「ジェンダー平等を実現しよう」とは
SDGsという言葉は、最近よく聞くようになったなぁ、という程度の印象でした。
しかし、テレビで流れていたあるコーナーをきっかけに、身近な出来事からSDGsについて考えるように。
ジェンダーって?
それは「社会的・文化的に形成される性別」のこと。
もう少し詳しく説明すると、「男はこうあるべき」「女はこうあるべき」という、世間が無意識に決めつけている性別による違いをジェンダーと呼ぶのだそうです。
最初は何だか自分とは遠い世界の話に感じていたのですが、ジェンダーについて考えているうちに、ふと昔の事を思い出したのです。
青い風船が欲しかったのに
今思うとこれも「女の子だから」という理由で、個人の意思とは関係なく色を決められていたんだなぁ、と……。
現在でも子供服などは
男の子=「青や黒、電車や恐竜のイラスト」
女の子=「赤やピンク、猫やうさぎのイラスト」
という区別があるような気がします。(私は猫が好きなんですが、男の子服の猫モチーフって全然見つからない……)
性別による好みの傾向があるのも事実かもしれませんが、色やデザインも性別に関係なく、もっと自由に選べればいいのになぁと思います。
また、我が家は現在共働きのため家事や育児は分担制なのですが、息子に関することになるとこんなことも……。
ママが子育てするのが当たり前?
こういった小さいことでも
「男は〇〇するべき」「女なら〇〇をして当たり前」といった無意識の決めつけから起こっているんだな、とSDGsを通して気付かされました。
家庭でできるジェンダー教育とは?
そしてふと不安になったのが、今はまだ幼い息子のこと。
SDGsに詳しい専門家に直撃インタビュー
ジェンダー教育に対する疑問を、持続可能な社会の実現に向けて社会に対して真の価値を生んでいきたいと考えている、株式会社シンカ代表取締役社長 CEO 町井 則雄さんに取材してきました。
Q. 今、家庭でできるジェンダー教育を教えてください。
※以下「 」内、町井 則雄さん談話
「ジェンダーの問題は文化や歴史的背景などもあり、『これ』という正解が無いケースが多いです。
したがって『女の子』『男の子』という単純な分類をするのではなく、一人の人間(個人)として同じ目線で考えていくことが大切です。
そして、ジェンダーの問題は親自身も知らないうちに特定の価値観を子どもに押し付けてしまっていることもあります。ですので親の価値観を子どもに説明するよりも、『どう思う?』と正解と思うことは何かを子どもと一緒に考えてみてはいかがでしょうか?
弊社が独自に645人の子育て中のご家庭にジェンダー問題についてアンケート調査したところ、『学校での行事などで男女差別のようなことを感じことはあるか』と言う設問に対して約15%の方が「ある」と回答されました。
「ある」と回答された約15%の方に、『そんな時どのように解決しますか?』と聞いてみると、約60%の方が『子供と一緒に考える』と回答。アンケート調査も参考にしてみてくださいね。
株式会社シンカ実施「子育て中のご家庭にジェンダー問題についてアンケート」調査方法:Webアンケート、2022年6月12日~6月14日実施、有効回答数645人。複数回答あり。
Q. 次に、「育児に関することは当然ママが主体」に対してはどう思われますか?「少しずつ変わってきているとはいえ、依然として社会全体に『お母さん=育児』といった考えがあるのは事実です。夫に対し、まずは育児に興味関心を持って欲しいという人も多いのではないでしょうか。
「その場合、『もし……』から一緒に考える時間を提案してみることをおすすめします。
たとえば、『もしママが倒れたらどうなるか?』を仮定として『育児と家事について共有する』ことからはじめます。
育児も家事も仕事ではありません。ですので、作業を分担するという視点ではなく、どれだけのToDoがあるのかを夫婦間で共有し、『お互い大変だね』とパートナーへの理解と共に、育児をそれぞれが自分事として考えられるようになれることが大切です」
―なるほど……。モヤモヤしているのなら一度話し合った方がすっきりするかもしれませんよね。最後に、もしも、周りの子と違うことで、我が子が仲間外れにされてしまった(してしまった)場合、親はどうしたら良いと思いますか?
「まずは子ども自身の意思を尊重しましょう。子どもが『○○したい』と自主的に考えたことはとても大切な学びのステップです。
この時に『そんなことをしたらいじめられてしまうかも……』という親の心配や価値観を子どもに押し付けてしまわないようにしましょう。とはいえ、ジェンダーの偏見に子どもが巻き込まれてしまうかもしれないのは心配ですよね。
そこで、子どもを一人の人間として尊重し、友だちや周囲とどのような関係を持ちたいかを含め、子どもと一緒によりよい方法について考えてみてください。その解決策が親としては心配な内容だったとしても、自分を尊重してくれた親と一緒に考えた解決策はそれ自体が子どもにとって大切な心の拠り所になります」
―日本は多民族国家ではないため、みんなと違うと恥ずかしいと思いがちな部分がありますが、これからは個性や個人の意思を尊重する社会を目指していくことが必要と感じてきました。
ジェンダー教育≒アイデンティティの教育なのかもしれませんね。今日はありがとうございました。
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記事監修
株式会社シンカ代表取締役社長 CEO
町井 則雄(まちい のりお)
企業の社会課題解決型ビジネス創出のサポートやCSR支援を行うため、株式会社シンカを立ち上げる。現在は企業による社会課題解決に向けた事業づくり、ソーシャルビジネスの支援、地方自治体が取り組むSDGs未来都市プロジェクトの推進なども行っている。【その他兼職】一般財団法人 22世紀に残すもの 理事長・一般財団法人 森から海へ 評議員・多摩エンパワー株式会社 社外取締役・一般社団法人ジャパンチャレンジャープロジェクト 理事・岩手町政策アドバイザー・社会起業大学 講師「社会事業構造論」・日本雨女雨男協会 事務局長など。
マンガ/みつけまま(Instagram:みつけまま) 構成/HugKum編集部