子育てをしているとつい子どもにイライラしたり、怒ってしまうことがあります。そんなときの対処法は?なぜイライラしてしまうのか、井桁容子先生に伺いました。
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Q : 子どもの言動にイライラし、ちょっとしたことで強く𠮟ってしまうことがあります。そのたびに反省するのですが……。
A : イライラするのは疲れているから
いつも「よい親」でありたい。子どもには笑顔でやさしく接したい。こうした思いは、ときにプレッシャーになります。でも、どんなに幼くても、子どもと親は別の人間です。互いの思いが通じないこともあれば、どちらかの機嫌が悪いことだってあります。だから、親が子どもに対してイライラすることがあるのは当たりまえ(笑)。だれもが経験する、ごく普通のことです。
疲れた心を癒し気分を切りかえる工夫を
イライラはがんばりすぎている証拠
子どもに対していら立ったり、やさしい気持ちになれなかったりするのは、愛情が不足しているからではありません。イライラは、「心の疲れ」のシグナル。子育てや仕事、家事などで頑張り過ぎている証拠です。
つい、「子どもがわがままを言うのは自分のせいだ」「親として、もっとしっかりしなければ」などと考えてしまいがちですが、自分を責めてもよいことはありません。それよりも、「私、疲れているんだな」と軽く受け止め、自分自身のケアを心がけるべきです。
対処法1 だれかと話す
もっとも手軽にできるのが、「だれかと話す」ことです。理想は子育てのパートナーである夫ですが、それ以外の家族や友人でも、リラックスできる相手に自分の思いを話すだけで、だいぶスッキリするものです。
対処法2 公園や児童館などに出かける
外出が負担でなければ、公園や児童館など、他の親子と触れ合える場所に出かけるのもよい方法です。いつもと違う場所で過ごす時間は、気分転換になるでしょう。他の親子の様子を見て関わり方の参考にしたり、同じ立場でおしゃべりをしたりすることも、気持ちを切りかえるのに役立ちます。
対処法3 他の人に子どもを見てもらう
同時に、「他の人に子どもを見てもらう」ことにもよい効果があります。親が子どもを見る目は偏りがちで、「足りないところ」「悪いところ」ばかり気になってしまうことがあります。でも外出先で出会う人は、「いい子ね」「元気ね」など、子どもにポジティブな言葉をかけてくれるはずです。もちろんお世辞もあるとは思いますが(笑)、せっかくのほめ言葉はそのまま素直に受け止めたほうが幸せです。よいところを見てもらってこそ、子どもは伸びていくもの。他の人の言葉は、親に子どものよいところを思い出させてくれるきっかけにもなるでしょう。
親が笑顔でいることが子どもにとっていちばんの幸せ
小さな気分転換を積み重ねて
イライラしているな、と気づいたときは、その場でできる気分転換を心がけましょう。お水を飲む、外の景色を眺める、好きな歌を口ずさむ……。大切なのは、イライラした感情をそのまま子どもにぶつけないことです。
子どもにとってつらいのは、親の笑顔がなくなることです。「よい親になろう」と頑張っても、そのせいで心の余裕を失ってしまったら、かえって子どもに悲しい思いをさせてしまいます。
疲れたな、と思ったときは、子どもと少し離れてみることも必要です。家族に預けたり保育園の一時預かりを利用したりして、ときには自分の時間をつくりましょう。「自分だけ楽しむなんて……」と、小さな罪悪感があるかもしれませんが、親がリフレッシュするのは、子どもにとってもよいこと。楽しい時間を過ごしてから子どものもとへ戻れば、笑顔もやさしい気持ちも自然にあふれてくるでしょう。
教えてくれたのは
乳幼児教育保育実践研究家、非営利団体コドモノミカタ代表理事。東京家政大学短期大学部保育科を卒業。東京家政大学ナースリールーム主任、東京家政大学・同短期大学部非常勤講師を42 年務める。著書に「保育でつむぐ 子どもと親のいい関係」(小学館)など。
イラスト/小泉直子 構成/野口久美子 出典/『めばえ』2019年1月号
親と子をつなぐ、2・3・4歳の学習絵本『めばえ』。アンパンマン、きかんしゃトーマスなど人気キャラクターと一緒に、お店やさんごっこや乗り物あそび、シールあそび、ドリル、さがしっこ、めいろ、パズル、工作、お絵かきなど、様々なあそびを体験できる一冊。大好きなパパ・ママとのあそびを通して、心の成長と絆が深まります。