真夏日の定義とは? 夏日や猛暑日との違いも理解しよう

「真夏日」とは最高気温が30度を超える日のことです。暑い日を表す他の言葉についても、それぞれ定義を理解しましょう。言葉の違いがわかれば、天気予報などを見て暑さを予想しやすくなるはずです。また、真夏日は何月に多いのかなども併せて紹介します。

「真夏日」とは?

真夏日」とは、気象庁が定めた予報用語のことで、暑さの目安となります。まずは、真夏日の意味を確認しましょう。似ている言葉である、「夏日」の意味も紹介します。

気温が30度を超えた日のこと

「真夏日」とは「1日の最高気温が30度を超えた日」のことで、夏の暑さをはかる目安となります。つまり夏の暑さは最高気温で決まるのです。

1日の中で最高気温まで上昇する時間帯は午後2~3時が最も多く、その後雨などによって気温が下がったとしても30度を超えている時間帯が少しでもあれば、真夏日と判断されます。

そのため最高気温を記録した時間帯の前後の気温は、真夏日と判定するのに関係ありません。

「夏日」との違い

「真夏日」と似ている言葉の中に、「夏日」があります。

「夏日」は「夏の暑い日」「夏の強い日差し」といった意味で使われることもありますが、気象庁で定められた夏日は「1日の最高気温が25度を超えた日」のことです。

「真夏日」は最高気温が30度以上の日を指すことから、夏日は1日の最高気温が25度以上30度未満の日を指すことになります。

「夏日」は「真夏日」よりも日数が多く、東京では2014年以降、1年のうち120日を超える日が夏日となっています。

参考:気象庁 Japan Meteorological Agency
参考:区内の夏日・真夏日・猛暑日・熱帯夜の年間日数 

似ている言葉の定義も知ろう

「真夏日」や「夏日」は定義によって使い分けをしていますが、他にも似ている言葉として「猛暑日」「酷暑日」「熱帯夜」などがあります。

正しい定義を知り使い分けができるようになりましょう。

「猛暑日」

猛暑日」とは、「1日の最高気温が35度を超える日」のことです。

昔は35度を超える日がほとんどなかったため、猛暑日という予報用語はありませんでした。

しかし、近年のさまざまな環境の変化により35度を超える日が増えてきたことを受け、2007年4月1日に「猛暑日」という予報用語が新たに加わりました。

ちなみに35度より高い気温はすべて猛暑日と判断されるため、たとえ40度の日があったとしても同様に猛暑日と呼ばれます。

参考:気象庁|報道発表資料

「酷暑日」

酷暑日」も「1日の最高気温が35度を超える日」のことを指し、猛暑日と同じ位置付けです。

最高気温が35度超える日が少なかった当初、マスコミが酷暑日と表現したのが始まりといわれています。

現在では「猛暑日」が予報用語として定義されているため、「酷暑日」は俗称扱いです。ただし気温に関係なく、激しい暑さを表す言葉として「酷暑」を使うと定義されています。

「熱帯夜」

熱帯夜」とは日中の気温ではなく「夕方から翌日の朝までの最低気温が25度を超える日」のことです。

コンクリートやアスファルトが日中に溜まった熱を放出するため、夜になっても気温が下がらないことが熱帯夜になる要因と考えられています。

そのため、特に暑さが厳しい7月下旬~8月にかけて熱帯夜が続きやすくなるのです。

参考:気象庁|予報用語 気温、湿度

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真夏日をもっと詳しく!

「真夏日」は、1日の最高気温が30度を超える日のことです。では、1年の中で真夏日が多い月はいつなのでしょうか。真夏日についてさらに詳しく確認していきましょう。

真夏日が多い月は?

1年の中で真夏日が最も多いのは「8月」です。日本では梅雨が明けると、太平洋高気圧が広く覆うため7月下旬~8月にかけて真夏日が続きやすくなります。

気象庁が発表している、観測史上最高の気温の順位を見ても8月が多く、静岡・群馬・新潟・高知県などで40度を超える猛暑日を記録しています。

また、日本は南北に長いため、真夏日の日数は地域によって異なります。

1991~2010年の平均日数を参考にすると、1年間で真夏日となる日が札幌で8.6日、富山で47.1日となっています。

参考:
東京管区気象台
札幌の気候データ:年間-さっぽろお天気ネット-
夏日・真夏日・猛暑日・熱帯夜|富山地方気象台
気象庁|歴代全国ランキング

暑い日は年々増えている?

東京では、1994年から毎年100日を超えて「真夏日」となっており、2010年からは毎年「猛暑日」も記録し続けています。

気象庁は気象の将来予測として、今後は「真夏日」だけでなく「猛暑日」や「熱帯夜」も増加すると発表しています。

暑い日が年々増加している大きな要因としては「地球温暖化」が考えられます。

2017年に発表された「地球温暖化予測情報第9巻(予測情報第9巻)」によると、2076~95年の平均気温は、1980~99年と比べて全国平均で4.5度も上昇すると予測しているのです。

気温が上昇し続けることによる熱中症対策はもちろん、気候変動に伴う災害にもさらなる警戒が必要になるなど、地球温暖化対策についてますます取り組んでいく必要があります。

参考:地球温暖化|国土交通白書 2020

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真夏日の体調管理はしっかりと

「真夏日」とは、1日の最高気温が30度を超える日のことです。8月に最も観測されており、年々増加傾向にあります。

また「真夏日」と似ている言葉に、「夏日」や「猛暑日」「酷暑日」「熱帯夜」などがあります。どれも暑さの目安を示す言葉ではありますが、定義が異なるため意味を理解しながら使い分けましょう。

地球温暖化に伴い、年々暑い日が増加しています。水分補給と休息をしっかりと取り、用語を知ることで熱中症対策にも役立てていきましょう。

構成・文/HugKum編集部

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