ゆうちょで子どもの口座を作るには
子ども名義の口座を開設するなら、全国規模でATMや支店を使える「ゆうちょ銀行」がおすすめです。まずは、ゆうちょで子どもの口座を作る方法を見ていきましょう。
口座開設に必要なもの
ゆうちょ銀行では、20歳未満の子どもの口座を保護者だけで開設できます。口座開設に必要なものは以下の通りです。
≪口座開設に必要なもの≫
・子ども本人の確認書類
・保護者の確認書類
・印鑑
確認書類は「顔写真付きのもの1点」または「顔写真がないもの2点」です。顔写真付きは、パスポート・マイナンバーカード・運転免許証などが該当します。
顔写真がないものは、健康保険証・母子手帳・住民票の写しなどです。書類に不備があると口座を開設できず、二度手間になるため、ゆうちょの公式サイトでよく確認しましょう。
なお、子どもの口座を開設できるのは、名義人となる子どもの法定代理人(親権者や成年後見人など)だけです。他の家族や知人では手続きできないので注意しましょう。
【通帳あり】総合口座は窓口で申し込み
一般的な貯金用の口座を、ゆうちょでは「総合口座」と呼んでいます。総合口座にも通帳の有無によって2種類あり、それぞれ申し込み方法が異なります。
通帳が必要な人は、最寄りの郵便局の貯金窓口で手続きしましょう。本人確認ができれば、その場で口座を開設でき、通帳も受け取れます。
口座開設の申し込み用紙は窓口にも用意してありますが、インターネット上で事前に作成することも可能です。育児・家事で忙しい人や、最寄りの郵便局がいつも混雑している場合は、ネットを利用すると時間が短縮できるでしょう。
【通帳なし】総合口座は郵送でOK
通帳を発行しないタイプの総合口座は、「ゆうちょダイレクト+(プラス)」と呼ばれています。
お金の預け入れと払い戻しはキャッシュカードで行い、入出金明細や残高の照会はインターネットの専用サイト「ゆうちょダイレクト」で行います。
「ゆうちょダイレクト+」は郵送で申し込みできるので、郵便局が遠い人や行く時間がない人にもおすすめです。
ゆうちょ銀行のウェブサイトで申込書を印刷し、必要事項を記入・署名の上、本人確認書類を添えてポストに投函しましょう。書類に不備がなければ、後日利用方法を記載した案内と、キャッシュカードが自宅に届きます。
参考:口座を開く-ゆうちょ銀行
ゆうちょで子どもの口座を作るメリット
わざわざ子ども名義の口座を作らなくても、お金の管理は可能です。しかし、子どもの口座を作ることには、多くのメリットがあります。主なメリットを二つ見ていきましょう。
お金の管理がしやすくなる
子どものお年玉やお祝いなどを保護者の口座で管理しようとすると、生活費との区別が付きにくくなります。子どものお金であることを忘れて、うっかり使ってしまうケースもあるでしょう。
子ども用の口座を作れば、いつ・いくら入金したのかが一目で分かります。お金の管理がしやすくなり、貯金のモチベーションも上がるでしょう。
子どもの金銭管理能力を養える
子どものお金を保護者が預かるのは、悪いことではありません。しかし、自分のお金がどうなったのかが分からないと、子どもは保護者に不信感を覚えます。
自分専用の口座があり、そこにきちんと入金されていると分かれば、子どもも安心します。「自分のお金」という意識が芽生え、大切に使いたいと思うようになるでしょう。
ただ貯めるだけでなく、子どもに使いみちを考えさせたり、欲しいものを一緒に買いに行ったりすれば、金銭管理のトレーニングにもなるはずです。
子どもの口座で考えられるデメリット
子ども用の口座には、大人の口座と異なるデメリットが考えられます。しっかりと理解した上で、口座を開設しましょう。
印鑑などを失くしてしまう可能性
基本的に、口座からお金を引き出す際には、口座開設時に登録した印鑑や暗証番号が必要です。
子どもの口座を開設した当初は入金がメインになるので、印鑑や暗証番号を使う機会はそれほどないでしょう。そのため、いざお金を引き出そうとしたときに、印鑑をどこに保管したのか分からなくなったり、暗証番号を忘れていたりする可能性があります。
保護者がしっかりと管理していても、子どもが大きくなって口座の管理を任せるときに、同じ心配が生じることもあるでしょう。
特に、印鑑はデザインが似通っているため、複数所有している家庭では、どれが自分の口座のものなのかが分からなくなりがちです。
一目で区別できる印鑑があれば、紛失や混同のリスクが軽減されます。子どもの口座用として、名前やオリジナルマークを刻印したり誕生石を入れたりできる、印鑑オーダーサービスを活用するのも一案です。
一定期間動きがないと休眠口座に
銀行口座は、10年以上取引がないと休眠口座とみなされます。休眠口座に入っているお金を払い戻すためには、口座を解約しなければなりません。そのままにしておくと、お金を民間公益活動に利用されてしまう可能性もあります。
子どもの口座は、開設当初は毎年入金していても、お年玉をもらう年齢ではなくなるとそのまま放置するケースもあり注意が必要です。
近年は、2年間取引のない口座に対して、口座管理手数料を課す銀行も現れているため、少なくとも年に1回は入出金や記帳などの取引を行いましょう。
参考:休眠預金等活用法に係るお取り扱いについて−ゆうちょ銀行
ゆうちょの子どもの口座を上手に使おう
子どものお金を管理するなら、専用の口座があると便利です。家計とは別にしておけるので、子どもも安心して親にお年玉を預けられます。
ゆうちょ銀行で子ども用の口座を作る場合、通帳の有無で多少手続きは変わってきますが、どちらもそれほど手間を掛けずに口座を作ることが可能です。この機会に検討してみるのもよいでしょう。
自分の口座に貯金が増えていく様子を見せれば、お金の価値や貯金の楽しさを考えてもらうきっかけにもなります。子どもの明るい未来のためにも、ゆうちょ銀行の口座を上手に活用しましょう。
文・構成/HugKum編集部