存することで、夏野菜のイメージを超え、肌寒くなる季節にまで活用できそうですね。健康にも良いみょうがを、ぜひ冷凍保存で楽しんでみてください。
構成・文・撮影(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)