スープを冷凍保存する際の注意
冷凍保存しておくと何かと便利なスープ。一回で食べきれる量よりも多めに作り、一部を冷凍保存にまわす時、または、余裕がある時にまとめて作り置きする方法でもできます。どちらにしても、保存時に必要な注意はどんな点にあるのでしょうか。
小分けして冷凍する
塩分を含むスープは、水を冷凍するよりも時間がかかります。量が多いとさらに時間がかかり、食材の劣化を招く要因となります。フリーザーバックを使い、できるだけ薄くして冷凍する他、小さなコンテナで少量ずつ小分けすることを心がけてください。
気になる汁もれ対策
冷凍保存の際は、汁もれを避けるために容器の選択が大切です。
・スマートフラップ 角型 S 400ml 4個入 A-040 LB
一人分にちょうど良い大きさで、冷凍から電子レンジでの加熱にまで対応しています。フタの空気弁を開けて、蒸気を逃がしながら温められる点も便利です。
・下ごしらえ浅型バット 3枚 ステンレス
冷凍する際の膨張によって、容器からもれることがあります。こういったステンレスのトレイは、急速冷凍の役割も兼ねるので、下に敷いておくと、安心です。
冷凍に向かない食材は避ける
豆腐、じゃがいも、こんにゃくなどの水分量が多い食材は、解凍後に触感が変わってしまうことがあります。あらかじめ使わずに調理するか、または冷凍前に取り除いても良いです。あるいは、小さく切っておくことで気にならなくなります。
ミネストローネを冷凍保存する
ミネストローネは、使う具材の種類が多いことから、つい大量になりがちですが、冷凍保存に向いているスープの代表でもあります。
冷凍保存の仕方
画像と共に、詳しくご紹介していきます。
【1】冷凍用に取り分けたミネストローネは、作り終えたらすぐに冷ますことが大切です。菌が繁殖しやすい温度で長時間置いておくのはよくありません。水を少量張ったボウルに底をつけると、素早く温度が下がります。熱いままのコンロから下ろすだけでも、違いますよ。
【2】冷凍用の保存容器に1杯分ずつ詰めてください。具材はバランスよく入れます。
【3)金属のトレイにのせてから冷凍庫へ入れると、汁もれ対策と急速冷凍に効果があります。3時間程度は扉を開けずに、しっかりと温度を下げてください。
解凍方法
【電子レンジで】
コンテナで冷凍したスープは、そのまま電子レンジで温めることができます。電子レンジの温めコースで加熱してください。
【鍋に割り入れて】
フリーザーバックで冷凍したスープは、鍋に移して温めることもできます。
【1】冷凍庫から取り出したスープを流水の下に置き、2~3分ほど解凍します。
【2】袋からとり出しやすくなったスープを、割りながら取り出し、鍋に移します。
【3】少量の水を加え、加熱してください。よくかき混ぜながら温めます。
【自然解凍】
冷凍庫から冷蔵庫に移して3時間ほど経つと、液体になります。汁漏れ防止のため、下に受け皿があると安心ですね。解凍後は温めてお召し上がりください。
保存期限
1か月程度を目安に、お召し上がりください。
トマトスープの素
「冷凍スープの素」は、スープのベースとなる素材をあらかじめ作り置き、冷凍保存しておく方法です。濃いめの味付けに仕上げてあるので、食べるときは溶かすだけ、という手軽さ。アレンジもしやすく、具材をプラスしたり、味に変化をつけたりと、自由自在の汎用性もあります。
用意するもの
・製氷機、またはフリーザーバック
材料
(約7杯分)
玉ねぎ 2個
トマト水煮缶 1缶(400g)
オリーブオイル 大さじ2
塩 小さじ1
中濃ソース 大さじ2
コンソメキューブ 2個
作り方
【1】みじん切りにした玉ねぎを、オリーブオイルでしっかりと炒めます。
【2】玉ねぎが飴色になったら、トマト水煮缶とコンソメキューブを加えてください。
【3】15分ほど加熱して煮詰めた後、中濃ソースを加え、塩を足します。その後、冷まします。
冷凍方法
【1】製氷皿に、荒熱のとれたトマトスープの素を詰めて、冷凍庫に入れます。
【2】フリーザーバックで冷凍する時は、薄く平らにして冷凍します。60gを目安に小分けすると、1杯分になります。
保存期間は長くない
2〜3か月の長期保存をするための方法ではなく、スープを手軽に作る方法ととらえ、早めに食べきるほうがおいしくいただけます。保存期間はせいぜい2〜3週間の範囲内です。味が落ちないうちにお召し上がりください。
解凍方法と、仕上げの手順
冷凍したスープの素は、熱湯で溶かしていただくのが、一番簡単な方法です。アツアツではありませんが、食べやすい温度に仕上がります。もちろん、鍋や電子レンジで加熱する解凍もOK。
・材料
スープの素 2片(60g)
熱湯 150㏄
オリーブオイル 少々
こしょう お好みで適量
サラダチキン、ツナ缶、蒸し大豆、パセリなど、お好みの具材
【1】製氷皿からスープの素を2つ取り出します。取り出しにくい場合は、食事用のナイフを使います。
フリーザーバックの場合は60gを目安に割り出してください。
【2】スープの素と、お好みの具材を器に入れ、熱湯150gを注いで溶かします。
【3】最後にオリーブオイル、こしょうを加えていただきます。
スープの素でアレンジ調理
作ったトマトスープの素は、さらに具材を足すと様々なアレンジができます。牛乳で作るミルクスープはいかがでしょうか。
牡蠣と小松菜のミルクスープ
・材料
スープの素 4片(120g)
牡蠣 200g
小松菜 50g
れんこん 50g
水 100㏄
牛乳 300㏄
バター 20g
塩 少々
桜エビ
・作り方
【1】牡蠣をよく洗い、水をふき取ります。小松菜を4㎝のざく切り、れんこんは皮をむいてすりおろします。
【2】鍋に牡蠣とスープの素、水を入れて加熱します。ひと煮立ちしたら、小松菜を入れてくったりするまで煮込みます。
【3】れんこんと牛乳を加え、ひと煮立ちしたら塩で味を調えます。火を止めてからバターを加えてください。
【4】器に盛り付け、桜エビをのせていただきます。
冷凍食品のスープを活用する
冷凍食品なら、インスタントよりも本格的な味が味わえます。
スープストックトーキョー 人気のスープ 4種 180g×5個
味の種類も多い、人気の「Soup Stock Tokyo」。自宅まで冷凍で届きます。
リンガーハット食べる野菜スープとんこつ味2食
忙しくても、体調が悪くても、冷凍庫にストックしてあると助かります。
冷凍保存しやすいスープレシピ
冷凍保存をしておくと、味が染み込むメリットがあります。具材がさらにおいしくなりますよ。冷凍しやすいレシピをピックアップしました。ぜひご参考にしてください。
具だくさんミネストローネ
余ったマカロニサラダを再利用。マカロニのマヨネーズが味をまろやかに。
◆材料
(大人2人分)
マカロニサラダ 100g
ベーコン 1枚
トマト 2個
しめじ 1/2パック(50g)
にんにく 1かけ
【A】
水 300cc
顆粒スープの素 小さじ1
しょうゆ 小さじ1/2
塩・こしょう 各少々
オリーブ油 小さじ1
※分量の大人1人分は、子ども2人分くらいになります。
◆作り方
【1】ベーコンは幅5mmの短冊切り、トマトは7mm角に切る。しめじは長さ1cmに切り、にんにくは横に薄切りにする。
【2】鍋にオリーブ油とにんにくを入れて弱火にかけ、香りが立ったらベーコンとしめじを加えてサッと炒める。
【3】【2】に【A】を加えてひと煮立ちさせ、マカロニサラダ、トマト、しょうゆを加え、再度煮立ったら、塩・こしょうで味を調える。
教えてくれたのは
YOMEちゃんさん
女の子のママ。愛情たっぷりの育児日記と日常のアイデアあふれる献立を綴ったブログ「よめ膳@YOMEカフェ」 が毎月200万アクセスを誇る。
『ベビーブック』2013年10月号
かぶとれんこんのパンプキンスープ
だしと塩麹を使ったうまみのある味わい。いつものパンプキンスープにひと手間かけてアレンジ!
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
ベーコン 70g
かぶ 1と1/2個
かぶの葉 1/2本分
れんこん 1節
かぼちゃ 300g
だし(かつお) 700ml
塩麹 大さじ1
◆作り方
【1】かぶは2cmの角切りに、葉は粗みじん切りにする。れんこんは皮をむいて 1cm幅のいちょう切りに、ベーコンは 細切りにする。
【2】かぼちゃは3cm角に切って、出汁で茹で、汁ごとミキサーにかけるか、汁の中でつぶす。
【3】鍋に【2】、かぶ、れんこん、ベーコンを入れて火にかけ、火が通ったらかぶ の葉を加えてサッと煮、塩麹を混ぜる。
教えてくれたのは
尾田衣子さん
「ル・コルドン・ブルー」 やイタリアにて料理を学び、料理研究家に。「料理教室Assiette de KINU」を主宰。親子で楽しむクッキングも人気。男の子のママ。
『ベビーブック』2016年1月号
肉だんごと春キャベツのスープ
大きめの肉だんごは食べ応え十分! シャキシャキのキャベツの食感も楽しい、ごちそうスープです。
◆材料
(3~4人分)
豚ひき肉 250g
【A】
こしょう 少々
酒、しょう油 各大さじ1
塩 ひとつまみ
パン粉 20g
ごま油 大さじ1
春キャベツ 1/2個
水 400ml
粗塩 小さじ1/4
◆作り方
【1】豚ひき肉をボウルに入れ、【A】を上から順に加え、その都度混ぜて調味し、4つに分けて丸める。
【2】春キャベツは千切りにする。
【3】鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら【1】を入れてフタをする。肉に火が通るまで、弱火で12分程度煮る。
【4】【2】をのせ、サッと煮て粗塩で味を調える。
教えてくれたのは
ウー・ウェンさん
北京生まれ。1990年に来日。雑誌で紹介した「北京の小麦粉料理」が評判となり、料理研究家に。東京と北京でクッキングサロンを主宰。
『めばえ』2018年6月号
高野豆腐のクルトン入り冬のポタージュスープ
ほっこり甘い! かぼちゃ&さつま芋ベース。栄養価の高い高野豆腐を入れれば1品で栄養も食べ応えも満点に!
◆材料
(2~3人分)
かぼちゃ 1/6個
さつま芋 1/2本
玉ねぎ 1/4個
水 200ml
牛乳(または豆乳) 200ml
塩 小さじ1/3
こしょう 少々
高野豆腐 1枚(約18g)
【A】
バター 10g
油 大さじ3
◆作り方
【1】かぼちゃは種と皮を除いてザク切りに。さつま芋は乱切りにして水にさらしておく。玉ねぎは横に1cm幅に切る。
【2】鍋に【1】と水を入れて火にかけ、煮立ったらフタをして具材がやわらかくなるまで中火で15分ほど蒸し煮にする(水気がなくなりそうなときは、焦がさないように水を適量足す)。
【3】【2】をフォークでつぶして牛乳を加え温め、塩、こしょうで調味する。
【4】高野豆腐は60℃の湯に浸して戻し、絞って水気をしっかり取り、1cm角に切る。
【5】フライパンに【A】を入れて中火で熱し、【4】をカリッとなるまで揚げ焼きにする。
【6】器に【3】を注ぎ入れ、【5】を散らす。
教えてくれたのは
藤井 恵さん
ふじいめぐみ/料理研究家、管理栄養士。女子栄養大学在学中から料理アシスタントを務め、料理家の道へ。25~30歳の5年間育児休業するも、復帰後、メディア各種、イベント、講演会など、幅広く活躍。「キユーピー3分クッキング」(日本テレビ系)の講師としても人気。
『めばえ』2017年1月号
疲れた時、忙しい時こそ温かいスープを
大きな鍋に具材をたっぷりと入れて煮込むスープは、体も心もほっこりとします。疲れた時、忙しい時こそ温かいスープが欲しいですよね。冷凍保存を活用すると、簡単に取り入れられます。心の余裕にも繋がりますから、試してみてくださいね。
構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)