月刊誌『小学一年生』に寄せられたパパママからのお悩みに、専門家の先生が答える「小一・子育て相談室」。今回寄せられたのは「本を読まずに、まんがばかり読んでるけど大丈夫?」というお悩み。脳に詳しい医学博士に、まんがとの賢いつきあい方をお伺いしました。
Q:まんがばかり読みたがります。
娘はまんがが大好きで、本をあまり読みません。以前は読み聞かせをしてあげると、喜んでいたのですが、小学生になると3つ上の姉が持っているまんがに興味をもつようになりました。たしかに、まんがは読みやすいですし、私も好きなのです。ただ、まだ小1の娘を見ていて、まんがを読んでいるだけで、本を読まなくても大丈夫なのか気になっています。(母もまんが好きさん)
A:子どもにまんがを音読させましょう。
まんがの読み方としては、2パターンあります。絵を先に追ってフキダシの文章を読む、あるいは、文章を読んでから絵を追う。語彙力をアップさせるための脳のイメージトレーニングになる読み方として理想的なのは、後者です。文章を読み、想像しながら絵を見て理解する。ただ、小学1年生ですと圧倒的に前者ではないかと思います。
1年生は音読することで、語彙力を豊かにし、想像力を育む成長段階です。お子さんがまんがばかり読むことが気になるのでしたら、まんがを音読させてはどうでしょう。
まんがのせりふを音読することで、おのずと先に文字が目に入り、後から絵を追うようになります。これはつまり、脳のトレーニングになる理想的な読み方ということです。
また、まんがを音読することは、会話で使う言葉を覚えることになりますね。これは先生や友だちとのコミュニケーション力をアップさせることにつながります。
最後に、まんがは表現の方法のひとつだとぼくは考えています。歴史ものや伝記などまんがで描かれているものはたくさんあります。こうしたジャンルもあるのだと子どもに教えることも大切ではないかと思います。
\私がお答えしました/
加藤 俊徳 先生
脳を8つの系統に分けて育てる「脳番地トレーニング」を提唱。昭和大学客員教授。加藤プラチナクリニック院長。著書に、『すごい左利き』(ダイアモンド社)、 『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)など多数。 InterFM 897 「脳活性ラジオ Dr. 加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務める。
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2021年12月号別冊『HugKum』 イラスト/やまのうち直子 構成/天辰陽子