柿を冷凍するメリットとは
柿は、9月から12月にたくさん出回りますが、食べ過ぎると胃腸の働きを弱めます。ですから、長期間の保存をしながら、少しずつ食べ進めたい果物です。そして、丸ごとで冷凍できるため、手がかからない長期の保存に最適なのです。
冷やすと甘味が強まる
柿に含まれる果糖は、冷やすことによって甘さが1.5倍に増す性質を持ちます。ですから、冷凍柿は甘みが強まる、といううれしい特典がつきます。
冷凍でトロトロに
まだ硬い柿を冷凍すると、形を保ちながら食感だけがトロトロになります。透明感が出て、美しい色も楽しめるんですよ。
柿は、時間の経過と共に熟していきます。ほとんど液体に近いところまでトロトロになり、これがお好きな方も多いですよね。これを冷凍すると、まるでゼリーのシャーベットのようにいただくことができます。
柿の冷凍保存方法
柿の冷凍方法を詳しくみていきましょう。
そのまま冷凍
ヘタも皮もむかずに冷凍する方法です。キッチンペ−パーに包んでポリ袋や冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫へ入れます。簡単ですね。
保存期間
丸ごと冷凍した柿は、2か月を目安に召し上がってください。
解凍方法
水につけて5分程待つと、表面が溶けて簡単に皮がむけます。甘みが増して、ジューシーになりますよ。
切る時は、硬いアイスクリームに包丁を入れるような感覚で、切り分けることができます。ケガをしないよう、ゆっくりと刃を進めてくださいね。
カットしてから冷凍する
熟し柿の冷凍は、そのまま食べられるよう、カットしてから冷凍するのがおすすめです。また、皮をむいてカットした硬い柿なら、種をとっておくと冷凍後に食べやすいです。
重ならないように並べて、ラップに包みます。できるだけ空気が入らないようにピッタリと密着させると、霜がつきにくくなります。
冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて封をしてください。冷凍庫で保存します。
保存期間
カットして冷凍した柿は、1か月を目安にお召し上がりください。風味の劣化があることから、早めのほうがおいしいです。
解凍方法
硬い柿は、自然解凍で完全に溶けると、熟し柿に似た食感になっていますので、そのまま召し上がってください。半解凍のシャーベット状もおいしいです。
加熱料理の煮物やジャムには、凍ったまま使ってください。柔らかくなるので、味がよく染みてなじみます。
冷凍した柿の食べ方
冷凍した柿だからこそ、おいしくなるレシピをご紹介していきます。ジャムは、NHKの「ためしてガッテン」でも紹介された方法を参考にしています。
ジャム
砂糖の甘味よりも、フルーツの味わいを生かしたジャムの作り方です。その分、保存性は下がるので、大量には作らず、その都度必要な量を解凍しながら作ります。
材料
丸ごと冷凍した甘柿 200g
【A】
レモン汁 大さじ1
砂糖 20〜30g
作り方
【1】丸ごと冷凍した柿を冷凍庫から出し、皮のままおろし金ですりおろしてください。半解凍なら野菜カッターを使うと作業が楽です。
【2】鍋に【1】を入れ、強火で3分間加熱します。その際、柿に含まれるタンニンが加熱によって渋味を増す場合がありますが、バター5gを加えることで治まります。
【3】とろみがついたら火を止め、【A】を加えて混ぜ合わせます。
【4】粗熱がとれると、液体から固めのゼリー状へと変わります。冷蔵庫に入れて冷やせば完成です。
甘酒シャーベット
「完熟柿のシャーベット」と、「おろし金でおろしたシャーベット」に触れましたが、甘酒と和える方法もおすすめです。温めて、なつかしい甘さを楽しむドリンクにするのも寒い季節には嬉しいですね。
材料
冷凍した柿 1/2個分
甘酒(または牛乳でも) 150cc
作り方
【1】冷凍した柿を冷凍庫から取り出して、水に張ったボウルに浸けます。5分程待ってから皮をむき、切って種を取り出します。
【2】【1】を甘酒と混ぜ合わせ、ブレンダーなどで撹拌すれば出来上がりです。
温める際は、鍋に入れて弱火で温めるか、電子レンジで50℃程度が目安です。甘酒のとろみがあるので、低温でもホカホカです。
柿を使ったおすすめレシピ
柿をフルーツとしてそのまま楽しむのはもちろんですが、サラダや和え物にしてもおいしくいただけます。他の食材にはない、オレンジ色の果肉が彩りを華やかにしてくれます。
ここからはHugkumのサイトから人気料理家のレシピをご紹介します。レシピでは生の柿を使っていますが、冷凍柿でも作ることができます。柿料理の幅が広がるので、ご参考にされてみてはいかがでしょうか。
柿とほうれん草のごま和え
秋にぴったり!熟した柿がとろ~りとおいしいく、緑とオレンジのコントラストがきれいなおかずです。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
柿 1個
ほうれん草 1/2束
【A】
すり白ごま 大さじ2
しょうゆ 大さじ2
砂糖 大さじ2
◆作り方
【1】柿は皮をむき、7mm角に切る。ほうれん草は耐熱容器に並べてラップをかけ、電子レンジで2分ほど加熱する。粗熱がとれたら水けを絞り、2cm長さに切る。
【2】ボウルに【A】を合わせてよく混ぜ、【1】を加えて和える。
※電子レンジの加熱時間は、600Wの場合の目安です。
教えてくれたのは
鈴木薫さん
シンプルで、おいしくて、センスのいいレシピが人気。双子の女の子と男の子のママ。
『めばえ』2013年11月号
柿のソフトクッキー
柿の甘みを生かしてまろやかに。旬の味をお菓子にも取り入れて!
◆材料
(子ども4人分)
柿 小1個(正味100g)
バター 30g
砂糖 30g
卵黄 1/2個分
小麦粉 100g
グラニュー糖 適量
◆作り方
【1】柿は皮と種を除き、粗く刻んで鍋に入れ、砂糖15gを加えて煮詰め、冷ます。
【2】ボウルにバターと残りの砂糖を合わせてすり混ぜ、溶いた卵を数回に分けて加える。
【3】【2】にふるった小麦粉と【1】を加えて混ぜ、ひとまとめにして円柱形に整える。表面にグラニュー糖をまぶし、ラップに包んで冷凍庫で15分ほど冷やす。
【4】5~6mm厚さに切って並べ、170℃のオーブンで15分焼く。
教えてくれたのは
ほりえさちこさん
栄養士、フードコーディネーター、飾り巻き寿司インストラクター1級。男の子のママ。育児経験を生かした簡単で栄養バランスのとれた料理やかわいいレシピが人気。
『ベビーブック』2014年11月号
大量の柿も冷凍なら素早く長期保存
秋は果物が多い季節ですが、たくさん手に入りすぎて困ることはないでしょうか。冷凍保存ができる果物なら、迷わず早めに冷凍しておくことで、無駄なく最後まで味わうことができます。柿は冷凍で甘みが増し、調理もしやすいので、冷凍保存にはピッタリです。たくさんある時にもぜひ冷凍を活用して、長く楽しんでくださいね。
構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)