世の中には「子ども料金」という運賃体系があります。例えば電車の場合、子どもは大人運賃の半額で乗車可能ですが、この「子ども料金」は一体何歳までが子どもで、どの程度だけ大人運賃から割り引かれるのでしょうか。新幹線、飛行機、バスなど乗り物もさまざまですから、その条件はいろいろ異なるはず。旅行にも新幹線で行くか、飛行機で行くか、判断材料になるポイントですよね。そこで今回は新幹線、飛行機(国内線と国際線)、路線バス、電車といった乗り物別に「子ども料金」をまとめてみました。
目次
電車の「子ども料金」は小学校入学と中学校入学がターニングポイント
最初は電車の「子ども料金」をチェックしてみましょう。電車の運賃体系には比較的詳しい人も多いと思います。「子ども料金」と一口に言っても、一般的には子どもの成長に従って(乳)幼児運賃と小児運賃が存在していて、
- 無料
- 割引
- 正規(大人)運賃
と段階的に運賃が設定されています。具体的には、
- 無料・・・未就学の乳幼児
- 割引(半額)・・・小学生
- 正規(大人)運賃・・・中学生以上の人全て
といった設定になっています。JRも私鉄各線も地下鉄も、基本的には同じ料金システムを採用しています。小学校に入学しているか、中学校に入学しているかといった点が、大きな判断ポイントと言えそうですね。
新幹線(指定席・グリーン車)・JRの特急電車・ロマンスカーの「子ども料金」は?
新幹線、ならびにJRおよび私鉄各社の特急電車はどうでしょうか。新幹線、およびJR特急電車の場合には、
- 無料・・・未就学の乳幼児
- 割引(半額)・・・小学生
- 正規運賃・・・中学生以上の人全て
といった運賃システムが適用されます。しかし同じ新幹線やJR特急電車でも、指定席やグリーン席などは別で、子どもが1人分の座席などを確保する場合、
- 無料・・・なし(同伴者のひざの上に乗る場合は無料)
- 割引(半額)・・・未就学の乳幼児と小学生
- 正規運賃・・・中学生以上の人全て
といった運賃になっています。一方で私鉄の特急電車、例えば小田急線の特急電車『ロマンスカー』の場合、同伴者のひざの上に乗せる場合は無料になりますが、座席を1人分確保する場合は、
- 無料・・・なし(同伴者のひざの上に乗る場合は無料)
- 割引(半額)・・・未就学の乳幼児と小学生
- 正規(大人)運賃・・・中学生以上の人全て
といった運賃になります。会社のホームページにも『ロマンスカー』について、
<乗車券の必要のない6歳未満のお子さまであっても、座席を使用されるときは、小児用の特急券と特急券と同じ区間の小児用の乗車券が必要です>(小田急グループのホームページより引用)
とあります。
また、一般的に新幹線の自由席や私鉄各社の特急電車(同伴者のひざの上)であっても、無料になる乳幼児の数は大人の同伴者(保護者など)1人につき2人までと決まっていています。例えば両親がそろって同伴する場合、最大で4人までの未就学児が無料になります。しかし、5人目以降は半額を支払わなければいけません。子どもを大人数連れていく場合は、要注意ですね。
飛行機の「子ども料金」は国内線と国際線、大手とLCCの違いに注意
飛行機の場合は、大まかに言って国内線か国際線かによって、「子ども料金」は大きく変わってきます。
〇国内線の場合
国内線の場合、特にJALやANAなど大手の場合は、
- 無料・・・0~2歳(同伴者のひざに乗せる場合)
- 割引(半額)・・・0~2歳(同伴者とは別に座席を確保する場合)、または3~11歳
- 正規運賃・・・12歳以降
といった運賃になっています。しかし、最初から運賃を抑えた格安航空会社(LCC)の場合は別で、子ども料金については条件が厳しくなります。
例えばピーチ・アビエーションの場合、
- 無料・・・0~1歳(同伴者のひざに乗せる場合)
- 割引(半額)・・・なし
- 正規(大人)運賃・・・2歳以降
といった感じで、2歳から正規の運賃が発生します。さらにジェットスターと春秋航空とバニラエアの場合、
- 無料・・・なし(国内路線の場合)
- 割引(片道1,500円)・・・0~1歳(同伴者のひざに乗せる場合)(国内路線の場合)
- 正規(大人)運賃・・・2歳以降
といった感じで、無料の設定もなくなります。子どもが複数居る家庭では、細かくシミュレーションして、トータルでどのような旅の形が最も安く済むのか、比べてみたいですね。
〇国際線の場合
国際線はどうなのでしょうか。移動距離が長いため、「子ども料金」の設定は予想通り、厳しくなります。日系のJALとANAの場合、
- 無料・・・なし
- 割引(大人運賃の10%)・・・0~1歳(同伴者のひざに乗せる場合)
- 割引(大人運賃の75%)・・・0~1歳(1人分の座席を確保する場合)、または2~11歳
- 正規(大人)運賃・・・12歳以降
といった運賃が基本になっています。無料はなくなり、0~1歳の乳児でもひざに乗せない場合は、正規運賃の75%分が請求されてしまうのですね。
外資系の航空会社の場合はどうでしょうか。例えばスカイトラックス社が行った航空会社格付け調査「エアライン・オブ・ザ・イヤー」で上位常連のカタール航空の場合は、
- 無料・・・なし
- 割引(大人運賃の10%)・・・0~2歳(同伴者のひざに乗せる場合)
- 割引(一部の路線で適用)・・・0~2歳(同伴者とは別で座席を利用するまたはチャイルドシートを利用する場合)、もしくは2~11歳(大人同伴が必要)
- 正規(大人)運賃・・・12歳以降
といった運賃になっています。同じ外資系でも格安航空会社(LCC)の春秋航空の場合、国際線の運賃は、
- 無料・・・なし
- 割引(片道3,000円)・・・0~1歳(同伴者のひざに乗せる場合)
- 正規(大人)運賃・・・2歳以降
といった設定になっています。日系にせよ外資系にせよ、国際線は「子ども料金」の設定は厳しめで、細かく分けられています。各社ごとの詳細な規定がありますので、フライトを予約する前に、各社のルールを隅から隅までチェックしたいですね。
路線バスの「子ども料金」は電車と一緒
最後は路線バス。基本的に、普通電車と同じ運賃体系です。
- 無料・・・未就学の乳幼児
- 割引(半額)・・・小学生
- 正規(大人)運賃・・・中学生以上の人全て
ただ、乳幼児の場合、同伴者1人につき乳幼児2人までが無料というバス会社が一般的です。3人目以降は、正規運賃の半額を支払う必要がありますので、子どもを複数連れてバスに乗る場合は、事前にバス会社の運賃体系を調べておきたいですね。
文/坂本正敬
【参考】
※ 子供運賃はありますか。 – JAPAN AIRLINES
※ 【国内線】子供(子ども)の座席・運賃について教えてください。 – ANA
※ 妊娠中や小さなお子様連れのお客様 – Peach Aviation